――MyGO!!!!!のプロジェクトがスタートしてから、1年越しでアニメの放送が始まりました。感慨もひとしおだったと思います。
立石　1年間、MyGO!!!!!というプロジェクトがずっと動いてきて、私たちメンバーはそれよりもさらに1年以上前から練習をしていました。だから、MyGO!!!!!と向き合う時間がかなりあったんです。ただ、やっぱりアニメが始まらないと語れないこともたくさんあったので、とにかく早くみんなに見てほしいという気持ちがずっとありました。それと同時にちょっと怖い気持ちもあって、初回放送の日はすごく緊張していたんです。でも、放送後に皆さんが寄せてくれた感想を読んでホッとしました。本当に楽しんでいただいていることが伝わってきたので。

――アニメのストーリーが進むなかで、愛音の捉え方はどう変化しましたか？
立石　愛音ちゃんはすごく明るくて、みんなを引っ張っていける女の子だと、最初は感じていました。でも、お話が進むにつれて、じつは自信のない部分がけっこうある子だなって気づいたんです。だから、いざというときに怖くなって逃げてしまう。ただ、そういう一面が見えていくことで愛音ちゃんの人間味を感じられたり、親近感もわいて、より好きな女の子になっていきました。

――放送された第9話までの中で、思い入れのあるシーンやセリフを挙げると？
立石　すごく胸が痛かったのは第5話です。立希（たき）ちゃんに「お前はずっと逃げてる」と言われて、愛音ちゃんは「逃げてない」って返すんですけど、あのシーンは「わかるな」って思って、セリフを口にしながら胸が痛くなりました。愛音ちゃんは、自分が逃げているということに心当たりがあるけど、弱い自分を認めたくない。そんな葛藤の挙句に出た言葉だと思うんですけど、愛音ちゃんの姿を見てすごくつらくなったので、そのシーンはとても印象に残っています。

――アニメの放送前から、MyGO!!!!!はバンドとして音源を発表したり、ライブ活動を行ってきました。メンバーの印象に変化はありましたか？
立石　みんな、基本的に大きくは変わっていないです。青木陽菜ちゃんは事務所の同期なので、いるだけで安心感があるし、私の心の支えになっています。林 鼓子ちゃんは、明るくて元気なMyGO!!!!!のムードメーカー。羊宮妃那ちゃんは、ほんわかした雰囲気だけど、自分の世界観やこだわりをしっかり持っている強い女の子です。小日向美香ちゃんはお姉ちゃん的な部分もありつつ、けっこうお茶目かつ天然で、かわいらしい部分がたくさんある人だなと感じています。

――これまでのバンド活動で印象的だった出来事を教えてください。
立石　スタジオに入って練習をしたあとに、美香ちゃんが泣いていることが何回かあったんです。練習でうまく弾けなかったことが悔しくて泣いていたと思うんですけど、そこまで1回1回の練習に真剣に、本気で取り組んでいるんだなと思いました。私も本番でうまく演奏できなかったら悔しくて泣いちゃうかもしれないけど、練習のときはどこか「まあ練習だし、間違えても本番で頑張ろう」という感覚でした。でも、美香ちゃんは悔しくて泣くくらい、毎回の練習に本気で取り組んでいる。その姿を見て「私ももっと頑張らなきゃいけない」って思えた出来事で、強く印象に残っています。

――MyGO!!!!!の楽曲の中で、とくに思い入れがあるものを挙げると？
立石　思い入れのある楽曲は、やっぱり「迷星叫（まよいうた）」になります。私たちの初めてのオリジナル曲で、ライブでずっと演奏している曲なので。個人的に大好きな楽曲は「潜在表明」ですね。羊宮さんのポエトリーリーディングを聞きながら演奏すると、本当に感情が入りやすいんです。その羊ちゃんの感情の入り方が毎回違うので、私自身も演奏するテンションがいつも変わってくるという面でも、すごく好きな曲です。

――第10話以降のストーリーの注目ポイントはどこになりますか？
立石　第9話で大変なことになり……愛音ちゃんが最後に「私、いらないんでしょ」と言ってスタジオから出ていっちゃうんですけど、愛音ちゃんのあんなに暗い表情は今まで見たことがなかったです。ここまでずっと見守ってくれていた皆さんからすると「これ、本当にMyGO!!!!!は結成できるの？」という状態だと思います。愛音ちゃんが出ていってしまったあと、物語がどうやって進んでいくのか。最終話まで、これまで以上に1話1話をじっくり楽しんでほしいなと思います。

――「ずっと逃げてる」と言われたり、「私、いらないんでしょ」と言ってしまったり、愛音はいろいろな出来事を経験しながら、物語の中で変化して成長していると思います。そんな愛音に今、何か言葉をかけるとしたら、どんな言葉をかけてあげたいですか？
立石　そうですね……「別に逃げてもいいんだよ」と言ってあげたいですね。第5話～第6話で、じつは愛音ちゃんは努力が苦手で今まで逃げてきた一面があることに皆さん、気づいたと思うんです。バンドをきっかけにそんな自分を乗り越えつつあるので、きっと今回も乗り越えて、これからどんどん先に進んでいってくれると思うんですけど、それでも彼女が今後の人生を生きていくうえで「逃げることは悪いこと」になってしまうのは嫌だなと思っています。だから「本当につらいときには逃げてもいいんだよ。迷子でもいいから、前に進んで」って。MyGO!!!!!的に言うと「迷うことを迷わない」というか。

――「MyGO!!!!!」というバンド名には「私の生き方」という意味もあるんでしょうしね。
立石　そうですね。「愛音ちゃんらしく、でいいんだよ」って声をかけてあげたいです。