――前編・中編で高校時代の読書体験について聞いてきましたが、影響を受けたと感じている作品を教えてください。
ペイトン　とくに今の自分の身になっているなと思うのが、『えれくとりっく・えんじぇぅ』という作品です。これもボカロ曲がもとになっている小説なんですけど、主人公の女の子が声優を目指しているバーチャルアイドルシンガーなんです。ちょうど声優のお仕事を始めた高校1年の頃に読んだのですが、アフレコやオーディションのシーンなど、声優のリアルな仕事場も描かれていたので、自分と重なる部分が多かったです。あと、これは仕事と関係ないんですけど、小説に「アイスクリームはカロリーが高いけど、食べた時に体を冷やさないように熱が発生するから、じつはあまり太らない」と書いてあって、調子に乗ってアイスを食べていたこともありました（笑）。今考えると本当かどうかわからないけど、当時は「本に書いてあるからたぶん合ってるんだろう」と思って（笑）。

――それは違っているような……（笑）。
ペイトン　そうですよね（笑）。他にもこの作品はギャグ描写が多くて。読みながら「このツッコミが面白いな、今度使ってみようかな」と思ったり、ツッコミの参考にもなりました（笑）。

――ペイトンさん自身の活動のトピックとしては、前作『魔法』から8カ月ぶりとなる2ndシングル『Nemesis』が、11月3日にリリースされました。3曲が収録されていますが、あらためてどんな楽曲に仕上がっていますか？
ペイトン　「ネメシス」は、イントロから引き込まれていく曲です。いろいろな音が散りばめられているので、イヤホンで聞くことをオススメします！　歌詞も韻を踏んでいたり、ちょっと難しい言葉が使われていたりするので、そこも楽しんでいただけるポイントだと思います。「Unlock Story」はすごくリズミカルな曲なので、一緒にリズムを取りながら聞いてもらえるとうれしいです。「Shine on you」はタイトル通りのキラキラしている楽曲なんですけど、ちょっと自分に自信がないときに聞いてみてほしいなと思っています。どういう意味かは……きっと聞いていただければわかるはずです。

――2ndシングルを完成させた今、歌や音楽に対してはどんな気持ちを抱いていますか？
ペイトン　今まで歌ってきた楽曲は、まっすぐな声で届けてきたものが多かったと思うんです。でも、今回の3曲に関しては、あえて今までとは違う歌い方でレコーディングに臨みました。自分の中では難しいことも多い挑戦だったんですけど、どんな反応が返ってくるのか、すごく楽しみでもあります。今は、この先の自分の歌に対して、本当に楽しみな気持ちでいっぱいです。

――2ndシングル以外の近況も聞いておきたいのですが、最近プライベートで変わったことなどはありましたか？
ペイトン　あまり変わらないんですけど、最近めちゃくちゃハマっている料理があるんです。イタリア料理のニョッキっていう、じゃがいもで作られているパスタなんですけど、食べすぎないようにしなきゃと思うぐらいハマっています（笑）。とくにゴルゴンゾーラのチーズクリームを絡めたニョッキがすごく美味しいんです。家でも作ろうかなと思って、ちょっと奮発してゴルゴンゾーラピカンテとチーズと生クリームを買って、パスタはさすがにカロリーが気になったので、こんにゃくの成分が入っているものを使って。でも、やっぱりお店で食べたものとはほど遠くて。どうにかお店の味に近づけようと、いろいろ研究しようかなと思っています。成功したら皆さんにもお知らせします！　

――ニョッキにハマったのは何かきっかけがあるんですか?
ペイトン　一緒に活動しているメンバーと行ったイタリアンのお店のメニューにあったんです。あんまり食べたことがないけど、気になったので頼んでみたら、めっちゃ美味しくて。そのお店のニョッキが私を変えてくれました（笑）。イタリアンのお店でも全部のお店にニョッキがあるわけじゃないので、ニョッキ専門店とかあればいいのにって思います（笑）。

――本当にめちゃくちゃハマっているんですね（笑）。
ペイトン　都内のニョッキがおいしいお店を調べて「ニョッキリスト」を作りました（笑）。これからも追加しながら、時間があるときに行こうと思います。ちなみにジェノベーゼも大好きで、ジェノベーゼリストもあります。あとはカルボナーラリスト、純喫茶リスト、スイーツリスト。今、5つのリストが地図アプリの中に入っています（笑）。チーズも好きなので、チーズもリストになるかもしれないですね。さらに最近、チャーハンも気になっているので、そのうちチャーハンもリストになるかもしれないです（笑）。