TOPICS 2023.07.04 │ 12:00

ペイトン尚未の「並行多元ヒロインズ」
第1回 変身ヒロインに愛を込めて(後編)

20歳の誕生日からスタートし、「変身ヒロイン」をテーマにお届けしてきたペイトン尚未のフォト&インタビュー連載の第1回。締めくくりとなる後編では「変身ヒロイン」に魅せられた頃の自分を振り返りながら、未来の自分に思いをめぐらせてもらった。

取材・文/大久保和則 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水 衣装協力/HoshibakoWorks、QOOZA

「好きなもの好きでい続けてくれてありがとう」と伝えたい

――「虹色の10代」を過ごすとはまだ知る由もない、10歳の頃の自分に声をかけるとしたら?
ペイトン 「アニメを好きでい続けてくれてありがとう」と、まずは伝えたいですね。『プリキュア』をはじめとするアニメが大好きで、自由帳に絵を描き続けていて、クラスの子に絵をのぞかれても、隠しながらも描いていました。「何、その絵!?」とからかわれたりもしたけど、それでもアニメを嫌いにならないでくれた。だから、「ありがとう」と伝えたいんです。

――子供の頃にからかわれたりすると、気持ちが離れることもありますよね。
ペイトン 自分の「好き」をあきらめたくないという反骨精神を、あの頃の自分が持っていてよかったなと思います。10歳になると、そろそろ卒業しないといけないような空気もありましたから、「まだ『プリキュア』好きなの?」と言われたりもしました。私は、まったくそんなことは思わなかったんですけど。何歳でも、好きなものは好きでいていいんだって。今、こうして声優のお仕事をさせていただいていて、それが間違いじゃなかったと思います。

20歳、目指す「大人」の姿は……?

――ペイトンさんにとって「大人」とはどんなものでしょうか?
ペイトン 私にとっての「大人」は「責任が持てる人」かなと思います。10代は責任を持たなくていいという話ではもちろんないのですが、いろいろとできることが増える年齢なので、自分のやることにはもちろん、自分の行動の結果、起きることにも責任を持たなければいけないですし。

――責任という部分で、20歳からは変わるかもしれない。
ペイトン もちろん、今までも責任感なくやっていたわけではないのですが、できることが増えるからこそ、これから活動していくにあたり、守られるだけの存在じゃなくなるんだと心に留めておきたいなと思います。

――ペイトンさんのまわりで「この人は大人だな」と感じる人はいますか?
ペイトン ちゃんと叱れる人って、大人だなと思います。具体的に誰というわけではないのですが。学校の先生とかはそうですよね。生徒の将来を考えて、生徒から嫌われる覚悟で叱れる先生の姿を、私は中学や高校で見てきました。実際に自分が怒られた経験はないのですが、そういう先生の背中を見て「カッコいい」と思った記憶があります。私は、人に対して怒ったり、叱ろうとすると涙が出てきちゃうんですよ。相手を傷つけちゃう、申し訳ないという気持ちになっちゃって。だから、ちゃんと誰かを叱れる人って本当にすごいと思うので、そんな大人を目指して頑張ります!

――ここからの10年をどんな風に送りたいですか?
ペイトン だんだん人生にも慣れてくるのが20代だと思うんです。体験したことや見てきたものが増えてきて、ようやく地に足をつけて歩けるようになってくるんじゃないかなって。調子に乗らないとか、言い訳をしないとか、人間性の根っこの部分が乱れそうになったときに、ちゃんと自分で修正できる能力を20代で持てるようにしたいです。

お酒以外の目的で居酒屋めぐりをしてみたい

――20歳になって、やってみたいことはありますか?
ペイトン お酒にはまだあまり興味がないんですけど、居酒屋には行ってみたいんです。家族に連れて行ってもらったことがあるのですが、そのときに食べたおつまみや焼きおにぎりが本当においしかった記憶があって。だから、お酒よりもおつまみを食べに行きたい(笑)。10年くらい前、両親と食べに行ったお店に納豆の天ぷらというメニューがあって、それがすごくおいしかったんです! なので、お母さんにそのお店の場所を聞いて、10年ぶりに行きたいなと思っています。

――10歳の女の子が、納豆の天ぷらを食べておいしいと思えるのは渋いですよね。
ペイトン 私、食の趣味が渋くて、おじいちゃんやおばあちゃんが好きそうなものばかり好きなんです(笑)。いろいろな居酒屋めぐりをして、ひとりでお店に入れるようになりたいですね。

――今から10年後、30歳を迎えている頃の自分はどうなっていると思いますか?
ペイトン まだ全然想像がつかないです。でも、30歳になっても声優は続けていてほしいなと思っています。体調に気をつけて、健康な30歳でいてほしいですね。

――日々、いろいろな技術が進化し続けていますが、2033年はどんな未来になっていると思いますか?
ペイトン あんまり変わっていてほしくないな、とも思うんですよね。リニアモーターカーが走ったりするんですかね? 小さい頃のトラウマなのですが、新幹線に乗るたびに酔ってしまっていて、今でも新幹線に乗るのがちょっと怖いんです。でも、リニアモーターカーだと東京から大阪まで1時間くらいで行けるようになるかもしれないんですよね。母方の実家が京都なので、その頃にはリニアモーターカーが走っていてくれたらいいなと思います。あと、教科書はタブレットが主流になって、そうなるとランドセルがいらなくなるという話を聞いたことがあって。その話題で高校の頃、先生と熱く話し合ったことがあるのですが、ランドセルがなくなったら、おじいちゃんおばあちゃんが悲しんじゃうんじゃないかなって。孫のために「ピンクがかわいいかな」「でも、黒もいいね」と考える楽しみを奪っちゃうんじゃないかという話をしていました。先生と何の会話をしているんだって感じですけど(笑)。

――でも、変わらない部分もちゃんとあってほしいですね。
ペイトン そうですね。私は機械オンチなので、なんでもかんでも機械でやらなきゃいけなくなると困っちゃいます(笑)。endmark

開催情報

『Naomi Payton 20th Anniversary Princess』

<開催日時>
2023年7月26日(水) 開場18:00/開演時間19:00

<会場>
豊洲PIT

<受付URL>
SMAチケット
https://www.sma-ticket.jp/artist/paytonnaomi

イープラス
https://eplus.jp/naomi_payton/