TOPICS 2024.08.29 │ 17:00

ペイトン尚未の「並行多元ヒロインズ」第14回
由緒ある古民家で過ごす「日本人形の夏休み」(前編)

声優・ペイトン尚未がさまざまな「ヒロイン」に扮し、憧れや理想を追求するフォト&インタビュー連載「並行多元ヒロインズ」。第14回のテーマは「日本人形の夏休み」。前回に続き、人ならざるヒロインに扮した今回は、果たしてどんなアプローチで撮影に臨んだのか?

取材・文/大久保和則 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水 衣装協力/Hiroko Tokumine

子供の頃から「お人形」が大好き

――今回のテーマは「日本人形の夏休み」。前回(第13回)の「天使」から「人形」という振れ幅の大きな展開になりましたが、テーマを聞いたときはどんな感想を持ちましたか?
ペイトン 子供の頃から日本人形もフランス人形も、お人形さんがとにかく好きだったので「来た!」と思いました。「フランス人形みたいだよね」という感じで褒めていただくことも多いので、「私でも日本人形になれるんだ!」といううれしさがありました。

――撮影で使った日本人形を「先輩」と呼んでいましたが、あれがペイトンさんの中にある日本人形のイメージでしょうか?
ペイトン もちろん、ああいったものも思い浮かびますし、市松人形とか、雛人形とか。日本人形と言ってもいろいろ種類があるなと、今回のテーマを聞いたあとに調べて気づきました。

――撮影場所が決まる前には、夏にあわせてちょっとホラー系にアプローチする案もあったそうです。日本人形には、心霊動画のサムネイルなどによく見られる、おかっぱで赤い着物のイメージもありますよね。
ペイトン そうですね。でも、私はお人形さんをあまり怖いと思ったことがないんです。みんな、職人さんが作られているじゃないですか。すごく細かい作業や、本当に難しい技術を使って作られていて、人形ひとりひとり、一体一体に魂が込められている。人によってはそれを怖いと感じることもあるのかもしれないですけど、私は思いが詰まっていて素敵だなと感じるんです。

表情を「無」にするために撮影中、考え続けたこと

――そんな日本人形になってみた感想を教えてください。
ペイトン 普通の撮影で無表情になっちゃうと「笑って」と要望されると思うんですが、今回はペイトン尚未史上、最高に無表情でした(笑)。とくに前半はもう「絶対に笑わない」みたいな(笑)。撮影であえて無表情になるときって、カッコいいイメージだったり、クールな印象を求められることが多いんですけど、クールさもかわいさもなくした、本当に「無」というような顔を今回初めてカメラに収めていただいたので、そこがいちばん楽しかったです。

――なるほど。いかに「無」になるかが今回のテーマだったんですね。
ペイトン いつもは自然に笑っちゃうんですよね。撮影中、スタイリストさんやヘアメイクさん、マネージャーさんが「かわいい!」とか「(衣装が)すごく似合ってる!」と言ってくださると、うれしくてニヤニヤしちゃうんです。でも、今日はいかに心を無にできるかを大事にしました。いつもだったら撮影中に呼びかけられると「はい!」「わかりました!」みたいに、語尾にびっくりマークが付くような勢いで返事をするんですけど、今日は「はい」「わかりました」と、そこも単調な感じでやらせていただきました(笑)。

――「無」になるために何も考えないようにしていたのでしょうか? それとも何か別のことを考えていたのでしょうか?
ペイトン 最近見たアニメのことを考えていました。普段は撮影に集中して臨んでいるんですけど、今日は「昨日見たアニメ、面白かったなぁ」とか「今日は暑いなぁ」みたいな感じで、撮影に関係ないことをあえて考えました。「ポーズを変えてください」などの指示があったときだけ、「わかりました」と気持ちを切り替える。そこを強く意識しました。

――人形だとしたらカメラを意識することはないですし、だったら撮影していること自体を忘れたほうが、より人形らしいのかもしれませんね。
ペイトン そうなんです。でも、撮影が終わった今も人形の気持ちがまだ抜けなくて、インタビューなのに言葉がうまく出てこなくて、やばいなと思っています(笑)。

昭和から変わらない光景がロマンチックで素敵

――今日の撮影場所である「小石川大正住宅」にはどんな印象を持ちましたか?
ペイトン 建てられてから110年経つと聞きました。その110年の間に、どれだけの人がこの家に足を運んできたのだろうなと思います。ここに住んでいた方もいらっしゃると聞きましたが、なんかすごくあったかい雰囲気の場所ですよね。

――長く大事にされてきた建物特有の温もりがあるのかもしれません。
ペイトン この床に今まで何人の人が寝転んだり、くつろいだりしたのかなと考えると温かさをすごく感じますし、やっぱりこういう場所は好きだなと思いましたね。あと、(壁に飾ってある資料の写真を指して)あの写真、ランドセルを背負っている小学生だと思うんですけど、今の時代にもランドセルはあるじゃないですか。昭和30年代って、私にとってはすごく遠い時代に思えるんですけど、今と変わらない光景もあるんだなって。なんだかロマンティックで素敵だなと思っちゃいました。

――ちなみにペイトンさんのランドセルは何色でしたか?
ペイトン 私は赤とピンクの間で「チェリーピンク」という色のランドセルを使っていました。その頃からピンクが大好きでしたね。「真っピンク」もかわいいなと思ったんですけど、日本の女の子のランドセルには赤のイメージがあったし、当時の私はちょっと赤みが残っているほうが好きだったので、「赤ピンク」みたいなチェリーピンクにしたんです。endmark

関連情報

【撮影協力】
小石川大正住宅
<住所>
東京都文京区小石川1-11-3

<Webサイト>
https://kominkakoishikawa.jimdofree.com/

 

【開催情報】
◆江戸川乱歩 名作朗読劇「少年探偵団」
日程:9月3日(火)~9月8日(日)
※ペイトン尚未は9月4日(水)13:00公演に出演
会場:紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
公式ホームページ:https://rodokugeki.com/shonentanteidan/

 

◆SMA 50th Anniversary presents
「Precious Your Shining~豆~」
出演:ペイトン尚未×矢野妃菜喜×スピラ・スピカ
日程:9月13日(金) OPEN 18:00/START 19:00
会場:Spotify O-East
チケットリンクまとめ:https://www.sma.co.jp/s/sma/music/PYS#/

 

◆+1st LIVE「魔法*」
日程:12月8日(日) 13:30開場/14:30開演
会場:THEATER MIRANO-Za
<受付URL>
SMA TICKET
https://sma-ticket.tstar.jp/artist/paytonnaomi

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