SERIES 2021.03.16 │ 12:10

ゆるキャン△
山梨県南巨摩郡身延町

物語の舞台となった街角の風景
それは2次元と3次元の間にある
キャラクターの息吹を伝えてくれる場所
今回は女子高生たちのキャンプライフを描く『ゆるキャン△』の舞台、山梨県の身延町を訪れる――。

文/浅野健司

※雑誌Febri Vol.48(2018年5月発売)に掲載された記事の再掲です。

のんびり楽しみたい山あいの町

リンやなでしこたちの緩やかで微笑ましいキャンプライフや、美しい自然の様子に心癒やされる『ゆるキャン△』。作中では山梨をはじめ静岡や長野といったさまざまな場所が登場しているが、中でも身延町は、彼女たちの通う本栖高校があるホームタウンだ。

県の中心地である甲府市内から南西にある身延町は、東西を山に挟まれ、その間を富士川の清流が走る、山あいらしいのどかな風景が印象的だ。武田信玄の隠し湯として知られる温泉や、鎌倉時代から続く名刹・身延山寺などの史跡も多く、自然と歴史の魅力が詰まっている。都会の喧噪を離れ、この街のゆったりとした時間の中に身を置けば、きっと作中同様に心が癒やされることだろう。

そんな身延町を中心に、今回は背景美術画像も交えながら、なでしこたちが訪れた県内各地の舞台を巡ってみることにしよう。

身延駅前の風景。風情ある街並みが、久遠寺の門前町として栄えた歴史を感じさせる。初詣などの時期には多くの人で賑わいを見せる。

1.本栖湖(もとすこ)

まずは第1話に登場した本栖湖から。中ノ倉トンネル付近で国道300号線から県道709号線に入ると、この絶景スポットがある。千円札の絵はこの付近からの眺めがもとになっていて、湖と富士山を望む雄大な風景には、ただただ感動するばかりだ。

2.本栖湖公衆トイレ

先ほどの地点から歩いてすぐのトイレは、リンとなでしこが出会った場所。冬は冷え込むこの場所で熟睡していたのだから、さすがはなでしこというべきでしょうか……。風邪をひくだけでなく場合によっては命の危険もあるので、くれぐれも真似したりしないように。

3.浩庵(こうあん)キャンプ場

そして第1話でリンがキャンプに訪れたのが、本栖湖でのアクティビティやアウトドアが楽しめる浩庵キャンプ場。穏やかな水面の向こうに富士山を眺められるという、絶好のロケーションでキャンプができる人気スポットだ。

4.甲斐常葉駅(かいときわえき)

本栖みちを下って身延の市街地へ降りていくと、本栖高校の生徒たちが通学に利用する駅がある。付近には下部小中学校(現在は廃校)があり、この場所が本栖高校のモデル。ちなみに、なでしこがWEB地図の3Dビューに映り込んだのもこの駅の前だ。

5.パインウッドキャンプ場

身延から北へ飛んで山梨市へ。野外活動サークル(野クル)の初キャンプの場所となったイーストウッドキャンプ場。そのモデルがパインウッドキャンプ場。眼下に市街地の夜景が広がるロケーションや、場内の雰囲気など、多くのキャンパーを魅了する場所だ。

訪れる際はマナーと配慮を忘れずに!

舞台を巡るなかで気をつけたいのが、訪問時のマナー。本作のようなキャンプ場の場合、利用者以外が敷地内へ入ることは当然NGだ。デイキャンプや1泊するなどして、きちんと訪れよう。また、作中と同じ構図で写真を撮りたい場合は、周辺の人に迷惑をかけたり、不安を与えたりするのもご法度。キャンプ場のルールと舞台訪問のマナーは必ず守ろう。

写真を撮る場合は熱中して他人のテントに近づきすぎたり、人がいるのに無遠慮にレンズを向けないように注意。

6.山梨県笛吹川(ふえふきがわ)フルーツ公園

そして初キャンプの夜に、なでしこが夜景を撮りに来たのがこの公園。甲府盆地を見渡す昼の景色も素晴らしいが、新日本三大夜景に数えられる夜の風景は息を呑むほど。近くには、ほっとけや温泉のモデルになった「ほったらかし温泉」もあるので立ち寄ってみよう。

7.水明荘(すいめいそう)

こちらはリンとなでしこが訪れた四尾連湖のキャンプ場。モデルになったのは水明荘だ。山中ゆえに喧噪とは無縁で、四季折々の風景をゆったりと楽しむことができる。各務原なでしこの姉・桜と同じように、チャイを飲みながらテラスでのんびりするもよし。

8.四尾連湖(しびれこ)

そこから一夜明けて、撤収中のひとコマ。湖に映える紅葉の美しさが印象的なシーンである。同じ湖畔とはいっても本栖湖とはまた雰囲気が違う、作中同様とても素敵なキャンプ場だ。テントや寝袋を持っているなら、ぜひ1泊したい。

9.セルバみのぶ店

再び身延町に戻って、こちらは国道52号沿いにあるスーパーマーケット・セルバ。あおいのバイト先のモデルになったお店だ。千明が働いている酒屋さんは、取材時にはテナント募集中になっていた。周辺でキャンプをするなら食材調達はここで決まり。

10.身延駅前

最後は身延駅へ。アウトドアショップからの帰りに身延まんじゅうを食べていたのは、駅前の通りにあるベンチ。富士川の風景を見ながらの一服は格別であろう。作中に登場した美しい風景は他にもたくさん。ぜひ舞台を訪れて、思う存分堪能してみよう!

名物百景|ほうとう

グルメも盛りだくさんの本作だが、やはり注目したいのは郷土料理であるほうとう。記事中に登場した浩庵は食事利用も可能で、本栖湖と富士山を見ながらいただける。野菜の自然な甘さと、優しいのにしっかりコクがある味噌がマッチして染み渡るような美味しさ。キャンプする時間がない人も、これだけは食べておこう!

浩庵 電話 0556-38-0117 ※2021年3月11日現在、浩庵の食堂は新型コロナウイルス感染拡大防止のため休業中。営業再開の詳細については、電話などで確認をしてから訪問しよう。
都内から甲府へはJR中央本線や中央自動車道が通っている。各舞台間は距離があるので、車があると便利だ。 ※訪問の際には住民の方の迷惑にならないようにマナーある行動をお願いします。
作品情報

最新作『ゆるキャン△ SEASON2』
毎週木曜23:30~ TOKYO MXほかにて好評放送中!

原作/あfろ(COMIC FUZ/芳文社刊)
監督/京極義昭
シリーズ構成/田中 仁
キャラクターデザイン/佐々木睦美
アニメーション制作/C-Station

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