――『風立ちぬ』以外のジブリ作品について、思い出などを聞かせてください。
ペイトン　私は『魔女の宅急便』がいちばん好きで、最初に見たのときは3歳か4歳くらいでした。家には原作の本もあって、DVDもあって、どちらも何度も見ていましたね。その頃の家には黒猫がいたので、私はその子のことを勝手にジジだと思い込んで「いつしゃべるんだろう？」と思っていたことをすごくおぼえています（笑）。そのおかげで、今でも黒猫が大好きです。私の猫好きの原点でもあるんです。

――数あるジブリ作品の中で「いちばん好き」な理由はどのような部分にありますか？
ペイトン　好きなポイントはたくさんあるのですが……。まだ10代の思春期の女の子が、ひとりで「魔女になる」と言って旅立つお話ですが、まだまだ子供といえる年齢で、ひとり知らない街で暮らしていこうとする強さにまず惹かれたのをおぼえていますし、今でもカッコいいなと思いますね。あと、やっぱりおいしそうな食べもののシーンが好きなので、パン屋さんのシーンが大好きです。あまりにおいしそうなので、巻き戻して見てしまうくらい好きです（笑）。他にも好きなシーンはたくさんありますが、とにかく私の心をくすぐるシーンがいちばん多いなと感じるのが『魔女の宅急便』ですね。

――きっと大人になってからまた見るといろいろなことを感じられそうですよね。ジブリ作品全体に言えることですが。
ペイトン　話していたら、見たくなりました！　1年くらい前に『魔女の宅急便』がテレビで放送されるのを知って録画したのに、なぜか録画できていなかったんですよ。なのでもう、DVDを買おうと思っています！

――他にジブリ作品で好きなタイトルは？
ペイトン　わ、迷いますね。『風の谷のナウシカ』は、絵本版も何度も読み返しました。たぶん、私は強い女性が好きなんでしょうね。今、話していて感じました。『ナウシカ』は私たちのいるこの世界とはかけ離れた世界で暮らしている人々の物語なので、子供のときはその世界観を理解できなかったんです。それでも、ナウシカが戦いで弱っている人たちに駆け寄って助けようとしたり、王蟲と共生したいという気持ちを強く持っているところに感動しました。ナウシカは、心も強くて優しい、理想の女性だと思います。あんな人に出会えたらいいなと思いますし、自分があんな風になれたらいいなとも思えるような作品ですね。

――もしもジブリ作品に出演するとしたら、どんな役、どんな物語が理想ですか？
ペイトン　ジブリ作品のヒロインにはいろいろな女の子いますが、いちばん好きなのはやっぱり『魔女の宅急便』のキキなんです。でも、演じてみたいと考えると、『猫の恩返し』の主人公・ハルのような普通の女の子の役をやってみたいなと思います。ハルって、いちばん等身大の女の子だなと思うんです。現代に生きる、ごく普通の学生がしゃべる猫と突然出会う「ザ・ファンタジー」という感じの物語で、とても癒されるんです。

――「普通の女の子を演じてみたい」のは、何か理由があるのでしょうか？
ペイトン　中学1年生から芸能活動をさせていただいているので、逆にそういったこととは無縁な、芸能の世界などに興味のない女の子の役をやってみたいという気持ちがあるんです。私自身はこんな特別なことをさせていただいているので、普通を求めてはいけないと思っているのですが、声優はいろいろなものになることができるお仕事ですし、その中のひとつとして、とくに今とは違う人生を歩んでいるような女の子を演じてみたいという思いがずっとあります。

――この記事が公開される時期は、夏真っ盛りです。今年の夏は、どんな夏にしたいですか？
ペイトン　まずは健康に気をつけたいですね。今年は8月後半から9月にかけて、皆さんの前でライブを披露させていただく機会があるので、そこに向けて暑さに負けない身体づくりを目指しています。そして……じつは去年は夏に3キロ太ってしまったので、今年はそうならないように！

――きっと、夏に負けないタイプなんでしょうね。
ペイトン　ちょっとは負けてほしいです（笑）。とにかく、食べすぎないことと身体を冷やさないことを意識して、健康に気をつける夏にしたいです！　皆さんも暑くて大変だと思いますが、一緒に猛暑を乗り越えましょう！