TOPICS 2022.07.12 │ 12:00

聖地巡礼のススメ 2022①
アニメ聖地の「探し方」教えます!

作品の舞台をたずね歩く聖地巡礼は、今や多くの人が楽しむアニメ系カルチャー。その魅力と楽しみ方をFebri独自の視点で徹底解説。第1回は地図をテーマに、いちばんの基本である“聖地の場所”の調べ方、探し方を解説する。

文/浅野健司

そもそも聖地巡礼とは?

アニメやマンガの舞台となった場所を訪れる――。「聖地巡礼」や「舞台探訪」と呼ばれるこの行為は、作品の楽しみ方のひとつとしてすっかり定着した感がある。筆者は雑誌版のFebriの頃から『舞台百景』という記事を執筆しており、これまで日本各地の聖地を訪ねてきたが、どの作品の舞台へ行っても巡礼者の姿を見かけたほどだ。

では、聖地巡礼の何が我々を惹きつけるのかと聞かれれば、それは、足を運んだ人だけが味わえる面白さではないだろうか。イベントなどがわかりやすい例かもしれない。最近では地元のお祭りで作品キャストによるトークショーやミニライブが開催されることもよくあり、住民とファンが一体となった盛り上がりは、まさに聖地ならでは。他にも、街角に設けられた展示コーナーで作品の貴重な資料を見られたり、お土産屋さんには名産品とコラボしたオリジナルグッズが並んでいたりと、現地でしか味わえない楽しさが待っている。

しかし、なにより特筆すべきは、作中と同じ景色を目にしたときの感動だろう。登場人物たちと同じ風景の中を歩いていると、その場所で繰り広げられたシーンが頭の中でよみがえり、何げない路地でさえ感慨深く思えてしまう。この2次元と3次元が交差するような感覚は聖地巡礼ならではで、それゆえ多くの人が聖地におもむくのだろう。

そんな聖地の楽しみ方を「地図」「写真」「旅」をキーワードに、3回にわたってお届けしたいと思う。この記事が、巡礼の旅へと踏み出すきっかけになれば幸いだ。

秩父市で行われた『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のイベントの様子。会場外にはあふれるほどの人が集まり、市内は大賑わいだった。

まずは巡礼マップをチェック!

好きな作品の聖地を巡ろうと思ったとき、最初に直面する問題は「その場所はどこにあるの?」ということだろう。市町村名までは簡単なネット検索でわかることも多いが、問題はそこから先の具体的な場所である。

そのため、まずは現地で巡礼マップが手に入るかを作品の公式サイトなどで調べてみよう。これは舞台となった場所が記された地図で、来訪者のために配布されていることがあるのだ。これさえあれば手ぶらで出かけても大丈夫だし、グッズとしてもうれしい逸品だ。

とはいえ、こういったものがすべての作品で用意されているわけではない。むしろ全体から見ればごく一部なので、配布の有無や置いてある場所をしっかりチェックしておきたい。

また、聖地巡礼用のスマホアプリも存在する。代表的なアプリである「舞台めぐり」では、地図だけでなく、キャラクターと一緒に撮影する機能なども搭載されていて面白い。お目当ての作品が掲載されているかチェックしてみるといいだろう。

グッズとしてもうれしい巡礼マップ。いちばん左の『つうかあ』のマップは、なんと雑誌版のFebriに掲載された『舞台百景』の記事をもとに作られたものだ。

公式の巡礼マップが見つからない場合は、インターネットでさらに情報を集めよう。作品名に「舞台」や「聖地」といったキーワードを添えて検索すれば、聖地巡礼ファンのホームページが見つかるはず。こうしたサイトでは、詳細なレポートや地図が掲載されていたりするので、非常に参考になる。

こうした有志の地図をそのまま活用するのもいいが、集めた情報をベースに自分専用の地図を作ると、より快適な巡礼が可能になる。その際のオススメは、やはり機能が充実したグーグルマップ。「マイマップ」機能を使って作成すれば、目的地までのナビゲーションを簡単に起動できるから、聖地間の移動もスムーズ。友達と情報を共有するのにも便利だ。「そこまでするのはちょっと面倒」という場合は、「リストに保存」という機能を使えば、目的地を手軽にマーキングできるのでお試しあれ。

「リストに保存」をする場合は、建物や施設を選択すると現れるメニューアイコンから「保存」という項目を選び、任意のリストに追加していけばOKだ。