TOPICS 2024.09.22 │ 12:00

伊達さゆりの「手さぐりの旅」 第20回 アイドルの葛藤と輝きに魅せられる
僕が見たかった青空さんの「飛ばなかった紙飛行機」(前編)

声優・伊達さゆりのお気に入りや、心に残っているものを取り上げながら自らを語るフォト&インタビュー連載。第20回のテーマは、僕が見たかった青空の「飛ばなかった紙飛行機」。先日、念願のライブに足を運んだことを明かしたばかりのタイミングで、彼女たちに心うばわれた理由をアツく語ってもらった。

取材・文/編集部 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水 衣装協力/ems excite、RETRO GIRL

私服に近い衣装はテンションが上がる

――まず、今回の撮影で印象に残ったことから教えてください。
伊達 テーマが「紙飛行機」に関連しているからだと思うんですけど、たくさんの青い紙飛行機がまず目に入って。よく見るとひとつひとつ、サイズや折り方が微妙に違っていたので、おひとりで折られたわけじゃないんだろうな、ということがわかって。その手作り感を確認するのが楽しかったです。

――ヘアメイクの最中、スタッフのおじさんふたりでせっせと折っていました(笑)。
伊達 その様子を見たかったです(笑)。

――今回はテーマ楽曲のイメージもあって「ちょっとボーイッシュな衣装で」とオーダーしたのですが、伊達さん自身、普段はボーイッシュな服を好んで着ている、と何度か話してもらっていますよね。
伊達 そうですね。私服はほとんどそんな感じです。逆にこういった撮影のお仕事では、どちらかというとフリルやリボンが多い、いわゆるガーリーなお衣装を着せていただくことが多くて、いつも新鮮な気持ちになるのですが、そんな中で着慣れた雰囲気に近い衣装が来ると「おっ、来た!」とテンションが上がります。キャップも大好きなのでうれしかったです。

――ちなみに、飛行機に乗るのは好きですか?
伊達 好きですね。高いところが得意なわけではないし、もし落ちたら怖い、という気持ちもわからなくはないんですけど、雲の上まで行ったら「落ちたらどうしよう……」とか考えても、もうどうしようもないなと思ってしまいます。いい意味で現実感がなくなる気がしますね。窓から見える景色も綺麗すぎて上空にいる感覚もあまりないので。

――「飛行機に乗るときにこれは持っていく」といった必需品はありますか?
伊達 以前、飛行機用のフットレストを買って持っていったんですけど、そのときは一度も使わずに終わってしまったので、次は持って行って使おうと思っています。あとは毛布ですね。機内は冷えるので。飛行機も新幹線も、長い時間乗っているのはあまり苦ではないので持ち込むものはそんなに多くないのですが、音楽を聞くためのものは絶対に持っていきますね。あとはホットアイマスクを、目元じゃなくて首に巻きます。首元が温かくないと嫌なので、これは多めに持っていきます。

ライブや握手会に行こうとスケジュールとにらめっこしていた

――第20回は僕が見たかった青空の「飛ばなかった紙飛行機」をテーマに挙げてもらいました。1年ほど前のリリースなので、これまで連載に登場した中でもダントツで新しい楽曲ですね。
伊達 そうですね。最初、僕が見たかった青空さんのメンバー募集オーディションが発表されたときの「乃木坂46公式ライバル」というキャッチフレーズを見て「なんだこれは!?」と思いつつ「どんな女の子たちが出てくるんだろう?」とすごくワクワクしていました。実際に選ばれた子たちを見ると、私よりも年下の中学生・高校生です、みたいな子たちばかりだったんですよね。今まで好きになったアイドルさんはみんな自分よりちょっと年上か、同い年くらいの方がほとんどだったので、まずそれが驚きでした。公開されている舞台裏やMVのメイキング動画などを見ていると、自分より若い皆さんが頑張っている姿が心に刺さってしまって。全然知らない世界に突然飛び込んで、右も左もわからない状態で一生懸命もがきながら頑張っている様子を見ていて、めちゃくちゃ応援したくなったんです。

――なるほど。初めて年下のアーティストに心動かされたわけですね。
伊達 そうなんです。自分よりも若いアーティストさんやアイドルさんを見てそんな気持ちになったのは、僕が見たかった青空さんが初めてだったんです。もう、そのうち握手会にも絶対に行こうと考えているくらいで(笑)。ライブも自分でチケットを当てて行こうと思って、スケジュールとにらめっこしながら「なかなか合わないなぁ……」なんて思い続けていました(笑)。

「あなたが行動を起こしたことがまず素晴らしいんだよ」

――この楽曲はデビューシングルのc/w曲なんですね。
伊達 デビューシングルの表題曲は「青空について考える」という楽曲で、こちらはけっこう明るい曲調なのですが、どちらを挙げるか迷いました。決め手になったのはドキュメンタリー映像で、メンバーの皆さんが葛藤している様子が印象的だったんです。「やっぱりアイドルさんって笑顔だけじゃないんだよね」とあらためて思わされつつ、その姿が美しいなと思って「飛ばなかった紙飛行機」を挙げました。

――「大事なのは/飛ぼうとしたこと」というフレーズがお気に入りだそうですが、具体的にどんなところが心に響いたのでしょうか?
伊達 そこまで「どうして紙飛行機が飛ばなかったんだろう? 何がいけなかったんだろう?」と悩んだり落ち込んだりする様子が描かれていて、サビの終わりでこのフレーズが出てくるんですけど、飛ばなかったことを後悔したり、次は飛ばせるように頑張ろうというだけじゃなくて「あなたが行動を起こしたことがまず素晴らしいんだよ」という、メンバーの皆さんへのメッセージなのかなと思ったんです。それがサビの最後に出てくるのも素敵だな、と。結果よりも、一歩踏み出そうとしたことがこれからの自分の糧になるはずだから、それをまず褒めてあげよう……そんな意味に感じられて、このフレーズを胸にしまっておくことで、失敗を恐れずに何でも挑戦できそうだなと思えたんです。

――伊達さん自身も「飛ぼうとした」結果、今の場所にたどり着いたわけですよね。そこに重なる部分もあるのでしょうか?
伊達 私自身は飛び立ったというか、今でも毎日いろいろな失敗を重ねているので(笑)、自分に重ねるというよりは、いろいろな人の人生に重なるフレーズなんじゃないかなと思います。endmark

関連情報


【開催情報】
『伊達さゆり Birthday Party 22nd 〜ぼくに僕からのプレゼント~』
開催日時:2024年9月30日(月) 開場18:00/開演19:00
会場:大宮ソニックシティ 大ホール
チケット情報:https://apollobay.jp/
 
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配信URL:https://lnk.to/SayuriDate_BirthdayParty_22ndWE