『Sonny Boy』の挿入歌Part2(第7~11話)
夏目 第7話のOgawa & Tokoroは、渡辺さんから「こういうの好きでしょ?」と教えてもらったアーティストです。サウンドにどことなく気だるい感じがあって、渡辺さんには、そういう音楽が好きだと思われているんでしょうね(笑)。実際、そういう音は延々とブロックを運び続ける長良の性格ともマッチしていて、いいなと思いました。第8話では、韓国の空中泥棒に2曲「Yamabiko’Theme」と「Kodama’Theme」を制作してもらいました。彼らも渡辺さんに教えてもらったのですが、非常に良い世界感を持っていて、「第8話に合う」と直感しました。この回は独特なんですよね。やまびこの主観の映像になっていて、かなり心情描写の深い絵作りをしているので、それにうまく入り込む音楽だったと思います。
第9話では、Ogawa & Tokoroの曲をAパートに、ミツメの曲をBパートに使っています。前半と後半でけっこう差を出したかったので、その意味では2曲使うことができてよかったなと思います。第10話では、骨折か希の心情を歌ってもらいたいと思いました。これまでのバンドはどちらかといえば落ち着いたサウンドを特徴としていたので、希たちに年齢が近い女性の感性があるバンドということで、カヨネリマサルに依頼しました。結果的には骨折のテーマソングとしてぴったりなものを作ってくださって、曲が流れるパートは純粋な音楽シーンのようになりました。
第11話は、お葬式のシーンでザ・なつやすみバンドの曲が流れます。普通はお葬式だとローな、暗いものになりがちですが、悲しくもあるが前に進まなきゃいけないという気持ちを見事に表現してくださいました。とても良い曲なんですよね。ちなみに第12話にも、音楽が贅沢に使われています。「少年少女」も、これまでとは違った形になっていますので、音楽も楽しみにしてもらいたいです。
- 夏目真悟
- なつめしんご アニメーション監督・演出家。『スペース☆ダンディ』で初監督を務めたのち、『ワンパンマン』や『ACCA13区監察課』『ブギーポップは笑わない』などを監督。『四畳半タイムマシンブルース』でも監督を務めることが決定している。