――リーチェに対する最初の印象をお願いします。
近藤　見た目がどストライクで、私が好きな女の子だと感じました。オーディションの段階では、おしとやかでおっとりしている「ザ・お嬢様」だと思っていたので、本番よりもお嬢様成分が強いというか、お姉さんみが強い方向で演じていました。
――本番で方向性を多少変えたということは、オーディション以降にキャラへの印象が変化したということでしょうか？
近藤　そうですね。お話を見ていったら、初回からちょっと人の話を聞かないところがあったりとか（笑）、お姉さんだと思っていたのですが、意外と幼い部分があると思うようになりました。子供のように純粋だから、好奇心が強くて、いろいろなことを素直に楽しめるし、感動も大きいのかなと。押しの強さも含めて、純粋さからくる子供っぽさが強い子だと感じたので、本番ではオーディションよりもテンションを上げた話し方にすることが多かったです。たとえば、第2話で「いいじゃないですか、ちょっとぐらい～」って泣くシーンは、オーディションの課題にも入っていたんですけど、本番ではより子供っぽい泣き方になっています。

――ご自身に似ているとは思いますか？
近藤　特別、育ちがいいとかは全然ないです（笑）。ただ、似ているかどうかはともかく、得意というか、演じやすいタイプのキャラかなとは思います。自分の思考の中にはない考え方をするキャラを演じる場合、理詰めで考えて演技をするのですが、リーチェの場合は気持ちが理解できるというか、考え方が自分の中にまったくないものではないので、頭の中で自動的に動いてくれて、私はその動きのまま演じるという感覚でした。純粋で、感情を素直に表に出してくれる子なので、やっていて悩むことはなかったですね。
――リーチェの魅力は、やはりその純粋さ、素直さでしょうか？
近藤　そうですね。私は最初からこの子がいちばん好きで、やりたいと思った子でもあったので、私からするとすべてが魅力的なのですが、意外と子供っぽい、ちょっとゴーイングマイウェイなところがあるのが、見た目とのギャップもあって大きな魅力だと思います。

――「お金持ち」という属性がクローズアップされがちなキャラでもありますが、そこは意識しましたか？
近藤　特別、意識することはありませんでした。なぜかというと、リーチェ自身に「自分が特別である」という自覚がないんです。他のみんなからすると、ちょっとずれていて「えっ？」ってなることも、リーチェにとっては普通で、何の気なしにやっていることだと思うんです。
――金の牌を用意したり、割り勘で多く払おうとするところなどですね。
近藤　友達と割り勘にするということ自体、リーチェはこれまで経験して来なかったと思うんです。私は学生の頃に普通によくやっていたんですけど、リーチェにとっては新鮮だったんだろうなと思うと、あそこで青春を経験できているんだなと思えて「よかったね」と親のような気持ちになっていました。

――リーチェの印象に残っているシーンやセリフをお願いします。
近藤　第2話で、雀荘から尾道の風景を見て「ここからは遠く、海も見えるのですね」と言うシーンが好きです。「小さかった頃は見えなかったけど、大きくなったことで見える景色がある」という意味に加えて「大きくなって、昔、楽しかった場所で、今までできなかったことを新しく経験していける」っていうニュアンスも含まれていると思っていて、すごく好きなセリフであり、いいシーンだなと思います。

近藤　それとはまた違った意味で、好きなシーンが詰まっているのが第8話ですね。跳ちゃんがなしこちゃんの家に泊まると聞いて「ん～～～！」って悔しがるところで、駄々っ子のようなお芝居をしたのを覚えています（笑）。それから、リーチェが雀荘に来たときに「おかえり」って言われて、はにかみながら「ただいま、帰りました！」って言うシーン。私もただいまって言っていいんだ、この場所にただいまって言えるんだ、みたいなリーチェの喜びと、みんな本当に仲間で、ここがみんなのホームなんだっていうことが感じられて、すごく好きな場面です。

――尾道の描写で印象に残っていたり、行ってみたいと思ったシーンを教えてください。
近藤　行ってみたいという意味で、灯りまつりですね。キャストみんなで行けたらいいなと思っています。それこそ、ぼんぼりをみんなで作って置くことができたらうれしいですね。
――第8話をリアルにやる感じですね。
近藤　あのぼんぼりの数は、ちょっと遠慮したいですけど（笑）。私、尾道にはまだ行ったことがないんですけど、他の場所も綺麗ですよね。アニメに出てきた「リーチェいっぱつ」のアカウントをアニメのスタッフさんが実際に作っていて、尾道の素敵な風景がたくさん上がっているので、それを見ながら「行きたいな」って思いを馳せています。