TOPICS 2022.06.09 │ 12:00

ホロライブEnglish 小鳥遊キアラ(Takanashi Kiara)INTERVIEW

「ホロライブEnglish」メンバーインタビュー企画の第4弾は、ドイツ語、英語、日本語と3つの言語を流暢に操り、ホロライブメンバーの国際的交流の架け橋としても存在感を発揮している小鳥遊キアラ。日本の文化やホロライブに興味を持ったきっかけから、デビュー当時の思い、日本のファンにも大人気の企画「HOLOTALK」の裏側など、じっくりと語ってもらった。

取材・文/丸本大輔 監修/カバー株式会社 翻訳協力/Matthias Hirsh

暗い時間の中、ぺこら先輩の配信は私を元気づけてくれた

――小鳥遊(たかなし)さんは、日本に長期滞在していたときにホロライブEnglishのオーディションを受けたそうですが、日本に興味を持ったきっかけや、日本に来てみたいと思った理由を教えてください。
小鳥遊 ひとつめは、小さい頃に姉妹がドイツ語に翻訳された日本のマンガ『シュガシュガルーン』(作 安野モヨコ)をくれたり、よく通っていた町の図書館にあった小さいマンガコーナーで見つけた『ああっ女神さまっ』に恋に落ちたことがきかっけで、日本のマンガを読むようになりました。もうひとつの理由は、母親が私と兄弟にゲームキューブのソフト『テイルズ オブ シンフォニア(以下、シンフォニア)』を買ってくれたことです。それまでは日本のRPGについてはよく知りませんでしたし、アニメも見ていませんでした。だから、『シンフォニア』の絵の雰囲気は私にとってとても新鮮でしたし、ゲームシステムやストーリーも大好きになりました。『シンフォニア』のプレイ中、迷うことがあるたびにインターネットで攻略法を調べていたのですが、そのときに「テイルズ オブ」シリーズの大きなオンラインファンコミュニティに出会ったんです。『シンフォニア』のような面白いゲームが他にもいっぱいあると知り、夢中になって全部のゲームをプレイしたくなりました! 「テイルズ オブ」シリーズを好きになったことで『シンフォニア』のようなキャラクターを描きたいと思い、アニメやマンガ風の絵を描くようになりました。これらの作品と同時期に出会ったことがきっかけで、私は日本のポップカルチャーという沼に深く入り込んで、日本のいろいろな面に深く興味を持つようになったんです。

――日本滞在中は、コロナ禍で行動が制限されて辛い日々も多かったそうですが、そんな中でも日本で実現できたことや、楽しかった思い出があれば教えてください。
小鳥遊 コロナ禍に1年間ほど日本に滞在していたのですが、(日本に住むのは)初めてではなかったんです。以前にも日本に住んでいたことがあったので、東京は私にとって居心地がよく、アットホームな場所でした。最初の来日では、関東と関西にしか行く機会がなかったので、もっと日本全国を旅行したいと思ったんです。ただ、二度目の来日直後にパンデミックが始まってしまったので、旅行はほとんどできませんでした。それでも福岡と北海道に行くことができたのですが、どちらも素晴らしいところでした!

――日本滞在中、ホロライブ3期生の兎田ぺこらさんの大ファンになったそうですが、ぺこらさんのどんなところに魅力を感じたのでしょうか?
小鳥遊 日本に1年間滞在することになって、私はいろいろな計画を立てていました(「ホロライブEnglish」のオーディションはまだ発表されていなかったので、それは計画外だったんです)。でも、パンデミックの影響で、ほとんど何も実現できなくなってしまって。一生に一度しか使えない、しかも延長や一時停止もできない「ワーキングホリデービザ」の利用による滞在だったので、貴重な時間を無駄にしているような気持ちになりました。とても悲しくなってしまって、悔しくていっぱい泣きました。時間がいっぱいあるのに何もできない状態の中、私は毎日(兎田)ぺこら先輩の配信を見るようになったんです。ぺこら先輩のもっとも古い動画までスクロールして、そこから最新の動画に追いつくまで彼女のアーカイブを見続けました。ぺこら先輩の動画を全部視聴するまでに何週間もかかったけれど、私はぺこら先輩に対して大好きと尊敬の気持ちでいっぱいになりました。他に何もない暗い時間の中、ぺこら先輩は私を元気づけてくれたんです。

「受けるしかない!」と思った「ホロライブ」のオーディション

――「ホロライブEnglish」のオーディションの開催を知ったとき、応募しようと思った理由を教えてください。
小鳥遊 ぺこら先輩にハマってしばらくしてから、「ホロライブ」の今までのオーディションや他のメンバーの配信も見ていたので、「ホロライブEnglish」のオーディションの開催を知ったときには、すっかり「ホロライブ」のファンになっていました。自分が持っているスキルや興味を考えても、これは私にぴったりな機会だと思ったんです。とてもやる気が出たし、「受けるしかない!」という気持ちでした。タイミングがいいことに、当時はちゃんとした仕事をしていなかったので、何も妨げるものはありませんでしたし、私の才能を発揮できるチャンスはこれが最後かもしれないとも思いました。

――「ホロライブのオーディションに合格しました」という連絡をもらったときの心境を教えてください。オーディションに合格したことで、何か変化はあったのでしょうか?
小鳥遊 もちろん、とても興奮したし、うれしかったです。兎田ぺこらさんや白上フブキさんなど、素晴らしい才能を持った方々と同じ事務所に所属できることはとても光栄でした。全然実感が湧きませんでしたが、このときから私の人生は大きく変わりました。とても自由な気持ちになって、やる気に満ちあふれました。自分の努力を大勢の人たちが評価してくれる環境にいると、もっと頑張ろうという気持ちになりますよね? ホロライブタレントになる前の私はとても怠け者でした。でも、今はホロライブに関することだけはいわゆる「ワーカホリック」になっています。じつは、「ホロライブEnglish」のメンバーの中でいちばん長い時間配信をしているんです。こんな風に頑張れるのは、それだけの価値があると感じているから。このような機会を与えてもらって、本当にしあわせだと思っています。

――デビュー配信では、ご自身のどのような特技、魅力を伝えたいと思いましたか? また、振り返ると、それはどのくらい成功したと思いますか?
小鳥遊 デビュー当時とそのあとのことを振り返るのはちょっと憂鬱です、あはは。自分のデビュー配信については、そんなによかったとは思っていません。だって、同期のメンバーたちがデビュー配信でそれぞれのスキルを披露している姿があまりにも印象的だったから。私も自分が持つスキルには自信があるのですが、1時間のデビュー配信内で披露するには難しい部分もありました。でも、今は「ホロライブ」の視聴者の方から「キアラがホロライブEnglishの中でいちばん社交的」とか「他のメンバーのよさをキアラがいちばん引き出してくれる」と言ってもらえることもあります。「まとめ役」が得意だったり、「ムードメーカー」だったりすること――こういったスキルは、ある程度長い時間をかけることで輝いてくるスキルかもしれないですよね。(デビュー配信のあと)自分の価値を証明しなくてはいけないと思ったし、そのために頑張ってきた感じです。

――デビュー直後の時期、ご自身で「ここが課題だ」と思って意識的に頑張ったことなどがあれば教えてください。
小鳥遊 最初の数カ月はストレスが多くて、技術的なトラブルも多かったです。また、突然たくさんの人の視線にさらされる環境で活動することも大変でした。でも、まずは配信環境や機材を充実させることが、第一だと考えていました。ほぼ毎日配信をする人にとって、これはとても重要なことなんです。とくに良いマイクと防音室は大事なのですが、後者は日本だと難しいですね。私が小声で話しているだけでも、隣の人に壁を叩かれることがありました。なので、できるだけ早く、古くて小さなワンルームのアパートから引っ越せるように頑張りました。技術的なこと以外では、他のメンバーとの交流や、配信中に話す日本語の量についても改善しようとしました。私の主な視聴者は英語圏の方々ですが、(当時は)いろいろな方に見てもらえるように日本語もたくさん話していました。一般的には良いアイデアだと思うのですが、「英語を話す配信者」にとってはそれが良いことばかりだとは限りません。なので、最近もまだ少し日本語を話していますが、以前よりは減らしています。

「HOLOTALK」は私の子供のような存在

――日本のホロライブメンバーを紹介する「HOLOTALK」の第1回は、デビュー2カ月後の2020年11月に配信されています。この企画は、デビュー配信よりも前からやってみたいと考えていた企画なのでしょうか? 企画を発案した経緯とともに教えてください。
小鳥遊 (「HOLOTALK」の企画は)デビュー後、同期の中でいちばん得意なことや目立てること、自分にしかできないことを探して苦労しているときに思いつきました。「holoMyth」(同期)の中で、私は日本語がいちばん得意で社交性もあったので、それを活かせないかなと思いついたのがこの企画でした。

――「HOLOTALK」では、日本のホロライブファンも知らないエピソードが語られて驚くことが多いのですが、インタビューをする際、意識していることがあれば教えてください。
小鳥遊 私は「ホロライブ」のファンです。でも、日本のホロライブタレントのことをすべて知っているわけではないので、視聴者の皆様の力を借りることもあります。できるだけ「不特定多数の人たち」じゃなくて「ゲストとして来てくれるタレントのファンの方々」からの質問を集められるように、いつもがんばっています。理由は「ゲストのタレント」のことをよく知っている人なら、どんな質問をすることが自分の推しの魅力をアピールすることにつながるかがわかっていると思うからです。質問が集まったあとは、質問を見て選別し(集まった何百もの質問にはすべて目を通しています)、良い質問を見つけて分類して、翻訳して、配信用に画像へ入れ込みます。同時に、番組の全体像と必要事項をゲストとして来てくださるタレントの方に説明し、オープニング、サムネイル、歌のパフォーマンスのための資料を集めます。オープニングのシーンはいつもワトソン・アメリアがまとめてくれていますが、歌のパフォーマンスについては自分で編集作業をしています。準備作業には1週間ほどかかりますが、やっぱり配信の本番がいちばん緊張します。場面転換をしたり、ゲストの話をすべてメモしたり、それを翻訳しながら会話を続けたり……かなり集中しないといけません。私はプロの翻訳者(通訳者)ではないので、生放送での通訳作業はとてもとても大変です。「ホロライブ」の先輩たちを尊敬する気持ちも込めて、ゲストの皆様の発言を正確に翻訳したいので、とてもプレッシャーを感じています。

――「HOLOTALK」も20回を超えて、多くのゲストが出演してきましたが、まだ出演が実現していない日本のホロライブメンバーの方もいます。やはり、最終目標は日本のホロライブメンバー全員に出演してもらうことなのでしょうか?
小鳥遊 「はい」……と答えたいところですが、たとえば、(ホロライブ6期生の)【秘密結社holoX】のような新しいメンバーに対しては「語るべき物語」ができるまで待ちたいと思っています。最低でも1年、いやそれ以上かな。「HOLOTALK」はずっとやっているので、新しい別のプロジェクトに移ろうかと思うときもあるのですが、今は続けています! だって「HOLOTALK」は私の子供のような存在ですから。

新しいことをやらなければ目立てない

――小鳥遊さんのコミュニケーション能力や行動力を「すごい!」と思っているファンは多いと思います。ホロライブでの活動を始める以前から、積極的に周りとのコミュニケーションを取ったり、新しいことにチャレンジしていくタイプだったのでしょうか?
小鳥遊 はい、おそらく。でも、コミュニケーションが得意だといっても、自信があるわけではないですし、パーティーとか、知らない人と積極的に人づき合いをしなければならない場面も好きなわけではないんです。社交性はあると思いますが、それは気まずい思いをするのが嫌だから。親友であっても、あまり会うことはないかもしれません。家でひとりでいるのが好きだからです。でも、私はオープンな性格ですし、その気になれば簡単に友達を作ることができると思っています。

――小鳥遊さんも、新しいことに挑戦する際には緊張したり、怖いと思ったりすることはあるのでしょうか? もしあれば、その気持ちを乗り越えられている理由を教えてください。
小鳥遊 現在はたくさんのVTuberがいるため、新しいことをやらなければ目立てません。たとえば、以前、VRチャットで同期にダンスを教えるというコラボをしました。教えるのはうまくないですが、ダンスは私の趣味ですし、斬新な企画でした! 踊ったり、教えながら配信を上手に盛り上げられるかは不安でしたが、手こずっている様子も含めて楽しんでもらえたと思います。

――小鳥遊さんはドイツ語、英語、日本語がお上手なトリリンガルですが、外国語で会話できるようになりたい人へ、アドバイスや、おすすめの練習法などがあれば教えてください。
小鳥遊 ドイツ語は母国語ですし、英語は学校で学んだため、カウントされないかもしれません。日本語の学習中は先生もいなかったですし、教材もまったく使用しませんでした。ただ、言語を学ぶことに対して、やる気とモチベーションが高かったため、毎日日本人の子と話していました。私は、そうやって純粋なコミュニケーションを通して日本語の読み方や話し方を学びましたが、かなりオススメな方法です! 正直なところ、年齢が若かったから簡単に習得できたんだと思います。年齢を重ねれば重ねるほど、新しい言語を学ぶことは難しくなるので、自分を責めないでください。可能であれば、たくさんコミュニケーションをとって、勉強したい言語の国へ旅行したり引っ越したりするのも良いと思います。その国に1年間滞在したら流暢になれると、私が保証します!

――小鳥遊さんのYouTubeチャンネルで見られるアーカイブの中で「HOLOTALK」以外のとくに印象深い配信や、小鳥遊さんのファンになったばかりのリスナーにおすすめの配信があれば、理由と一緒に教えてください。
小鳥遊 配信で長時間RPGをプレイするのが好きなので、YouTubeチャンネルを見ていただくと『テイルズ オブ アライズ』や『龍が如く0』のアーカイブがあると思います。RPG以外であれば、『ザ・シムズ4』の配信がカオスで面白いと思います! もちろん、『マインクラフト』も! 私は建築するよりは探検するほうが好きなんです。あとは、料理配信をはじめとしたWebカメラで手を映している配信もあります。たとえば、最近はさまざまな国からスナックボックスを取り寄せて試食する「世界のお菓子」というシリーズを配信しています。これまでにグアテマラや韓国、スウェーデンやスペインのお菓子を試しました。お菓子を紹介して、採点しています!

私を応援していてよかったと思ってもらいたい

――小鳥遊さんがホロライブのメンバーとして活動していて、とくにうれしかったり、幸せだったりする瞬間は、どのようなときでしょうか?
小鳥遊 配信ではファンの皆さんが優しくしてくださるので、毎回とても幸せな気持ちになります。とても温かく、愛されているなと。他にあえて挙げるとしたら、音楽を作って、それが評価されることでしょうか。そしてもちろん、ホロライブメンバーとのコラボでの交流も大好きです。素敵な彼女たちに出会えて本当によかったですし、これからもずっと一緒に仕事ができたらいいなと思っています。

――小鳥遊さんの配信が、リスナーにとってどのような存在になっていたらうれしいですか?
小鳥遊 エネルギッシュな印象を与えたり、人を楽しませたいですし、笑ったり、話題となるものを提供したいです! 私は配信中の気まずい沈黙が本当に怖いので、たくさん話します。すべての瞬間を特別なものにしたいし、すべての配信を見る価値のあるものにしたい。そして、ファンの皆さんには、私を応援していてよかったと思ってもらいたいです!

――一緒にデビューした「holoMyth」の仲間は、小鳥遊さんにとってどのような存在ですか?
小鳥遊 みんなとはそれぞれ時差があるので、たとえば、(がうる・)ぐらや(ワトソン・)アメリアとは話したりコラボする機会がほとんどありませんでした。なので、みんなと仲良くなるのに時間がかかったんだと思います。でも、今はみんなと仲良くなって、とても居心地がいいんです。大きな箱(グループ)の第一世代であるということは、自分たちでいろいろと試したり、やらなければならないことが多いわけです。その過程で試行錯誤や問題がたくさんあったとしても、素晴らしいコンテンツを作り、完璧なバランスを持った本当に強い世代になったと思っています。何かを提供し合うことで、お互いに補完し合っているんです。このメンバーでなければできなかったことがたくさんあります。一緒に成長してこられたこと、そしてこの運命的な出会いを、本当にうれしく思っています。

――小鳥遊さんがデビューしたあとも、新たなホロライブEnglishのメンバーがたくさんデビューしています。新しいメンバーが加わったとき、先輩として心がけていることはありますか?
小鳥遊 私の出身地では「先輩後輩」の考え方があまりないんです。でも、ホロライブに入る前に働いていた日本企業で、「先輩後輩」という考え方について理解することができたので、感謝しています。少なくともホロライブでは、この考え方はとても素敵なものになっています。たとえば、私は(宝鐘)マリン先輩に相談に乗ってもらいました。食べ放題のケーキビュッフェで、何時間も。悩んだり、困ったりしたことを相談できる人がいるのは素晴らしいことなので、私も同じように後輩の力になりたいと思っています。ホロライブEnglishの運営は「〇期生」ではなく「Myth」「Project:HOPE」「Council」と呼んでいますが、「Project:HOPE」と「Council」は何か困ったことがあれば「Myth」に相談できるので、年功序列があることは悪いことではないと思います。とはいえ、私たちは「ホロライブ(JP)」とは異なるアプローチで、少し違った関わり方をしていると思います。これは文化の違いであり、西洋と日本の考え方がどのように混ざり合っているかを知ることができて面白いです。

可能性があるなら、それを実現すればいいだけ

――3月19日、20日に開催された「hololive SUPER EXPO 2022」「hololive 3rd fes. Link Your Wish」に出演した感想を教えてください。
小鳥遊 「holoMyth」と「ホロライブインドネシア」の1期生が、初めて3Dモデルをお披露目しました。とても長い間待っていたので、みんな本当にワクワク、ドキドキしていました。全員が素晴らしいパフォーマンスをしたと思います。幕張メッセのような大きな会場でのパフォーマンスは、間違いなく私の誇りであり、友人や家族に自慢したいです!! それまで「ホロライブ」のライブは視聴者の皆さんと一緒に配信で見ていたので、一緒に見ていた子がついにひとりでステージに立ったと、ファンの皆さんも感慨深いものがあったのではないでしょうか。今は、新しい目標がたくさんできました。いつか「ホロライブEnglish」全員でのコンサートや「holoMyth」のソロコンサート、キアラのソロコンサート……などなど、もっともっと企画を練っていきたいという意欲にあふれています。可能性があるなら、それを実現すればいいだけです。

――2020年の9月にデビューしてからの日々は、小鳥遊さんにとってどのような日々でしたか? デビュー後、とくに大きな変化を感じていることがあれば、教えてください。
小鳥遊 最初の数カ月はかなり不安定でした。昔のアーカイブを見ると、恥ずかしくなります。でも、毎日、毎月の配信を一生懸命やっていました。自分自身については、自分を高めつつも、ほとんど変わらずにいられたと思います。いちばん変わったのは、環境です。2021年に日本を離れて、故郷に帰りました。他のメンバーになかなか会えなくて、少し寂しい思いをすることもありました。でも、ここには友達や家族、猫たちもいますので、気持ちが落ち着くようになりました。もうひとつは、最初の頃に強かった「自意識」の変化です。常に同期の仲間たちと自分を比較し、自分の成長や成功を意識しすぎていました。今は、もっとリラックスして物事を見られるようになったと思います。たしかにこういったグループに入ると、自分を他と比較することは避けられないですし、みんなもそうだと思います。少なくとも、そういった競争があると、自分をもっと高めたいという気持ちになるんじゃないでしょうか。

――ホロライブのメンバーになってから叶った夢と、これから叶えたい夢を教えてください。
小鳥遊 個人的にもっとも大きなことは、大好きなゲーム「テイルズ オブ」シリーズの最新作『テイルズ オブ アライズ』のアンバサダーになったことです。私は英語圏のアンバサダーとして数カ月間、活動しましたが、とてもうれしく、光栄に思っています。彼ら(「テイルズ オブ」シリーズのスタッフ)と一緒に仕事ができたことは素晴らしいことで、また一緒に仕事ができればいいなと思います。じつは、デビュー当時を振り返ってみると、あのとき挙げた目標のほとんどをすでに達成しているんです。でも、もっと音楽を作り続けたいですし、ゲームやアニメの声優になりたいとも思っています。それに3Dをお披露目したことで、3Dのミュージックビデオを作ったり、3Dの誕生日配信をしたり、現地で自分のソロライブを企画したりと、いろいろなことに挑戦してみたいです。これから全身で表現する方法が格段に増えますので、他のメンバーとも3Dでたくさんコラボをしたい! そして、今年中に登録者数200万人を達成したいです!

――日本にも、たくさんの小鳥遊さんのファンがいます。日本から応援しているリスナーに向けて、メッセージをお願いします。
小鳥遊 日本のファンの方々はユーモアや優しさがあり、本当に愛しています。私のことを忘れないでほしいですし、もっと多くのファンの方々に配信に来てほしいと思っています。今でもときどき日本語を混ぜて、英語が苦手な方にもわかるように工夫しながら配信しているので。また、近いうちに日本に戻って「ホロライブ(JP)」のメンバーと交流したり、食べ物や文化、風景を楽しみたいと思っています。日本での生活が本当に恋しいです。これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします。私の配信を見てくれて、ありがとうございます!endmark