TOPICS 2022.12.28 │ 12:00

伊達さゆりの「手さぐりの旅」第3回 ためらいがちな自分の背中を押してくれる
スキマスイッチさんの「トラベラーズ・ハイ」(中編)

スキマスイッチの「トラベラーズ・ハイ」について語る伊達さゆりのフォト&インタビュー連載第3回。中編では、具体的に心に響いた楽曲のポイントや、これから旅してみたい場所を尋ねた。

取材・文/編集部 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水 衣装協力/an another angelus、F&A

気負わずに一歩踏み出す勇気をくれる

――もともとスキマスイッチの楽曲はよく聞いていたのですか?
伊達 スキマスイッチさんの楽曲を最初に聞いたのは私がまだ小さい頃でした。家族みんなが『ドラえもん』をすごく好きで、映画が公開されるといつも見に行っていたのですが、『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』の主題歌がスキマスイッチさんの「ボクノート」という楽曲だったんです。私はまだ4歳だったので、ストーリーはなんとなくの理解で「主題歌」という認識もなかったのですが、母が「すごくいい歌だね」と言っていたのをおぼえていて、私も今でも大好きです。

――「トラベラーズ・ハイ」の中でとくに気に入っているフレーズや歌詞はありますか?
伊達 2番のサビ、「思い切って 勘に任せてみようか 敷かれているレールなんかつまんない」という部分。私は臆病なので、新しいことを始めるときに躊躇してしまうんです。でも、安定志向に甘えてばかりだと新しい発見ができなかったり、何かに手を伸ばして今よりも向上できるチャンスを逃してしまうかもしれない。そんな自分に「わからなくて当たり前だよ」と気負わずに一歩踏み出す勇気を与えてもらえるようで、とても好きです。そのあとの「たまに迷うのも楽しいや」も、歌声のテンションともあいまって「気楽にやってみようよ」と背中を押してくれる感じがしますね。

カラフルでポップな世界に入ってみたかった

――前編では高円寺に出かけた話を聞きましたが、架空の場所で行ってみたいところはありますか?
伊達 小さい頃はお城や、絶対にありえないファンタジーの世界に行ってみたいなぁと思っていましたね。もう少し大きくなると、『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』のアニメの中の街並み、言ってしまえばどこにでもありそうな住宅街に行ってみたいなと思うようになりました。作品の中の世界に行きたいというか、日常を描いているけれども、やっぱり現実とはどこか違う雰囲気が好きで。

――具体的にはアニメの世界のどういったところに憧れたんですか?
伊達 アニメで描かれる街並みって、空は青、地面がグレー、それに緑があって……みたいに色づかいがはっきりしていることが多いじゃないですか。小さい頃からそれに憧れがあって「なんで私が住んでいる世界の空はあんな青じゃなくて白っぽいんだろう?」なんて思っていました。ポップな色じゃないのが寂しいというか。お家も赤い屋根で、もっとかわいい感じだったらいいのに……って。

――なるほど、カラフルな街並みに惹かれたんですね。
伊達 子供の頃はお家の絵を描くのがすごく好きで、架空のキャラクターを作って「この子がここに住んでいたら……」と考えていました。自由帳に部屋の間取りを描いて色を付けていたのですが、そのときに使うのもパキッとした色ばかりでした。「こういうのがあったらいいのに」と思って絵を描いたあとに外に出ては、「実際のお家や街は暗いなぁ、なんでだろう?」と思っていました。だからポップな色ばかりの世界には一度行ってみたいと思います。

次にひとり旅で行ってみたいのは……

――プライベートで都内近郊に出かけるのとは別に、お仕事で地方に足を延ばすことも多いと思うのですが、そういった際に楽しみにしていることはありますか?
伊達 新幹線や飛行機でその地方の中心地に降り立つ瞬間が好きです。キャリーケースを引っ張っている人を見て「これからどこに行くんだろう?」とか、逆にホッとした表情の人を見て「地元に帰ってきて安心したのかな?」と想像するのが楽しいですね。実際に私もキャリーケースを持って地元に帰ると、「今から家に帰るんだ!」という気持ちが大きくなって、すごくワクワクするんです。だから地方で大きい荷物を持っている方を見かけると、つい自分と重ねてしまいます。あとは、通る車のナンバーを見ちゃいますね。大阪ナンバーを見れば「ここは大阪なんだ」と実感しますし、逆に地方で(地元の)宮城や仙台のナンバーを見るとちょっとうれしくなります。

――とくに印象深く残っている場所はありますか?
伊達 大阪に行ったときは、着いてすぐに車に乗って移動したのですが、新大阪の駅から離れた場所にも人がたくさんいて。宮城だと、とにかく仙台駅に人がいっぱいいるイメージがあるので、大阪にはそれだけ観光スポットやお仕事で訪れる人が多いんだなと思いました。電光掲示板がめちゃめちゃ多かったのも印象的でしたね。

――やはり大阪には独特の「濃さ」がありますよね。
伊達 そうですね。街全体から「大阪感」が伝わってくるというか。もし、目隠しをして連れて来られたとしても「ここは大阪だ」とわかるだろうなと思いました。

――以前、江ノ島へひとり旅をしていましたが、次にひとり旅に出かけたいところはありますか?
伊達 箱根に行きたいです。友達が箱根旅行をしていて「いいなぁ、うらやましいなぁ」と思ったんです。でも、何が有名でどんな場所なのか、あんまりわからないんですよね(笑)。旅館や温泉が有名な地域、くらいの印象で。むしろ、わからないから行ってみたいというのはありますね。

――旅先に必ず持っていくものはありますか?
伊達 タオルやブランケットを必ず持っていきます。お仕事で泊まりだとライブに出演することが多いので、喉を温めるために、首までかけて眠るんです。お仕事を始めてから使うようになったのですが、今ではこれがないと不安で「枕が変わると眠れない」という人の気持ちがわかるようになりました。でも、実家に帰るときは持って行かないんです。やっぱり安心感があるからですかね。endmark

伊達さゆり
だてさゆり 9月30日生まれ。宮城県出身。Apollo Bay所属。『ラブライブ!スーパースター!!』一般公募オーディションを経て、澁谷かのん役で声優としてデビューを果たす。趣味は歌を歌うこと。特技はよさこい。  Twitter/@SayuriDate  Instagram/sayuridate_official