ケットシーの目的が気になってドキドキ
――まずは、台本を読んでみての第一印象を教えてください。
菱川 今回の映画には、舞台となるテーマパーク<ドリーミア>の園長・ケットシーというキャラクターが登場するんです。<ドリーミア>は子どもたちがずっと笑顔でいられる場所なんですけど、私は、どうしてそんな場所を作ろうと思ったんだろう、ということが気になって。コメコメたちがケットシーと一緒にお子さまランチを食べる場面があるんですけど、そこが気になっていたおかげで、台本を読みながらドキドキしていました(笑)。
――あはは、なるほど。
菱川 最後には敵とのバトルシーンもあるんですが、そこは『デリシャスパーティ♥プリキュア(以下、デパプリ)』らしく、ゆいちゃんの「助けたい」という気持ちがいっぱい詰まっていて。すごく素敵な映画だなと思いましたね。
高森 こんなにコメコメにスポットを当てていただけるとは思ってもいなかったので、まずはビックリしました。TVアニメの第1話で、ゆいちゃんと初めて出会う場面でコメコメが抱いていたのが「憧れ」の感情だったのですが、それをこんなにもピックアップしてもらえたんだ、と。コメコメの夢が叶った……とまでは言わないですけど(笑)、ひとつ、自分の中では達成感がありました。
コメコメたちはTVアニメよりももっとコミカルに
――今回の劇場版にあたって、TVアニメから演技に変化はありましたか?
菱川 今回の映画は、ゆいちゃんたちの1日の物語なんですけど、でもその1日の中にいろいろな要素が詰まっていて、これまで彼女が見せなかった表情も見せてくれるんです。ゆいちゃんには、たとえ逆境の中でもひとりで前を向く力があると思うんですが、今回はそれでもどうにもならなくなったとき、ゆいちゃんはどうするのか。そこを演じなければいけなくて。
――これまでにない演技を要求された。
菱川 「ゆいちゃんはこんな寂しそうな声を出さないだろうな」とか、あるいは「もっと声を張るんだろうな」と思っていた場面でも、(座古明史)監督からはそれとはまったく違うものを求められました。監督のディレクションをいただいて、大きく変わったというのはあります。
高森 コメコメたちに関して言えば、TVアニメよりも「もっとコミカルにしてください」と言われたんですよ。なので、TVアニメだったら「怒られちゃうんじゃないかな?」というくらい、大きくリアクションをしたり、アドリブを入れたりしています(笑)。普段はなかなかやらないリアクションがいっぱいできて楽しかったですし、映画ならではのお祭り感、非日常感を楽しんでもらえるかな、と思います。
お互いの「プリキュア以外で好きなキャラクター」は?
――ちなみに、今回の映画は「お子さまランチ」がモチーフのひとつになっていますが、ふたりは食べたことありますか?
菱川 あります! 大好きでした! お子さまランチといえば、チキンライスに旗が立っているじゃないですか。その旗のようじの部分にケチャップの赤色がついていて、洗わずに持って帰ろうとしたら、おばあちゃんに「ダメだよ」って止められて。それで、しゅん……となった思い出があります(笑)。
高森 お子さまランチといえば、やっぱり一緒に付いてくるおもちゃでしたね。「このおもちゃが欲しい!」と、ねだって連れていってもらったことがあります。ただ、子どもの頃はそんなに外食をする機会が多くなかったので……。あまり回数はこなしていないと思うんです。お子さまランチ素人のまま、大人になってしまったかもしれない(笑)。
――大人になった今でも食べてみたいと思いますか?
菱川・高森 食べたいです!
菱川 食べたいですよね。
高森 すごく食べたいです。
――あはは。せっかくの機会なので、お互いに聞いてみたいことはありますか?
高森 なんだろう。ゆいちゃんを演じるとき、何をいちばん大事にしていますか?
菱川 ゆいちゃんが頑張っているのは、大切ものを守りたいからなんだ、ということですね。笑顔だったり、ごはんだったり、レシピッピだったり、大事なものを挙げていくとキリがないんですけど、でもそこは絶対に忘れちゃいけないなって意識しています。
菱川 じゃあ、私からは「デパプリ」に出てくるキャラクターの中で、メインの4人以外では誰がいちばん好きですか? 私はマリちゃん(ローズマリー)なんですよ。みんなをまとめてくれたり、すごくカッコいいなあって。
高森 私は「拓海、頑張れ!」って感じですかね(笑)。あのちょっと間の悪い感じとか、あれだけ思いを寄せているのに、まったく気づいてもらえない感じとか……。小さい頃からずっと一緒にいるのに、ゆいちゃんがちょっとオシャレをしていたりすると、思わず見とれちゃったり(笑)。そういうところを見て「いまだにこんなに新鮮にときめいちゃうんだ! かわいい!」と思います。
――なるほど(笑)。
高森 しかも、ゆいちゃんがまったく気づいていないところもかわいいんですよね。
菱川 そういえば、今回の映画でもマリちゃんとブラックペッパーのふたりと同時に再会して驚く場面があって。緩急をつけてマリちゃんのほうに大きめなリアクションをしたら、監督から「拓海がかわいそう」って言われました(笑)。拓海には報われてほしいですね。
- 菱川花菜
- ひしかわはな 5月19日生まれ。東京都出身。ラクーンドッグ所属。養成所を卒業後、2020年から声優としての活動をスタート。「デリシャスパーティ♡プリキュア」』和実ゆい/キュアプレシャス役が初めてのレギュラー役になる。
- 高森奈津美
- たかもりなつみ 2月14日生まれ。山梨県出身。ラクーンドッグ所属。主な出演作に『ジュエルペット てぃんくる☆』(桜あかり役)、『アイドルマスター シンデレラガールズ』(前川みく役)、『放課後のプレアデス』(すばる役)など。
『映画デリシャスパーティ♥プリキュア 夢みる♥お子さまランチ!』
2022年9月23日(金)より全国ロードショー!
TVアニメ『デリシャスパーティ♥プリキュア』
ABCテレビ・テレビ朝日系列にて毎週日曜08時30分より放送中!
- ©2022 映画デリシャスパーティ プリキュア製作委員会
- ©ABC-A・東映アニメーション