TOPICS 2022.12.27 │ 12:00

伊達さゆりの「手さぐりの旅」第3回 ためらいがちな自分の背中を押してくれる
スキマスイッチさんの「トラベラーズ・ハイ」(前編)

声優・伊達さゆりのお気に入りや、心に残っているものを取り上げながら自らを語るフォト&インタビュー連載。第3回のテーマに挙がったのはスキマスイッチの「トラベラーズ・ハイ」。ロードムービーのワンシーンを切り取ったかのような軽快な楽曲との出会いとともに、自身の「お出かけ事情」を語ってもらった。

取材・文/編集部 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水 衣装協力/an another angelus、F&A

知らない場所に出かける前に聞きたくなる

――連載の第3回はスキマスイッチの「トラベラーズ・ハイ」という楽曲を挙げてもらいましたが、どんなタイミングで出会ったのでしょうか?
伊達 あるとき、流しっぱなしにしていたテレビから聞こえてきたんです。流れていたのは旅番組だったと思うのですが、その中でBGMとして使われていたのを耳にしたのがきっかけです。メロディや歌詞が私の好きな感じだったので「誰の楽曲だろう?」と気になって。でも、BGMとして使われていたので、曲名がわからなかったんです。だから急いで記憶に残っている歌詞を検索して(笑)、「スキマスイッチさんの曲だったんだ!」と知りました。それが、今年の夏に入る少し前くらいのことですね。

――「トラベラーズ・ハイ」という曲名や歌詞を見ると、気ままな旅の高揚感を歌った楽曲という印象ですが、実際にこれを聞いてどこかに出かけたことはありますか?
伊達 楽曲を聞いて「行こう!」と思い立つというよりは、「今日はこれから知らないところに行くぞ」というときに聞くことが多いです。知らない場所に行くときは、いちおう事前に「何があるかな」と下調べするのですが、実際にどんな場所かは降り立ってみないとわからないじゃないですか。興味があってそこに行ってみようと思っているから、その街には期待をしているわけですよね。でも、もし想像と違ったらどうしよう?と冷静になる自分もいて。そういう気分のときにこの「トラベラーズ・ハイ」を聞くと「期待どうこうよりも、まずふらっと行ってみよう」という気分になるんです。

最近お出かけした先は、東京なのにまるで異世界?

――なるほど。ちなみに伊達さんは「行ってみたいな」と思ったらすぐに出かけられるタイプですか?
伊達 最近は行けるようになりました! プライベートで知らない駅に降りるのは緊張しますし、お休みの日はひとり家の中でだらっとするのが好きなので、以前は「次のお休みは家から一歩も外に出ないぞ……!」と心に決めていることが多かったんですけど(笑)。お仕事でいろいろな駅に初めて降りて、歩きながら街並みを見ていると「好きな感じだな」と思うことがけっこうあって。「今度、お休みの日にゆっくり散策したら、かわいいお店が見つけられそう」とか「このあたりにお家を探しに行ってみようかな」と思うようになりました。

――「お家を探す」というのは、「ここに住んでみたらどうなるだろう?」と想像するということですよね?
伊達 そうです。初めて降りる駅の名前で検索して、ひとり暮らしのお部屋探しサイトで口コミを調べたり。そういうところを調べていると、オススメのお店情報も出てくるんですよね。それを見て「いいな!」と思って、実際に行ってみたりすることが多いです。

――実際にお出かけした場所で、印象に残っている場所はありますか?
伊達 最近は古着屋さん巡りをしてみようと思っていて。お店をまわっているだけでおしゃれな気分になれるので(笑)。高円寺に古着屋さんがいっぱいあると聞き、どんな場所なのかは全然わからなかったのですが、とりあえず行ってみようと思って出かけました。駅を降りて商店街に行くと、本当に道の左右にずらっと古着屋さんが並んでいたので、びっくりしちゃって。近くに住んでいる方や東京にいる方にとっては当たり前なのかもしれませんが、私からすると異世界に来たような気分でした。両サイドに、こんなにテイストの違うお洋服屋さんがたくさん並んでいるなんて……!と交互にお店をのぞいていきました(笑)。

今でも眼鏡をかけた姿は「よそ行き」の気持ち

――今回、衣装として眼鏡をかけてもらったのですが、「お家モード」の伊達さんも眼鏡なんですよね。
伊達 高校2年くらいから外ではコンタクトレンズを付け始めて、そのときからお家では眼鏡です。普段、眼鏡をかけるときは完全にオフの状態で、部屋着で髪をうしろに縛ってお化粧も全部落とした状態なので、ヘアメイクや衣装までバッチリの状態で眼鏡をかけるのは不思議な気持ちです。

――別の現場で眼鏡姿での撮影をするときも、やっぱり「よそ行き」の気持ちだったりしますか?
伊達 そうですね。じつは、小さい頃は眼鏡に対して恐怖心のようなものがありました。というのも、母は視力が悪くて「さゆは視力を落とさないように気をつけてね」とよく言われていたんです。外で遊ぶのが好きだったのですが、自分が眼鏡をかけて遊びまわる姿が全然想像ができなくて「視力が悪くなったらどうしよう」と思っていました。結局、高校生になって眼鏡やコンタクトレンズのお世話になることになったのですが、眼鏡をかけた自分の姿はちょっと恥ずかしかったです。だからお仕事で眼鏡姿をお見せして「似合ってるね」と皆さんに言ってもらえたのはうれしかったですし、最近になってようやく眼鏡に対する恐怖心がなくなったのかなと思います。endmark

伊達さゆり
だてさゆり 9月30日生まれ。宮城県出身。Apollo Bay所属。『ラブライブ!スーパースター!!』一般公募オーディションを経て、澁谷かのん役で声優としてデビューを果たす。趣味は歌を歌うこと。特技はよさこい。 Twitter/@SayuriDate  Instagram/sayuridate_official