TOPICS 2022.11.29 │ 12:00

伊達さゆりの「手さぐりの旅」
第2回 学校生活を思い出して自己投影してしまうSHISHAMOさんの「中庭の少女たち」(中編)

3ピース・ガールズ・ロックバンド、SHISHAMOの「中庭の少女たち」とともに伊達さゆりの学校生活を振り返るフォト&インタビュー連載第2回。中編では、制服の思い出や友達と盛り上がった話題を思い出しながら、楽曲と並んで印象的なMVにも触れてもらった。

取材・文/編集部 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水

今でも高校時代の制服が着たい

――今回の撮影では、制服っぽい衣装はあえてはずそうと思っていたのですが、この衣装を着てみての感想を教えてください。
伊達 めちゃめちゃ大人っぽいなという印象です。卒業して何年後かに学校に遊びに来た、というようなイメージですよね。でも、撮影中に黒板消しを持ったときにチョークとの色合いが似ていたり、ワンピースのまだら模様がなんとなく絵具みたいに見えてきたり、制服じゃないけど「学校っぽいな」とちょっと思いました。遊び心があって素敵な衣装でした。

――学校に通っていた頃の制服についての思い出はありますか?
伊達 小学校は私服で、中学、高校はブレザーでした。でも、制服に袖を通し始めた頃は苦手意識がありましたね。身体が大きくなっていくのを計算して、制服も大きめに採寸してもらうじゃないですか。最初の頃はブカブカで「ザ・中1です」という感じが恥ずかしかったです。

――「制服に着られている」というやつですね(笑)。
伊達 学園もののドラマなどを見ているとみんなぴったりの制服を着こなしていて、中学生になったら自分もそういうものを着られるんだと思っていたので、「なんでみんな制服がいいって言うんだろう」という思いでいっぱいでした(笑)。でも、高校にあがる頃には制服が大好きになっていましたね。Instagramに制服姿の写真を投稿するのが流行っていた時期なので。

――そうか、伊達さんの世代だと高校時代にInstagramが普通にあったんですね。
伊達 そうです。友達とお揃いの制服を着て、こういうことがしたい!と思っていました。あとは文化祭などで制服のスカートとクラスTシャツを着るとか、そういうのがすごく楽しかったです。今でも当時の制服が着たいですもん。地元に帰って友達と一緒に(笑)。

学校の中だから盛り上がる話題といえば……

――学校で盛り上がった話題でとくに記憶に残っているものはありますか?
伊達 やっぱりそのときに流行っていたドラマやアニメの話題が多かったです。それ以外だと共通して盛り上がれたのは先生の話です。身内ネタなので学校の外に出たら誰も笑ってくれないのですが、「自分たちだけが理解できる」ことで、より面白く感じられる気がして。廊下ですれ違ったときとかに、友達と一緒に先生に話しかけるのも好きでした。高校の卒業が近くなって気づいたのですが、好きなドラマやアニメの話は月日が経っても友達と集まってできますけど、先生の話ってその場じゃないと盛り上がれないじゃないですか。それがなくなってしまうのも卒業を寂しく感じてしまった一因ですね。

――東京に出てから先生がたと交流することはあったのですか?
伊達 先生とはないですね。だから自分の活動が地元でどう伝わっているのか、知るのが怖いです(笑)。卒業するときに先生たちは「いつでも遊びに来ていいからね」と言ってくれたのですが、友達と一緒に中学や高校に帰ったら、当時の楽しかった思い出がよみがえりすぎてしまうんじゃないかという気がしていて。ようやく東京に慣れてきたところなので、まだ気軽には帰れないなと思っています。

――小学生の頃に流行ったり、夢中になったりした遊びはありましたか?
伊達 自由帳に絵を描くのがすごく好きで、友達と一緒に架空のキャラクターを描いてお互いそのキャラクターになりきる遊びをしていました。他にも『ポケモン』のオリジナルキャラクターを考えて、休み時間中はそのキャラクターになりきって過ごすとか、いかにも小学生がやりそうなことをやっていましたね。なんであれが面白かったんだろう?と今では思いますが(笑)。

「私もこうだった」と自己投影してしまうMV

――「中庭の少女たち」の話題に戻しますが、この楽曲はMVも印象的です。MVの主人公が伊達さんにどことなく似ているなと思ったのですが……。
伊達 それはまったく自分では意識しなかったですね。うれしいですけど、さすがにおそれ多いです(笑)。でも、MVの冒頭、(主人公役の)森川葵さんがアップになって朝の支度をしているシーンはめちゃめちゃ好きです。何気なく歯を磨いているところだとか、「みんな見せ合ったりしないけど、こんな感じだよね」という瞬間を描いてくれることになんだか感謝の気持ちが湧いてしまって。やっぱり「私もこうだったなぁ」と自己投影してしまいますね。

――「中庭の少女たち』以外に、SHISHAMOの楽曲でお気に入りのものはありますか?
伊達 「ロマンチックに恋して」という楽曲が好きです。別のアルバム、『SHISHAMO 5』 に収録されているのですが、かわいらしい恋愛の歌で、カラオケに行くと友達と一緒によく歌っていました。最近は行く機会もあまりありませんし、高校時代もそんなに何度も行ったわけではないのですが、私にとって数少ないカラオケの思い出が「ロマンチックに恋して」なんです。

――カラオケ以外だと友達とはどんなところで遊んでいましたか?
伊達 高校に入ってからは仙台駅にめちゃめちゃ遊びに行っていました。仙台駅に行って、何をするわけでもなくおしゃべりをして、プリクラだけ撮って帰る、みたいな(笑)。

――買い物をすることは?
伊達 ほとんどしませんでした。お店を見て「かわいいねー」と言い合ったりするんですけど、それだけで。ただ歩いて話をして時間が経ったらバイバイ、という(笑)。振り返ると何をしたかったんだろう、という感じの時間なのですが、それが本当に楽しかったんですよね。endmark

伊達さゆり
だてさゆり 9月30日生まれ。宮城県出身。Apollo Bay所属。『ラブライブ!スーパースター!!』一般公募オーディションを経て、澁谷かのん役で声優としてデビューを果たす。趣味は歌を歌うこと。特技はよさこい。
撮影協力

3331 Arts Chiyoda
住所/東京都千代田区外神田6-11-14
電話/03-5817-8988
開館時間/10:00~21:00(内部で行われる展覧会の時間はそれぞれ異なります)
アクセス/銀座線末広町駅4出口徒歩1分

2022年12月10日(土)~12月25日(日)
『ポコラート全国公募展 vol.10』開催
『ポコラート全国公募』は障がいのある人、ない人、年齢・経験にかかわらず、
自由な表現の場を生み出すべく 2011 年よりスタートした全国公募です。
※詳細はポコラートの公式HPで順次公開いたします。