TOPICS 2023.09.14 │ 12:00

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「当たり前」の苦悩と希望を描き続けた 『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の向かう先

メンバーたちが生々しい感情をあらわにしながらぶつかり合い、これまでの『バンドリ!』シリーズとは打って変わった作風で注目を集めた『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』。本作が描こうとしたものは何だったのか。最終回となる第13話を前に、彼女たちの足跡を振り返りつつ、考えてみたい。

文/大久保和則 

心の暗部を克明に描くからこそ、歌が、演奏が心に刺さる

『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!(以下、It’s MyGO!!!!!)』は、今までの『バンドリ!』シリーズとは明らかに異なる作品だ。これまでの『バンドリ!』シリーズが持っていた明るさやキラキラ感は局所的に描写されるに留まり、作品の根幹をなす物語には濃い影があって、ずっしりとした重みがある。主人公の燈(ともり)をはじめ、バンドを結成することになる5人には、それぞれ忘れたくても忘れがたい過去のトラウマがあり――そういったものとは無縁だと思われていた楽奈(らーな)にも「居場所がなかった」時期があったことが、第11話で彼女の祖母の言葉から明らかになっている――その過去を抱えながら懸命に生きている。

『It’s MyGO!!!!!』は「女子高生がバンドを通して成長し、輝きを放っていく物語」という表現だけでは決してくくりきれない、思春期の女の子特有の心の闇や、ひいては人間そのものが持つ暗部を、これまでの『バンドリ!』シリーズのみならず、あらゆるバンド・音楽系アニメを含めても類を見ないほど、繊細で丁寧に、そして克明に描いている。だからこそ、彼女たちの言葉が胸をえぐる。その表情が心を揺らす。燈の歌が、バンドの演奏が心に刺さる。それゆえに、既存の『バンドリ!』シリーズのファンだけにとどまらず、普段アニメをあまり見ないような視聴者にも届く作品になっているのだと思う。

そんな『It’s MyGO!!!!!』の最終回の放送が、目前に迫った。これまでの12話で、メンバーたちは激しく葛藤し、深く悩み、誰かを傷つけ、迷いに迷いを重ねながら、それでもどうにか前を向いて進んできた。ロンドン留学に挫折して帰国した愛音(あのん)と燈の出会いから始まり、かつて燈、立希(たき)、そよが所属していたバンド・CRYCHIC(クライシック)解散の顛末、そのCRYCHICを解散させた祥子(さきこ)と、もうひとりのメンバーだった睦(むつみ)との深い確執、さらにはそよが心に秘めていたMyGO!!!!!結成の真意を明かしたことによる空中分解の危機……本当に書き切れないほど「しんどい」エピソードが重ねられてきた。誤解、喪失、絶望、理解、そしてまた誤解し、何かを失い、希望が見えなくなる。それでもバンドはなんとか結成まで漕ぎ着け、第12話でようやく初めてのライブを成功させ、「MyGO!!!!!」というバンド名を手に入れた。「自分たちが、いっつも迷子だから」という理由から付けられたバンド名だが、同時にそこには「迷子でも前へ進め」という思いが込められている。そんなMyGO!!!!!=迷子たちの道のりは、最終回でどんな結末を迎えるのだろうか?

第11話で、燈は「私、傷つくのが、怖くて、一生バンド……やりたかった。だけど……傷付かずに一生は、無理。傷だらけ……泥だらけになって、いっぱい、もがかなきゃ……それでも、みんなと一生バンドやりたい。何回転んでも、迷っても……」と語る。これこそが、『It’s MyGO!!!!!』が伝えようとしてきたメッセージの核だ。さまざまな紆余曲折を乗り越えてきた燈の言葉には、たしかな真実味と説得力があった。人は誰でも、何回転んでも、迷ってもいい。迷っても、歩き続ければ必ずどこかにはたどり着く。まっすぐ歩く必要なんて、どこにもない。そんな、本当は当たり前なのに多くの人が忘れてしまっている、ささやかだけど大切な希望を『It’s MyGO!!!!!』は描いたのだ。果たして、その希望の物語は、最終話で明るく燈って大団円を迎えるのか? それとも、その希望の燈を覆すような波乱が待っているのか? 第12話のラストでは、祥子の不穏な動きが描かれた。いまだに燈、立希、そよとの確執が解けていない祥子だが、これが第13話にどうつながり、MyGO!!!!!のメンバーたちにどんな影響を与えるのか――これまでと同様に、最終話もまた、予測不能で目が離せない展開が待っているに違いない。endmark

作品情報


『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』
TOKYO MX他にて好評放送中!

 

■CD情報

MyGO!!!!! 3rd Single『壱雫空』
好評発売中!

<品番>
Blu-ray付生産限定盤/BRMM-10679
通常盤/BRMM-10680

<価格>
Blu-ray付生産限定盤/7,700円(税込)
通常盤/1,760円(税込)

<収録内容>
【CD】
1.壱雫空
2.栞
3.焚音打
4.壱雫空 -Instrumental-
5.栞 -Instrumental-
6.焚音打 -Instrumental-

【Blu-ray】※Blu-ray付生産限定盤のみ
MyGO!!!!! 3rd LIVE「声を抱えて生きる」

<初回生産分限定封入特典>
・BanG Dream! 12th☆LIVE DAY2 : MyGO!!!!! 最速先行抽選申込券
・オリジナルキャラクターカード1枚(限定盤イラストver. 全5種)
※Blu-ray付生産限定盤のみ

・オリジナルキャラクターカード1枚(通常盤イラストver. 全5種)
※通常盤のみ

【詳細】
https://bang-dream.com/discographies/3368

 

MyGO!!!!! 1st Album『迷跡波』

2023年11月1日(水)リリース!

<品番>
Blu-ray付生産限定盤/BRMM-10716
通常盤/BRMM-10717

<価格>
Blu-ray付生産限定盤/9,900円(税込)
通常盤/3,850円(税込)

<収録内容>
【CD】
1.迷星叫
2.壱雫空
3.碧天伴走
4.影色舞
5.タイトル未定
6.潜在表明
7.音一会
8.春日影(MyGO!!!!! ver.)
9.タイトル未定
10.タイトル未定
11.無路矢
12.名無声
13.栞

【Blu-ray】※Blu-ray付生産限定盤のみ
MyGO!!!!! 4th LIVE「前へ進む音の中で」

<初回生産分限定封入特典>
・2024年開催予定 MyGO!!!!!単独ライブイベント最速先行抽選申込券
・2024年開催予定 MyGO!!!!!出演ライブイベント最速先行抽選申込券
・オリジナルキャラクターカード1枚(10種+シークレット箔押しサイン入り10種)

【詳細】
https://bang-dream.com/discographies/3457

 

■ライブ情報
『BanG Dream! 12th☆LIVE DAY2 : MyGO!!!!!「ちいさな一瞬」』

<開催日時>
2023年11月4日(土) 開場17:00/開演18:00(予定)

<会場>
東京ガーデンシアター

<チケット>
プレミアムシート/22,000円(税込)
一般指定席/9,900円(税込)
※本公演のチケット最速先行抽選には、発売中の『壱雫空』初回生産分に封入の申込券で応募可能

【詳細】
https://bang-dream.com/12th-live

 

Roselia『Farbe』

<開催日程>
2023年9月16日(土)、17日(日) 開場17:00/開演18:00(予定)

<会場>
有明アリーナ

<オープニングアクト>
DAY1/MyGO!!!!!
DAY2/Ave Mujica
※MyGO!!!!!の出演は16日(土)のみ

<チケット>
プレミアムシート/22,000円(税込)
一般指定席/9,900円(税込)

<受付URL>
一般販売受付中
https://eplus.jp/roselia_2023/
※先着順・なくなり次第終了

【詳細】
https://bang-dream.com/events/roselia_2023

 

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