TOPICS 2025.04.04 │ 17:06

OVA「SK∞ エスケーエイト EXTRA PART」
監督・内海紘子×プロデューサー陣によるメインスタッフ座談会①

スケートボードをモチーフに熱いバトルが繰り広げられた『SK∞ エスケーエイト』。制作が発表された第2期に先駆けて、キャラクターたちの意外な一面が垣間見えるOVAのBlu-ray&DVDが発売中。そこで今回は監督の内海紘子、アニプレックスのプロデューサー・瓜生恭子、ボンズフィルムのプロデューサー・竹本順仁の3人に、制作の裏側について話を聞いた。

取材・文/宮 昌太朗

※本記事には物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

「スケートをやらない」を最初に決めた

――今回のOVAは、暦やランガ、実也を筆頭に、キャラクターたちのさまざまな側面を切り取ったエピソード集になりました。内容はどのように決まったのでしょうか?
瓜生 「どんな話にしましょうか?」と、ボンズさんと話し合って、決めていきましたね。それこそ、自分が見たいものをみんなで出し合う、みたいな。
内海 ある意味、夢を語る、みたいな感じでしたね。
瓜生 たしかに。今回の取材のために、久しぶりに当時の議事録を見返したんですけど、すごく楽しそうで。当時のメモを見ると「私服を使いたい」とか、あと監督は「幼稚園時代の桜屋敷と南城」というアイデアも出していますね。
内海 今と変わらず、ブイブイ言わせているんだけど、幼稚園なので三輪車でブイブイ言わせているんです。

――そこはスケートボードじゃなく、三輪車なんですね(笑)。
内海 第1期のときから、本当は2クール分作りたかったんです。とはいえ、まずは第1期を全力で作り切って、その結果、見てくれた人たちから求められるといいよね、と。だから第2期やOVAが作れることになったのはすごくうれしかったです。
竹本 第1期のときは、自分は制作デスクという立場で、OVAのシナリオ制作には関わっていなかったんです。ただ、当時のプロデューサーからいろいろと話は聞いていて、「めちゃくちゃ夢が広がっているらしい」と。だから実際に参加することになって、上がってきたシナリオを読んだときは「思っていた以上に攻めてるな」と思いました。

――あはは。ストーリーを作っていくにあたって、どのエピソードから決まっていったのでしょうか?
瓜生 「スケートをやらない」というのを、まず最初に決めましたよね?
内海 そうですね。たぶん、瓜生さんはスケートをやってもやらなくても、どちらでも構わなかったと思うんですけど(笑)。
竹本 やっぱりスケートをやらせようとすると、制作的にも大変なんです(笑)。
内海 スケートをやるかやらないかが死活問題だというのを、第1期のときに学んだので……(笑)。第1期のときはスケートボードをモチーフにした作品なので「ガチで滑らせるぞ!」と、決めていたんですけど……。
瓜生 第1期の第6話(「湯けむりミステリースケート?!」)は、じつはお楽しみ回の予定だったんです。でも、蓋を開けてみたら、めちゃくちゃスケートをする話になっていて(笑)。
竹本 温泉回のはずだったのに、結局、浴衣でスケートを滑るという(笑)。
瓜生 なので、やっぱりお楽しみ回はお楽しみ回としてやりましょう、と。
内海 大きな反省がありました(笑)。あと今回のOVAはどちらかというと、キャラクターの違う一面を見せるほうが、お客さんにも楽しんでもらえるかな、と思って、あえてスケート以外の部分をフィーチャーしたいと考えていました。

スケート以外で暦たちが何をして過ごしているのか見たかった

――キャラクターの組み合わせは、どんなふうに決めていったのでしょう?
内海 桜屋敷と南城に関しては、第1期のときにちらっと過去のふたりが出てきて。それがすごく人気があったんですよね。
瓜生 それで、やっぱりふたりは高校生かなと。
内海 私たちが見たかったというのはもちろんなんですけど、それ以上に、ファンの方々からの熱を感じていました。で、桜屋敷と南城が決まると、あとは組み合わせがかなり限定されてくるというか。菊池はやっぱり愛之介としかほぼ接点がないし、組み合わせの中では実也がちょっとイレギュラーな感じですけど。
瓜生 ただ、学生組の放課後を見てみたいよね、みたいな話もしていたので。いろいろな要素から、この形に落ち着いた感じですね。あと暦とランガ、実也のエピソードを雨の日に設定したのは、監督の発案でしたよね。雨の日のスケートボーダーはオフになっちゃうよね、と。
内海 そうですね。スケートを絶対させないマンになっていたからですが……(笑)。あとはスケート以外では暦たちが何して過ごしているのかは見たかった姿のひとつでしたね。

――今回、コンテ・演出として鴨居知世さんが参加していますね。
内海 当時のボンズのプロデューサーから「鴨居さんはどうですか?」という打診があったんです。当時、鴨居さんはちょうど絵コンテ・演出を始めて間もなかったんですけど、鴨居さんは以前いた会社の仲間でしたから、当然、実力も存じ上げていたので、「ぜひ!」と私からもお願いしました。本来『SK∞ エスケーエイト』の本編だったら、まずはスケートの説明をしないといけないんですけど、今回のOVAはスケートを滑らないので(笑)。とにかく楽しい話なので、楽しんで作ってください、とお伝えしました。

――では、わりとお任せに近い感じだったわけですね。
内海 そうですね。鴨居さん自身、キャラクターデザインができる画力の持ち主ですし、原画に関しても高い能力をお持ちの方なので、画面に関しては基本的にお任せしていて、鴨居さんが演出としてまだ慣れていない部分をこちらでフォローする感じでした。
竹本 鴨居さんはキャラクターのことをすごくよく理解されていて。キャラクターの心情を踏まえて、表情づけや演技を丁寧に追いかけて、コンテを描いていらっしゃったんです。なので内海さんのコンテチェックも、キャラクターの振れ幅を微調整する、みたいな感じで済んでいた印象がありますね。endmark

内海紘子
うつみひろこ アニメーター、演出家として『けいおん!!』『日常』などに参加した後、テレビアニメ『Free!』で初監督。初めてのオリジナル作品『SK∞ エスケーエイト』は、大きな反響を呼んだ。そのほかの監督作品に『BANANA FISH』『ぶっちぎり?!』がある。
瓜生恭子
うりゅうきょうこ 2008年にアニプレックスに入社。宣伝部から制作部へと移動し、プロデューサーとして多くの作品に携わる。これまでにプロデュースを担当した作品に『WIND BREAKER』『UniteUp!』『BANANA FISH』『SK∞ エスケーエイト』『王様ランキング』など。
竹本順仁
たけもとまさひと アニメスタジオ・ボンズフィルム所属。『文豪ストレイドッグス』(第4・5シーズン)でラインプロデューサーを務めた後、『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』にプロデューサーとして参加。『SK∞ エスケーエイト』第1期には、制作デスクとして参加。
作品情報

OVA「SK∞ エスケーエイト EXTRA PART」
2025年3月19日(水)発売

Blu-ray(完全生産限定版)
6,380円(税込)ANZX-16621〜16622
DVD(完全生産限定版)
5,280円(税込)ANZB-16621〜16622

■仕様
本編DISC(約25分)+特典CD

■収録エピソード
暦たちの日常の姿を描いたオムニバスストーリー
「雨と猫 コンビニアイス ソーダ味」

ある日の日曜日――いつものようにスケートパークに繰り出した、暦、ランガ、実也は突然のスコールに見舞われてしまう。暦の家に避難するも、そこで出会った一組のカルタをやることになって――!?
「本気(マジ)でマジになれること」

時は遡り、くすぶった日々を送る高校生の桜屋敷と南城。相変わらず張り合う2人が数々の勝負を重ねた先に、たどり着いたのは――
「Morning Routine」

これは、謎に包まれた愛之介と菊池の日常を、ほんの少しひも解く物語――
知られざるそれぞれのルーティーン、クロスオーバーする2人、その先にあるひと時に迫る。
「がんばれひろみちゃん!」

夜はアンチヒーロー、シャドウ。昼は花屋でがんばる、健気で優しい広海の日常を切り取った、ショートショート3作。

  • ©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ OVA