――前編で「人形が好き」と話していましたが、日本人形は持っていますか？
ペイトン　それが持っていないんですよ。子供の日本人形がかわいいなと思うので、持つとしたら男の子と女の子の日本人形が欲しいです。でも、お父さんとお母さん、ワンちゃんや猫ちゃんの人形も一緒に置けたら素敵ですよね。家族を作りたいです。日本人形一家！　人形もひとりだと寂しいかなと思っちゃうので。

――日本人形に限らず、人形にまつわる思い出は何かありますか？
ペイトン　小さい頃、まわりのお友達はみんなリカちゃん人形を持っていました。私のお家にもリカちゃん人形がいましたが、お父さんもお母さんもバービー人形のほうを私に持たせたがって、バービー人形を買ってもらった思い出があります。

――それはうれしかったですか？　それとも、みんなと同じリカちゃんがもっと欲しかった？
ペイトン　バービー人形を持っている子がほとんどいなかったので、お友達と被らないからうれしいなと思っていました。ただ、リカちゃん人形の中でひとつだけめちゃめちゃ欲しいものがあったんです。髪の毛を指で温めると色が変わるリカちゃん人形があって、それがすごく欲しかったんですよね。今でも思い出すくらい、ずっと欲しかったんですけど、買ってもらえませんでした（笑）。でも、当時買ってもらったバービー人形はみんな実家にあるはずです。

――今の自宅には人形的なものはありますか？
ペイトン　フィギュアがありますね。お家に帰ると初音ミクさんのフィギュアと、私が役を担当している女の子のフィギュアがいつも出迎えてくれます！

――フィギュアも「人形」の一種と考えたら、今は「人形」に触れる機会が多い時代なのかもしれないですね。フィギュアを日常的に目にしたり、自宅にフィギュアがあるという人は、以前よりも多い気がします。
ペイトン　たしかになじみがあるものになりましたよね。お値段がすごく高いものもあるじゃないですか。でも、見本の写真などを見ると、そのお値段になる理由がわかるというか、納得するくらいのクオリティだなと感じます。自分の手元にあるものでも、眺めていてそのクオリティがしっかり伝わってくるので、フィギュアを作っている職人の方たちは本当にすごいなと思います。イラストレーターさんが描いたものがフィギュア化されることもあるじゃないですか。描いたイラストレーターさんもすごいし、それを立体化するメーカーや原型師さんもすごいなと思います。

――自分がもし人形を作れるとしたら、どんな人形を作りたいですか？
ペイトン　ペイトン尚未のフィギュアを（笑）。誰が欲しがるの？って感じですが（笑）。

――いやいや、需要はあると思いますよ。東京の有明に「SMALL WORLDS Miniature Museum」という施設があって、そこで誰でも3Dフィギュアを作れるんですよ。
ペイトン　すごいですね。めちゃめちゃ行きたいです！　そして自分を美化したフィギュアを作りたいです（笑）。今日撮ったお写真をそのままフィギュア化できたら、すごくいい気がしますね。

――人形になったら、どんな持ち主のもとにいたいですか？
ペイトン　人形には寿命がないと考えるなら、長く続くお家にいたいなと思います。人形だって、ひとりぼっちになってしまうのは寂しいじゃないですか。なので、何百年も前から続いている名家で、この先も続いていきそうなところに置いてもらって、末長くかわいがってもらいたいです（笑）。そしてできることなら、猫と一緒に遊ばせてほしいですね。猫を飼っている名家のもとでかわいがられる人形になりたいです！

――代々続いている家に置かれると、人形だけがその家のすべてを見ているみたいな境地になるかもしれないですね。
ペイトン　そうですね。小さい子がおばあちゃんになるまで見届けたり。それはそれで切ないなぁ……。切ないけど、長く続いているお家にいるということは、時代がめぐるなかでたくさんの人を見送るということでもあるし……人形も、かわいがってくれたあの子とまた出会える日を心待ちにしているんだろうな思うと……泣ける！　泣いちゃう！

――「人形に魂が宿る」といったことや「髪の毛が伸びる」なんて話も聞きますよね。
ペイトン　和歌山県に人形が祀られている神社（淡嶋神社）があるみたいで、そこには髪が伸びる人形がいるらしいのですが、不思議だなと思いつつも、やっぱり「魂が宿る」って本当なんじゃないかなと思います。

――そういうものは信じているほうですか？
ペイトン　はい。そのほうが人形をより大切にできると思うので、信じているほうがいいと思っています。