TOPICS 2023.12.30 │ 18:00

TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』リレーインタビュー⑥
キタサンブラック役・矢野妃菜喜(前編)

ついに最終回となる第13話が放送されたTVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3(以降、第3期)』。<トゥインクル・シリーズ>引退を決意したキタサンブラックがラストランの有馬記念(作中では「馬」の点はふたつ、以下同)を制覇し、物語は大団円を迎えた。リレーインタビューの最後は、そのキタサンブラックを演じた矢野妃菜喜が登場。まずはラストランに至る第12話までを振り返ってもらった。

取材・文/丸本大輔

「みんなのため」という気持ちがキタサンブラックを成長させた

――このインタビューは第13話の放送後に公開予定なのですが、まずはアフレコを終えたときの心境を教えてください。
矢野 アフレコのあとは「本当に終わってしまったんだ」という気持ちが強かったですし、最初のフレッシュなキタちゃん(キタサンブラック)のことを思い出すと、一緒にすごく成長できたんだなと感じました。もともと素直な性格の子ですから、自分の感情を前に出して頑張っていたと思うんですけど、そこに「みんなのため」という視野の広がりも加わったところがとくに成長した部分なのかなと思います。

――1クールでキタサンブラックの<トゥインクル・シリーズ>引退までを描く構成を知ったときは驚いたのですが、矢野さん自身はどんな気持ちでしたか?
矢野 最初はキタちゃんの物語がどんなものになるのか全然想像できなかったので、ラストランの有馬記念まで描かれると知ったときは驚きました。それにウマ娘にピークがあって、(走り方が)変わっていくことも衝撃的でしたね。それを乗り越えて最後に華々しく勝利するのは、本当にドラマティックだなと思いました。

2度の負けレースに驚いた第1話

――ラストランに至る前の、第12話までのエピソードでとくに記憶に残っているシーンを教えてください。
矢野 いっぱいありますが、やっぱり第1話でいきなり2回も負けたことに、まずはびっくりしました(笑)。史実を知っていたので(皐月賞と日本ダービーで)負けることは想像していたのですが、その2レースを1話で全部やっちゃうんだなって。さらにED曲の「ロストシャイン」が悲壮感たっぷりな歌詞で(笑)。キタちゃんとして歌わせていただいているのですが、『ウマ娘』の曲でここまで落ち込んだ気持ちを歌ったものは本当に珍しいし、これもびっくりしましたね。あとはダイヤちゃん(サトノダイヤモンド)が、あんなにも強い子だったのも驚きでした。悩みがあってもひとりで立ち向かっていくじゃないですか。

――たしかに、鋼のメンタルでしたね。
矢野 キタちゃんは泣き叫んで、まわりの先輩たちに助けてもらったりするので、余計にダイヤちゃんの強さが印象的でした。キタちゃんと一緒に走る(第7話の)有馬記念でもレースに勝つことだけを考えていて。ダイヤちゃんから「キタサンブラック」と呼ばれたとき、キタちゃんはドキっとしたと思うんですけど、私も同じ気持ちでした(笑)。

ネイチャさんは「私が先生だぞ」と喜んでいる?

――キタサンブラックは、幼なじみのサトノダイヤモンドだけでなく、同期や先輩たちとの絡みも多かったですが、とくにやりとりが印象的だったキャラクターはいますか?
矢野 (キタサンブラックが所属する)チーム<スピカ>は、キタちゃんにとって幼い頃から思い入れがあったチームで、憧れのテイオーさん(トウカイテイオー)をはじめ、全員が先輩でしたが、すごく自然になじんでいましたよね。あれもキタちゃんの人柄があってのことだと思います。先輩たちも、キタちゃんが落ち込んだら栄養ドリンクを作ってくれたり、みんなからすごく愛されているんだなと感じました。あと、キタちゃんが商店街の皆さんに支えられていることがわかるシーンも大好きなんです。

――お互いに元気を与え合っているような関係性が素敵でした。
矢野 第3期のアフレコは、(感染症対策の)分散収録が終わり一緒に収録ができるようになってきたタイミングだったんです。だから第8話で商店街の皆さんに「これを持っていきな。あれも持っていきな」といろいろなものをもらって、泣きながら走り去るシーンも一緒に収録できたのですが、テストで皆さんの声を聞いたときに号泣しちゃって(笑)。「このあとの芝居どうするの?」というくらいに泣いちゃったのですが、皆さんの温かさを実感できたことで、本番でしっかりとその気持ちを乗せることができました。あんな風に助けられたり、助けたりしていく中で、キタちゃんがみんなに愛されるウマ娘になったんだということがすごくよくわかりますよね。第3期があったからこそ詳しく描くことができたシーンだと思いますし、見ていて本当にうれしくなりました。

――キタサンブラックはナイスネイチャを「先生」と呼んで慕っているのも面白かったです。
矢野 私もあのふたりの関係が大好きです(笑)。最初は、GⅠに勝てないキタちゃんが「わーん」と泣いているところにネイチャさんが声をかけてくれて、そのときはネイチャさんに励まされるんですけど、その後、キタちゃんがどんどんGⅠを勝っていくにつれて、今度はネイチャさんが「私は最高で3着。でも、キタサンは……」と葛藤するところとか、すごく面白かったです。でも、やっぱりネイチャさんはいつも優しいんですよね。レースに勝つと「よかったね」と喜んでくれますし、心の中では「私が先生だぞ」と思ってくれているのかな、と想像したりもして。ウマ娘たちって、鼻の下に指を当てて「へへっ」という表情をよくするじゃないですか。アニメではそんなシーンはなかったのですが、キタちゃんの活躍を見て、得意になってあの表情をしているネイチャさんも見てみたいです(笑)。endmark

矢野妃菜喜
やのひなき 3月5日生まれ。兵庫県出身。ソニー・ミュージックアーティスツ所属。主な出演作に『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』(高咲 侑役)、『ワンダーエッグ・プライオリティ』(沢木桃恵役)、『SELECTION PROJECT』(美山鈴音役)など。
作品情報


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