SERIES 2021.03.16 │ 12:04

ガールズ&パンツァー
茨城県東茨城郡大洗町

物語の舞台となった街角の風景
それは2次元と3次元の狭間にある
キャラクターの息吹を伝えてくれる場所
今回は「戦車道」を通して少女たちの友情と青春を描いたTVアニメ『ガールズ&パンツァー』の舞台、大洗町を訪れる――。

文/浅野健司

※雑誌Febri Vol.14(2013年1月発売)に掲載された記事の再掲です。

太平洋の恵みあふれる懐かしの港町

県庁のある水戸市から東へ十キロほどの場所にある大洗町は、作品の主人公であるみほを初めとした、大洗女子学園の生徒たちのホームタウンだ。駅を出て町へ降り立つと、風に混じった潮の香りが海のそばなのだと教えてくれる。昔ながらのお店が軒を連ねる商店街はどこか懐かしい雰囲気で、なんだか時間の流れも穏やか。思わずのんびりとした気持ちになってしまう。

通りを歩いて気づくのは、鮮魚店や旅館の多さと、そこに立てられた「あんこう鍋」の幟(のぼり)だろう。大洗は太平洋に面した海辺の町で、漁港やマリンレジャースポットとして有名。夏には海水浴を、冬には絶品の海の幸を求め、たくさんの観光客が訪れるのだ。第4話ではこの町を舞台に、大洗女子学園と聖グロリアーナ女学院による戦車道の練習試合が繰り広げられた。その戦いの場となった聖地を探して、街の中を歩いてみよう。

町のシンボルであるマリンタワーはアニメにもたびたび描かれていて、この写真のアングルは3話に登場。展望台からは広大な海を眺めることができるぞ。

1. 大洗磯前(おおあらいいそさき)神社参道

野戦は不利と見たみほは、戦いの舞台を町の中へ移すことに決め、神社の参道を駆け抜け商店街へと走っていく。この参道がある大洗磯前神社は創建1200年を数える由緒正しい神社で、鳥居越しに望む太平洋は絶景だ。

2.マリンタワー南交差点

神社から海沿いの道を進むと、マリンタワーに隣接するアウトレットモールへ出る。この一角にはフェリー港などもあり、海側の玄関といった感じ。この交差点を曲がった先が町の中心部で、もうひとつの玄関口である大洗駅がある。

3.路地戦

形勢を逆転すべく、地元の利を生かして市街戦に持ち込む大洗女子。路地裏に身を隠しながら相手を追い込んでいく作戦だ。ちなみに奥に見える旅館は、曲がりきれなかった戦車が突っ込んでしまい、めでたく建て替えることに。

4.追い詰められたみほ

指揮官として優秀な能力を持つみほだが、他のチームメイトは経験も浅くまだ実力不足。商店街の中で追い詰められ、ピンチに陥ってしまうが……。この通りは西日が射す場所なので、早い時間に訪れたほうが撮影しやすいだろう。

5.リゾートアウトレット

試合が終わり、学園艦へと戻る前にアウトレットモールへ寄り道。ファッションや雑貨といったアイテムが充実するこの場所は若者に人気。おいしい食べ物屋さんもあって、みほたち大洗女子学園生徒にも定番のスポットだ。

名物百景|あんこうのどぶ汁鍋

大洗の名物と言えば、今が旬のあんこう鍋。その中でもどぶ汁は、あん肝を煎ってダシに使った贅沢な逸品だ。味処 大森ではゴボウなどをブレンドした特製の味噌を使っており、濃厚で深い味を楽しむことができる(※どぶ汁鍋は要予約)。

味処 大森  電話 029-267-4060 ※今年のあんこう鍋の提供は2021年3月28日まで。詳細については電話などで要確認。
県央部の太平洋岸にある大洗町。東京から車であれば常磐道〜東水戸道路、電車なら常磐線〜鹿島臨海鉄道大洗鹿島線が便利。 ※紹介した聖地には私有地なども含まれます。訪れる際には住民の方の迷惑にならないようにマナーある行動をお願いします。
作品情報

映画『ガールズ&パンツァー 最終章』
第3話 2021年3月26日 劇場上映

監督/水島 努
脚本/吉田玲子
キャラクター原案/島田フミカネ
キャラクターデザイン・総作画監督/杉本 功
アニメーション制作/アクタス

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