TOPICS 2026.07.21 │ 12:00

『ぬきたし THE ANIMATION ビジュアルファンブック』発売記念 キャラクターデザイン・くまたが語る制作秘話①

書籍『ぬきたし THE ANIMATION ビジュアルファンブック 資料系女子たちはどうすりゃいいですか?』の発売を記念して、キャラクターデザイン・総作画監督を務めたくまたがどのような想いのもと、本作に携わっていたのかを深掘りする。前編となる今回は、原作ゲームに触れたきっかけや、キャラクターデザインを描く際に意識したことについて聞いた。

取材・文/太田祥暉(oriminart)

キャラクターの魅力に取り憑かれた

――くまたさんが原作ゲーム『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?(以下、ぬきたし)』に出会ったのは動画サイトだったそうですね。
くまた ワードセンスやお話のバカバカしさがとても面白かったんです。これまであまり触れたことがない雰囲気の作品でしたから、とても気になって……。えっちなシーンをちゃんとプレイしたい!と思い、原作ゲームを購入したことが『ぬきたし』との出会いでした。プレイし始めると、キャラクターの魅力に取り憑かれてしまって……。

――ファンアートを描くようになったと。
くまた そうですね(笑)。モブではあるんですけど、スス子に魅力を感じて、彼女のルートがないとは何事か!とファンアートを描き始めたんです。まだ当時は『ぬきたし2』が発売された直後(2019年秋)だったので、スス子ルートアペンドは配信されていなかったのですが(2020年8月に配信)、どんどん描くようになりました。その結果、えび先生(音楽を担当したえびかれー伯爵)から認知されて、徐々にQruppoさんと知り合ったんです。

ファンアートがテレビシリーズに活きた

――ファンアートを描く際には、浮丸つぼねさん、如月千幸さんのデザインに寄せるために何か意識したのでしょうか?
くまた いえ、ファンアートは完全に自分の絵柄を出しています。要素さえ残っていればいい、くらいの気持ちで描いていました。なので、テレビシリーズの作業時は、アニメーターとしてキャラクターデザインに寄せることを意識しました。ファンアートは、自分が可愛いと感じたポイントをできるだけ強調することを軸にして描いていたので、服についているチェック柄まで必ず描くようにしたり。それが大変だったので、テレビシリーズのキャラクター設定画を描く際には削りましたが(笑)。

――ファンアートを描いていたことが活きた部分もあったのですね。
くまた 大衆に受け入れられるよう意識できたのは、ファンアートを描いていたからこそかもしれません。ファンアートは自分が描きたいことと、えっちになればいい、くらいの意識でしたけれど、テレビシリーズは多くの視聴者に届けることを大前提にしなければなりませんから。

えっちさとみんなが見たくなる塩梅を第一に

――本作が初めてのキャラクターデザインとなりましたが、もともと何かしらの作品でキャラクターデザインを担当したいと考えていたのでしょうか?
くまた はい。Qruppoさんから『ぬきたし』をアニメ化したいという話を伺っていたので、自分も携わりたい!と思ったのですが、とはいえ、実現しても数年後だろうと思っていたので、それまでに自分がうまくなっていたらキャラクターデザインを担当したいな……と密かに願っていたところ、意外と早くアニメ化企画が進行することになって。

――『お兄ちゃんはおしまい!』に参加していた頃ですよね。
くまた 作業途中だったと思います。2022年かな。原画としてもまだ数年くらいのキャリアでしたから、キャラクターデザインをするにはまだまだなんですよ。だからといって、このキャラクターデザインのコンペに参加しない手はありません。結果、採用していただけて、修羅の日々が始まることになったんです(笑)。

――コンペではどのキャラを描いたのですか?
くまた 淳之介と美岬のふたりです。「紙2枚分で何かを描いてください」とラフなオーダーを受け、1枚にはコミカライズで主役を張っていたふたりを描きました。その時点では誰のルートがアニメ化されるかもわからなかったので。もう1枚はヒロインたちの裸のイラストですね。

――そのコンペ時のイラストは、実際のキャラクターデザインと方向性は同じなのでしょうか?
くまた まったくの別物ですね。コンペのときはただただ描いたものなので、ファンアートの延長線でした。とくに戦略もない時期だったので、かなり芋っぽく、ただただムチムチとした絵だったので、どうしてあれで受かったんだろう?と思うのですが……。

――では、実際にキャラクターデザインを務める際に、意識したことを教えてください。
くまた たとえば、『ブルーアーカイブ』のキャラクターはとてもキャッチーで人気ですが、その理由を分析すると、えっちさも感じるけれど、みんなが見たくなる塩梅に落とし込まれているからだと思っていて。そのバランス感の取り方を参考に、キャラクターデザインに着手しました。でも、その目標を達成できたのは、総作画監督として本編に参加していた終盤ですね。制作が大詰めになってようやく、このバランス感かも、と手応えを感じることができました。なので、Blu-ray BOXのパッケージやコミックマーケットで頒布した同人誌の表紙はとても満足しています。endmark

くまた
1994年生まれ、福岡県出身。本作で初めてキャラクターデザインを担当。主な参加作品に『ゼノンザード THE ANIMATION』(原画)、『お兄ちゃんはおしまい!』(メインアニメーター・プロップデザイン)など。
後編は7月22日(水)公開
商品情報

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