TOPICS 2022.07.20 │ 13:00

Mori Calliope Major Debut Concert 「New Underworld Order」 開催直前インタビュー

ホロライブEnglish所属のVTuberで、バーチャル界を代表するラッパーの森カリオペが、アーティスト「Mori Calliope」としてユニバーサルミュージックEMI Recordsからメジャーデビューする。7月20日にメジャー1st EP『SHINIGAMI NOTE』をリリース。翌日の7月21日には、豊洲PITで自身初となるソロライブを開催する。ついにメジャーシーンでの本格的な活動を始めた死神VTuberに、新たな楽曲やライブへの思いを聞いた。

取材・文/丸本大輔 監修/カバー株式会社

メジャーデビューは新しくてちょっと新鮮な冒険の始まり

――Calliopeさんは、2022年4月にユニバーサルミュージック邦楽レーベル「EMI Records」からメジャーデビューしました。メジャーレーベルからのオファーがあったときの状況や心境を教えてください。
Calliope 最初は自分の目を疑った。会社が私を励ますために冗談を言っているんだと思って。数か月後、実際に話が進み始めたときに「うわ、あれマジだったの!?」ってなったんだ(笑)。

――メジャーレーベルからデビューすることは、Calliopeさんにとって、どのような意味や価値を持つものでしたか?
Calliope 私にとってメジャーデビューは、新しくて、ちょっと新鮮な冒険の始まり。今まではリスナーのために歌(唱力)を磨いてきたけれど、もう十分に磨き上げることができたから、今度はリスナーの層をさらに広げるためにメジャーデビューをしようって。でも、それだけじゃなくて、夢にまで見ていたアーティストやプロデューサーの方々と一緒に楽曲制作ができるんだよ。もちろん、インディーズでも売れる人は売れると思うけど、メジャーでしか成し遂げられないことをやってみたかったから、メジャーデビューすることを決心したんだ。

――2022年7月20日には、メジャー1st EP『SHINIGAMI NOTE』がリリースされます。制作がスタートするとき、このEPをどのようなCDにしたいと考えましたか? また、そのためにCalliopeさんが提案(リクエスト)したことなどがあれば教えてください。
Calliope (自社レーベルでリリースした)1st EP『Dead Beats』のような感じかな。より洗練されたプロの環境で「真の死神」として、あらためて自己紹介しているよ。私が何をしようとしているのかを知ってもらえるような、私の全力が詰まった作品になってる。

私のアルバムではやっぱり私のイメージを貫きたい

――「EMI Records」チームとの楽曲作りの基本的な流れを教えてください。楽曲のコンセプトなどは、Calliopeさんから提案していったのですか? それともスタッフとのやり取りを通じて生まれたのでしょうか?
Calliope 「Team Mori」は、どの曲をプロデュースするかを決めたり、私が描いているイメージにピッタリ合うデモを提供してくれるだけでなく、面白いアイデアも提案してくれるし、私をしっかりサポートしてくれている。でも、曲のテーマや歌詞を決めるのは、結局は私。作詞家としてはそれこそが大事じゃないかな。もちろん、他の人のイメージに合わせて曲を書くこともできるけど、私のアルバムではやっぱり私のイメージを貫きたいから。いろいろな人からディレクションをしてもらった作品もあるけれど、そのテーマやモチーフ、世界観、歌詞、スタイルなどは全部、私自身から生まれたものなんだ。

――1曲目の『CapSule』は、ホロライブに所属している星街すいせいさんとのデュエット曲で、2022年4月の誕生日ライブ配信で初披露し、先日の「V-Carnival VOL.2」でも歌唱していました。今のCalliopeさんにとって、どのような曲になっていますか?
Calliope 『CapSule』は私とすいせい先輩のテーマソングだよ! 「私たちはこれからもそれぞれの目標のために頑張っていくから、みんなもちゃんと見届けてくれよな!」って世界に宣言するような曲だね。

――2曲目の『MERA MERA』は、イントロから非常に特徴的なリズムが印象に残りました。この曲のコンセプトを教えてください。
Calliope 夏に開かれる地獄のパーティーがコンセプト! パーティーで流れそうな格好いい曲を作って、そのうえでデッドビーツ(=森カリオペのファン)たちも共感できる曲であれば最高だなって。歌詞には二重の意味を持つ言葉をたくさん使っていて、デッドビーツたちが聞いたら、ひと味違うような曲にもなってる。個人的には日本語パートが好きだけどね。

あなた以上にあなたのことを知っている人なんていない

――メジャーデビューEPという、とても注目されるであろうCDに『Kamouflage』という タイトルの楽曲が収録されているのはユニークだなと思いました。この曲に関しても、コンセプトを教えてください。
Calliope 世の中の人は、著名人や配信者などがもっともらしく言えば、どんなに些細なことでも信じてしまう。それが彼らにとって「現実」になる。私も、私自身や私の友人に危害を与えようとする人たちから身を守るために、リスナーの前では偽りの情報を流したりもした。そうやって、私の表と裏の間にいくつのも壁を築いてきたんだよね。そのせいで「実際には違うんでしょ」と思われて、反感を買うこともあったり。でも、時には傷つかないために、周りに合わせたり、自分を偽ったり、やさしく誤魔化したりしないといけないこともある。そういうことが、この曲のテーマかな。みんな「(自分が)見たい」森カリオペを見ていると思う。でも、それは偽りの私だよ。本当の私をよくわかっているのは他の誰でもない私。あなたもそう! あなた以上にあなたのことを知っている人なんていないよ。

――4曲目の『Make ’Em Afraid』は、ほぼすべての歌詞が英語になっています。Calliopeさんは作詞をする際、最初から日本語と英語のバランスをイメージして詞を考え始めるのでしょうか? それとも作詞をするなかで、自然にバランスが決まっていくのでしょうか?
Calliope 歌詞に無理やり日本語を入れるのはあまり好きじゃない。曲に日本語の歌詞が合うなら使うけれど。『Make ’Em Afraid』は、すごく思い入れのあるコンセプトで、自然に歌詞が湧いてきたから、そのまま英語にしておきたかったんだ。適当に日本語を入れるのは違和感があるなって。

――『Make ’Em Afraid』に関しても、楽曲のコンセプトを教えてください。
Calliope 最初は、私の超厨二病っぽい、メンタルが壊れて完全に「死神モード」になるような歌詞にしたかったんだけれど、自分のことをヤンデレに綴(つづ)っていくのが、だんだん恥ずかしくなっちゃって。だから代わりに、Netflixで流行っていたアニメ『アーケイン』の(主要キャラクターのひとり)「ジンクス」について書いているようなふりをしてみた。そうしたら歌詞がすんなり書けて! こうして、曲の終盤に向かって盛り上がって狂い果てちゃうような、この曲が出来上がったんだ。

リスナーに”何か”を届けられるような曲にしたい

――5曲目の『Holy 嫉妬』は、日本語と英語を組み合わせた非常に凝ったタイトルですが、歌詞やサウンドよりも先にタイトルが決まった曲なのでしょうか? また、この楽曲に関しても、どのようなコンセプトから生まれたのかを教えてください。
Calliope そう! 私は日本語の「嫉妬」という単語が大好きだから、この単語をタイトルに入れた「嫉妬」について歌った曲を作りたいと思ってた。嫉妬の感情をエネルギーに変えて、さらに強くなろう、というコンセプトはハッキリしていたよ。みんな、嫉妬には屈しないで!

――最後の曲『Let’s End the World』は、不穏なタイトルながら、曲からはポジティブな印象も感じるのですが、どのようなコンセプトで生まれた楽曲なのでしょうか?
Calliope この曲の始まり方は、古典的で、ダークで、エッジが効いていて、人類の終焉について歌っている。でも、終盤になるにつれて、自分自身が課した苦難や痛みで溢(あふ)れた自分の世界を終わらせようってことを歌っていることがわかると思う。リスナーに「贈る」ものが何もない曲は、書きたくないんだ。(2022年3月に発表した)『HUGE W』だって、歌詞にはほとんど意味がないのに、リスナーを笑わせることができる。そうやって曲を聞いている人に、何らかの形で“何か”を届けられるような曲にしたいんだ。

――『SHINIGAMI NOTE』は、CalliopeさんにとってどのようなEPになりましたか?
Calliope 私の自信作! みんな、ぜーーーーーーったい聞いてね!!

きっとみんな大興奮のライブになる

――ここからは、2022年7月21日に開催される《Mori Calliope Major Debut Concert 「New Underworld Order」》について聞かせてください。日本の豊洲PITでデビュー記念ソロライブを開催する心境を教えてください。
Calliope いい会場だよね! こんなに大きい会場だとは思ってなかった!! きっと特別なイベントになると思うし、みんなに見てもらって「すごい!」と思ってもらいたいな。

――リアル会場でのCalliopeさんのソロライブは、多くの人が待っていたと思います。 このライブでは、どのような「Mori Calliope」の姿を見せたいですか?
Calliope アイドルのコンサートとは真逆のものを見せたい。もちろん、アイドルは面白くて可愛いし、この世に光と幸せをもたらしてくれるけれど、私自身は暗すぎてそういうのは無理かな。ごめんね。もし、私が同じようにしたら、キモくて、見ているのが超ツラくなると思うから(笑)。ということで、昔ながらの「アンダーグラウンドラップショー」みたいなことをやるし、サプライズをたくさん用意しているから、きっとみんな大興奮だよ。ぜひ楽しんでいってね!

――ライブ当日、Calliopeさんがもっとも楽しみにしていることを教えてください。
Calliope 美味しい楽屋のお弁当かな……というのは冗談(笑)。真面目に答えると、みんなの歓声を早く聞きたいなって思っているよ。私はバーチャル世界にいるのに、ライブ中はみんなの姿が見えるし、みんなの声が聞こえるってスタッフさんに教えてもらったの。そんなことができるなんて、本当にすごい!!!

――星街すいせいさん、角巻わためさん、がうる・ぐらさん、TeddyLoidさんのゲスト出演も発表されました。それぞれ、Calliopeさんにとってどのような存在ですか?
Calliope すいせい先輩は、私のインスピレーションの源でもあり、彼女の仕事に対する姿勢を見習っている。そのうえ、すごく綺麗でカッコいい! あとは、じつはおっちょこちょいだったり……3Dモデルを使って面白いやり取りをしたこともあるんだ。わため先輩は、私が出会ったホロライブメンバーの中でいちばん優しい人で、自分の「友達」と呼べることが誇りだよ!! 彼女は(ラップが上手で)「正真正銘のホロライブラッパー」と断言できる。だからこそ、もっとラップを教えてあげたいな。本当に上手なんだ。嘘じゃないよ! ぐらは、大切な親友。今までふたりでいろいろなことを乗り越えてきて、お互いのことをよくわかっているし、たとえ何があってもお互い支え合っている。それに、ふたりでいて楽しいことだらけだし、今後も変わらずに友達でいたいな。TeddyLoidさんは、私が思う日本のベストDJのひとり。今回のライブにゲスト出演してもらえるなんて、本当に光栄!! 彼のおかげでリアルなアンダーグラウンドライブ感になると思うよ。

――Calliopeさんのメジャー1st EP『SHINIGAMI NOTE』や《Mori Calliope Major Debut Concert「New Underworld Order」》に注目して、このインタビューを読んでいる読者の方にメッセージをお願いします。
Calliope こういうのはちょっと恥ずかしいな……。でも、まあ、いっか! 皆さん、私のライブをぜひ見てね! 制作チームも、成功させるためにものすごく頑張っているし、私もたくさんリハーサルをしている! 冥界のバイブスを感じたり、ライブが成功したかどうかをたしかめに来て! 満足できると保証するから!endmark

ライブ情報

【公演名】
《Mori Calliope Major Debut Concert 「New Underworld Order」》

主催 : カバー株式会社 / hololive production / hololive English
制作協⼒ : 株式会社CLUTCH / 株式会社LIVE FORWARD
後援 :ユニバーサル ミュージック合同会社

【出演者】
Mori Calliope
(ゲスト)星街すいせい、角巻わため、がうる・ぐら、TeddyLoid

【開催日時】
2022年7⽉21⽇(木)
現地開場 18:00 / 配信開場 18:30 / 開演 19:00

【会場】
チームスマイル 豊洲PIT

【配信チケット】
SPWNチケット:¥5,000(税込)
・受付期間 : 2022年5⽉11⽇(⽔)22:00〜8⽉21⽇(⽇)23:59まで
・チケット購⼊URL : https://virtual.spwn.jp/events/22072101-jpCalliope1stlive 
※⽣配信直後からアーカイブ視聴可能となり、2022年8⽉21⽇(⽇)23:59まで何度でもご視聴いただけます。
※2022年8⽉21⽇(⽇)23:59を過ぎると、アーカイブ視聴中でも視聴できなくなります。

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