TOPICS 2024.03.14 │ 12:01

ヒロイン本発売決定!
『ぽんのみち』キャストリレーインタビュー⑤ 十返舎なしこ役・前田佳織里

5月17日(金)に発売が決定した『ぽんのみち公式ヒロインブック』(予約受付中)。ヒロインたちの設定資料を満載し、『五等分の花嫁』の春場ねぎ先生によるキャラクター原案、監督コメント付きの全話解説など、作品の魅力を詰め込んだ一冊です。ここではヒロインブックに掲載するメインキャスト5人のインタビューの一部を、ひと足先にお届けします!

取材・文/本澤 徹

なしこが自分を見つけてくれた

――なしこの第一印象はいかがでしたか?
前田 最初にいただいた資料が、いつもの白いシャツにズボンスタイルのイラストで、それを見て着飾らない子というか、自然体で毎日をのびのび生きている子、自分をよく見せようみたいなところがなくて、毎日を大切にできる子なんだろうなと思いました。だからお芝居も日常感が出るように、かけあいなどがナチュラルに聞こえるように、というところを意識しました。

――役決めはテープオーディション形式だったそうですが、何か印象に残っていることはありますか?
前田 麻雀作品のオマージュネタが課題にたくさん入っていたので、マネージャーさんと一緒に由来を調べて、調べた作品に自分もハマったりしました(笑)。課題がそういう傾向だったこともあって、「受かろう」というよりも、いい意味で「遊ぼう」という意識で演じさせていただいたんです。そうしたら、テープを聞いたマネージャーさんがすごく笑ってくれて……「ちょっとやりすぎかな?」と話していたんですけど、ご縁をいただけてうれしかったですね。たぶん、なしこちゃんが私を見つけてくれたんだと思います。役が決まるときって、スタッフさんが選んでくださるのはもちろんなんですけど、自分が役を決めたんじゃなくて、役が自分を見つけてくれていると思っているんです。

――その「遊ぶ」感じは、なしこのキャラクター性に合っていると感じます。
前田 私も現場に入ってから、なしこってこれだけ遊んでもいい子なんだ、こんなに自由なんだっていうのを実感したので、結果的には良かったのかなと思います。
――オーディション以降に演じ方が変化した部分はありますか?
前田 第1話のテストをしたときに「その演技だと、ちょっと可愛すぎちゃうかも」と言われたんです。お母さんに対して怒るところで「もっと怒気強めに、ちょっと汚くなっちゃってもいいので」というディレクションをいただいたときに「なるほど、なしこに求められているのは、そういう感じなのか」というのが見えて、そこからイメージを固めることができました。

広島弁を音で覚えてから演技を肉付け

――前田さんから見た、なしこの魅力を教えてください。
前田 行動力の塊っていうところですかね。私は「これをやるぞ」と思っても、そこに至るまでの過程を考えて面倒臭くなってしまうことが多いんですけど(笑)、なしこは「まず、やってみよう」となりますよね。しかも、とても器用な子で、麻雀もすぐに覚えてしまう。全体的に要領が良いと思っていて、学校の成績もそつなく良いですよね。そういう器用さがありながら、行動力もあるところは、人として尊敬です。

――なしこに似ていると感じる部分はありましたか?
前田 自分では違うところが多いと思っているんですけど、不思議とまわりからは「カオリンにすごく似てるね」と言われるんですよ。最初の収録でイオリン(佐伯伊織)が「なしこにぴったりだ! すごい説得力あったよ!」と言ってくれたりして。似てるんですかね? ただ、演じていて、やりづらいと思ったことが全然ないのはたしかですね。あえて言えば、猪突猛進なところとか、人と話すのが好きなところは似ているかもしれないです。ちなみに私以外のキャストの子たちは、それぞれのキャラクターにめっちゃ似ていると思います。アフレコ中、キャラクター本人に見えてくるという現象が多々ありました。

――広島弁での演技はいかがでしたか?
前田 思っていた以上に難しかったです。でも、広島弁を通じて尾道をより深く感じることができましたし、声優ってイントネーションをすごく気にして生きているので「えっ、ここでこういうイントネーションになるの?」みたいな発見があったりして、楽しかったですね。
――広島県で育った声優さんがなしこのセリフをすべて読み、それを聞いて発音を習得する段取りだったと、スタッフの方から聞きました。
前田 そうです。声優の孫悦(そんえつ)さんが前もってアフレコしてくださったデータを聞いて、まずイントネーションなどを音として完璧に覚え、その上からなしことしてのお芝居を肉付けしていく、というやり方でした。孫さんには現場でも指導していただいて、とてもお世話になりました。
――その方法は、方言キャラの収録方法として一般的なのでしょうか?
前田 自分の知っている範囲だと、これだけ手厚くて丁寧なケースは、なかなかないと思います。セリフのデータはすごく早くにいただけましたし、いくつかのパターンを用意してくださることもあって「広島弁バックアップ塾」みたいな感じでした。
――普通の収録よりも、段取りがかかりますね。
前田 正直に言うと、自分が演じてきた役の中では、チェックにいちばん時間がかかりました(笑)。そういう意味では大変でしたが、ストレスは全然なく進めることができましたし、ありがたい経験だったなと思います。endmark

前田佳織里
まえだかおり 声優、歌手。福岡県出身。4月25日生まれ。アミューズ所属。主な出演作品は『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』(桜坂しずく役)、『ウマ娘 プリティーダービー』(ナイスネイチャ役)、『2.5次元の誘惑』(天乃リリサ役)、『パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき』(ナルセ―ナ役)など。
書籍情報

ぽんのみち公式ヒロインブック

今回掲載したキャストインタビューのロングバージョンの他、『五等分の花嫁』の春場ねぎ先生によるキャラクター原案、スタッフインタビュー、監督コメント付きストーリーガイドなど、ヒロインの魅力をぎゅっと詰め込みました。カバーイラストは描き下ろし!

2024年5月17日(金)発売予定

  • ©IIS-P/ぽんのみち製作委員会