TOPICS 2024.06.28 │ 12:00

伊達さゆりの「手さぐりの旅」 第18回 生まれる前の時代の空気が詰まった
JUDY AND MARYさんの「クラシック」(前編)

声優・伊達さゆりのお気に入りや、心に残っているものを取り上げながら自らを語るフォト&インタビュー連載。第18回のテーマとなったのはJUDY AND MARY「クラシック」。連載で登場した中でも、もっとも古い楽曲のどこに心を惹かれたのか。幼い頃の思い出とともに語ってもらった。

取材・文/編集部 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水 衣装協力/RoseMarie seoir

「縁」があるけどつけるのは初めてだった眼帯

――今回はポップなハウススタジオ風……というか、普段は本当にオーナーが家族と住んでいるという住居を撮影場所にお借りしました。
伊達 おしゃれすぎて、ここがお家だということが信じられなかったです。いい意味で生活感がなくて、なんでこんなアート的にできるんだろうと思ってしまいました。猫もいるのに。

――猫2匹の他に、犬も2匹いるんです。撮影で貸し出すときは、吠えてしまうので別の場所にいるそうですが。撮影では眼帯をつけてもらったのですが、思ったよりも大変そうでしたね。
伊達 初めて眼帯をつけたのですが、意外としんどいなと思いましたね。私、苗字が「伊達」なので、伊達といったら伊達政宗……といえば眼帯、みたいなイメージがあると思うのですが、じつはつけたことがないままここまで育ってきました(笑)。

――ああ、せっかく眼帯を用意していたのに、政宗公との関連は失念していました。失敗した……。
伊達 あはは。だから最初はいろいろな意味でうれしかったんですけど、いざつけてみると、距離感と焦点の合わせ方が一気にわからなくなってしまい、思ったよりも大変でした。ずっとつけていれば慣れるのかもしれないですが、私は撮影の数十分の間つけただけだったので。もし「明日からつけてください」と言われたら、しばらくは困ってしまうかもしれないですね。

――眼帯には「中二病のコスプレアイテム」というイメージもありますが、つけてみたいと思ったことはありましたか?
伊達 「眼帯をつけたいから中二病のコスプレをする」というよりは、衣装もメイクもバッチリ決めたうえで「じゃあ、つけようかな」と、最後に持ってくるアイテムという印象ですね。中二病っぽかったり、「地雷系」といわれるような衣装やメイクはかわいいなと思いますし、興味もあるのですが、眼帯はあってもなくてもいいかなと思っていました。でも、つけてみると、とたんに印象が強くなるので、アイテムとしての強さを感じますね。

――眼帯以外にいつか「装備」してみたい小道具はありますか?
伊達 羽根をつけてみたいですね。子供の頃、ニンテンドーDSの『ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人』をプレイしていて「羽根があるのっていいな」と思っていたんです。自分で段ボールを使って羽根を作ったりもして。すぐにヨレヨレになってしまうんですけど(笑)。小さい頃から羽根にはずっと憧れがあります。

――主人公が天使なんですよね、『ドラクエⅨ』。
伊達 そうです。父とやっていました。父がプレイしているのを私がのぞきこんで見て、私がやっているのを父がのぞきこんで見て。DSが1台しかなかったので、交代で遊んでいました。

耳にも目にも印象に残った、お気に入りのアルバム

――第18回のテーマに挙げてもらったのはJUDY AND MARYの「クラシック』です。1997年発表なので、連載に登場した中でもいちばん古い楽曲ですね。
伊達 私が出会ったのは幼稚園の頃なので、2007年~2008年くらいだったと思います。とにかくYUKIさんの声がめちゃくちゃ印象的で、耳に残りました。ちょっと幼い声なので「何歳の人が歌っているんだろう」と思いましたね。ジュディマリさんの知らない楽曲が流れてきても、YUKIさんの声ですぐに「あの人の曲だ」とわかるんですよ。

――たしかに小さな子供でもすぐに「あの声だ」とわかるボーカルですね。楽曲自体にはどこで出会ったのでしょうか?
伊達 母が洗濯物を干しているときによくCDをかけていたので、そこで流れているのを聞いているうちに「すごくかわいい声だな」と心を惹かれました。そのうち、母のCDが置いてある棚にめちゃくちゃかわいいイラストのジャケットを見つけて「この人の曲を聞きたい」とお願いしたら、「いつも聞いてるよ。お母さんが洗濯をしてるときに流している曲だよ」と言われて。それが母がいつも聞いていたジュディマリさんのベストアルバムだったんです。

――田中秀幸さんがアートワークを手がけた『The Great Escape』ですね。
伊達 それからいろいろなアーティストさんのCDのジャケットやブックレットを見るのが好きになったんですけど、そのアルバムの「ラッキープール」という楽曲の歌詞が載っているページにはジャケットの女の子ふたりが水に濡れた感じになっていたり、「Cheese“PIZZA”」という楽曲のページにはちょっと溶けたチーズだったり、楽曲のタイトルに合うようなイラストがポップでかわいらしく描かれていたんです。ちょうどその頃、お絵描きをするのにハマっていたこともあって「私もこういう絵を描きたい」と思って、ブックレットだけを持ち出して真似た絵を自由帳に描いていました。ジュディマリさんとの出会いは楽曲からでしたが、ジャケットやブックレットのイラストなど、視覚的にもジュディマリさんがいちばんのお気に入りでしたね。

地元を出てからちょっと変わった「母の日」、「父の日」

――先月5月には母の日が、この記事が出るであろう6月には父の日がありましたが、母の日、父の日にいつもやっていることはありますか?
伊達 毎年、母の日にはお化粧品などを送っていました。ただ、今年は母の日に何も渡せていなくて、遅くなるけれど、ドライヤーをあげようかなと思っているところです。父の日は……いつも忘れちゃうんですよね(苦笑)。何年か前にお箸をあげました。でも、父は照れ隠しなのか、お誕生日にプレゼントをあげてもちょっとふざけたリアクションをとるんですよ。

――ツンデレじゃなく素直に受け止めてほしい、ということですね(笑)。ちなみに今年の父の日には何か贈るものを考えていますか?
伊達 とにかく健康になってほしいので、運動するときの服などを考えています。最近、運動をし始めたらしくて「痩せてきた」と喜んでいるので、継続できるよう、それを後押しできるようなものを渡したいです。普段、離れて暮らすようになると、そんなことを考えるようになりますね(笑)。endmark

関連情報

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