TOPICS 2024.12.19 │ 17:00

伊達さゆりの「手さぐりの旅」 第21回 不思議なくらい気持ちに寄り添ってくれる
コレサワさんの「泣く門には福きたる」(後編)

伊達さゆりのフォト&インタビュー連載の第21回。コレサワの「泣く門には福きたる」について語ってきた後編は、この楽曲を聞いて気づくことがあったという歌詞について。そして2024年を振り返りながら、来年の展望について訊ねた。

取材・文/編集部 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水

相談するようになったのは、仕事を始めてから

――中編の話題から続きますが、「困ったり落ち込んだときには自分から相談する」という傾向は子供の頃からありましたか?
伊達 いえ、逆に見せなかったですね。とくに地元で暮らしていた頃はのほほんと過ごしていて、あまり深く悩むようなことがなかったので。だからこそ、このお仕事を始めて、初めてガツンと大きな壁にぶつかったときにどうしていいかがわからなくて。「こりゃヤバい、誰かに頼らないと」と考えるようになった気がします。

ルーの塊を勢いよくドボン。すでに鍋の中身が白いのは、牛乳を先に入れたから。

――そういう流れで「誰かに相談しないと」と思うようになったわけですね。
伊達 自分で乗り越えられると思っていたものが全然乗り越えられなかったというか、そもそもそういった経験自体がなかったので。まず頼り方がわからない、という状態でした。だから、いろいろな方法を試したんですよね。「ひとりでなんとかしてみよう」と「誰かに頼らないといけないな」の間を行き来していたというか。今でもそういうことはあるんですけど。でも、まわりが優しい方ばかりなので、素直に気持ちを言葉に乗せて話したほうがみんな安心してくれるし、自分も笑顔になれるから、うまくいくことが多いのかな、と思うようになりました。

完成直前の味見中。この表情は……おいしく仕上がった?

ポジティブな声とメロディに励まされる

――楽曲の話題に戻して、「泣く門には福きたる」の歌詞で好きなフレーズはありますか?
伊達 まず、タイトルが大好きなんですけど、歌詞の中だと「あの夜には意味がある」という部分が好きですね。やっぱり……夜にたいてい泣くと思うんです、人間って。私がそう思っているだけで、皆さんがそうなのかはわからないですけど(笑)。なんとなく、家に帰ってひとりぼっちになったときに何かをぽろっと思い出して涙する方、けっこういるんじゃないかなって。私もそうですし。そんなときにコレサワさんのポジティブな声とメロディが聞こえてくると、すごく励まされるんです。あとは「涙は手作りできるから/たくさん流してくださんせ」ですね。ホントにその通りだなと思います……というか、この歌詞を見て「あ、そうだな」と気づいた感じですね。

――たしかにハッとするフレーズですね。
伊達 歌っているのはコレサワさんなんですけど、いっぱいいっぱいで「もう立ち上がれないです、無理です」という状態の中で、0.1%くらい残っているポジティブな自分が言ってくれている感があります。「あ、まだもうちょっとパワーが残っているな、自分」と思わせてくれるんです。

「こういうことができるようになりたい」の先に見えてきたもの

――この記事が2024年の連載の最後になると思います。少し早い気もしますが、今年を振り返るとどんな一年でしたか?
伊達 あっという間の一年でしたね。お仕事を始めてから、日々が過ぎていくスピードがどんどん増している気がしているんですけど……今日も「一日が終わるのが早いな」と思いましたし(笑)。

――2025年はどういう年にしたいですか?
伊達 頑張らなかった日を1日でもなくしたいですね。それはお仕事、プライベートに関わらずなんですけど。お休みでも「今日は何もしなかったな……」という日をなるべくなくして「今日はこんなことができた、こんなことを頑張った」という思い出を積み重ねていけば、より実りある一年にできるかなと思うので。振り返ってみると、今年は自分の中で「ちょっと甘えていたかもな」と思う瞬間がけっこうあるので、2024年は2025年に向けて力を溜めていた一年だったと思えるようにしたいです。

――「甘えていた」というのは、どういうところで?
伊達 じつは「甘える」ことで挑戦できたこともあったりするんですけど。作詞に挑戦させてもらったのもそうですね。行動に移す前に頭の中で考える、休む期間を入れることでできることが広がった反面、「もっと行動に移せたことがあったんじゃないか」と、少しもったいなく思うこともあって。頭で考えるだけじゃなくて、足を使って物怖じせず突っ込んでいけば、もっと楽しくできたり、自分のためになることがあったんじゃないかな、という気もしているんです。

――自分の中でやりたいことが増えてきている?
伊達 「これがやりたい」というよりは「こういうことができるようになりたい」と思うことが増えてきた感じですね。ちょっとずつではありますが、「こういうことが今、自分には足りていないんだな、じゃあ明日はこういうことを試してみよう」と考えることが多くなってきたというか。ただ、それは「これがやりたいから」というわけではないんですよね。うーん……でも、どうなんだろう? やりたいことが増えているということなのかな……?

――「説得力のある人になりたい」と話してもらったこともありましたが、輪郭のようなものが見えてきている、ということでしょうか?
伊達 ちょっと見えてきたのかもしれないですね。「目標」という言葉だとニュアンスが強すぎて違う気がするのですが、それがぼんやりしていてどこに進んでいいのかわからない、ということはありました。頑張りたいけど、何から手をつけていいかわからない。それがけっこう自分の中でしんどかったのですが、本当にちょっとだけ、「こっちに進めばいいのかな」という道が見えてきたのかな。これができるようになれば、気持ちも明るくなるし、先がもっと見通せるようになるかも、という希望……希望というと大げさかな。できないことだらけだけど、できるようになったら、今よりもっと楽しいだろうな、と前向きに考えられるようになってきたのかもしれないです。endmark

伊達さゆり
だてさゆり 9月30日生まれ。宮城県出身。Apollo Bay所属。『ラブライブ!スーパースター!!』一般公募オーディションを経て、澁谷かのん役で声優としてデビュー。他の出演作に『英傑大戦』(池田せん役、他)『アサルトリリィ Last Bullet』(石塚藤乃役)など。趣味は歌を歌うこと。特技はよさこい。 Twitter/@SayuriDate  Instagram/sayuridate_official
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