――振り返ってもらうかたちになりますが、TVアニメ2期がスタートする前の気持ちから聞かせてください。
法元　新しいメンバーが登場して、同好会に加入するまでを描くことになるので、そのひとりとして「皆さんはどう受け止めてくださるのかな？」という気持ちでした。その一方でTVアニメで表現される嵐珠ちゃん、ミア・テイラーちゃん、三船栞子ちゃんの姿が楽しみだったし、彼女たちのどんな新しい一面を知ることができるんだろう、とワクワクしていました。

――そのストーリーも佳境に差し掛かってきている現在は、どんな心境ですか？
法元　嵐珠ちゃんは、第1話から強烈なインパクトを残して、同好会のみんなに厳しい言葉もストレートにぶつけます。そこに芯の強さやパフォーマンスに対するストイックさが表れていて私は好きなんですけど、前半では彼女の弱さは描かれていませんでした。それが中盤を過ぎると思い悩む表情を見せたり、同好会のみんなに涙を見せるシーンも出てくるようになります。それによって彼女もちゃんと弱さを持った女の子なんだとわかるのですが、その弱さを見せる勇気が、今まではなかったんですよね。だから嵐珠ちゃんがみんなの前で泣けるようになったのは、とても大きな変化だと思います。そんな人間味に触れることで、皆さんも嵐珠ちゃんのことを身近に感じられるんじゃないかな。実際、私自身も以前よりも深く嵐珠ちゃんを愛せているし、ぐっと近くに感じられているので。人とぶつかることを恐れず、真正面から向き合うことで深いところまで関わることができるようになった。それが、嵐珠ちゃんの成長だと思います。

――逆に、何があっても変わらないなと感じているのは？
法元　スクールアイドルに対する愛ですね。嵐珠ちゃんは、高咲 侑ちゃんたちが開催した「スクールアイドルフェスティバル」を見て、自分もやりたいと思って日本にやって来たんですけど、それはスクールアイドルを本気で愛していなければできない行動だと思うんです。同好会のメンバーの前ではクールな顔をしているけど、ひとりになるとグッズを買いに行ったり、スクールアイドルの展覧会に出かけてはしゃいだり（笑）。日本に行こうと思い立ったときから持っているであろう純粋な気持ちは、ずっと変わらない部分だなと思います。

――嵐珠のソロ曲「Eutopia」は劇中でもインパクトのある使われ方でしたね。
法元　個人的にも思いが詰まりに詰まりまくっている曲です。第1話で歌われる曲ですけど、歌で強烈な印象を残さないと成り立たないシーンですし、もし成立させられなかったら嵐珠ちゃんにも失礼になるし、それに触発される他のメンバーの言葉や行動にも説得力がなくなってしまう。それだけにプレッシャーや責任感がすごかったです。レコーディングでも気合いを入れまくってブースに入りました。

――OP主題歌「Colorful Dreams! Colorful Smiles!」はまた違うイメージの曲だと思いますが、どのような印象を持っていますか？
法元　『虹ヶ咲』のスクールアイドルはソロ活動を基本にしていますが、それでもみんなが通じ合っているということがわかるフレーズがこの曲にはたくさんありますし、未来に向けての可能性を感じられる部分も多いです。聞いていただいた方に、生活のなかで希望を抱いたり、明日を前向きに迎えられそうな煌（きら）めきを一瞬でも見せられる、そんな歌になっていたらいいなと思います。

――ED主題歌の「夢が僕らの太陽さ」についてはいかがですか？
法元　この曲が流れるアニメのED映像では、後半の侑ちゃんの姿が印象的だなと思っています。あくまで個人的な解釈ですけど、この歌で歌われている「太陽」が侑ちゃんと重なるような気がしていて。同好会にとっての太陽的な存在だということの比喩なのかもしれない、と思っています。

――嵐珠以外のメンバーにスポットがあたる話数やシーンで好きなものを挙げるとすると？
法元　いろいろありますけど、栞子ちゃんがソロ曲（「EMOTION」）を歌うシーンが印象に残っています。栞子ちゃんは、登場してからもずっとポーカーフェイスで、同好会のみんなとも距離を取りながら関わっていました。そこからスクールアイドルに関わることで少しずつ変わっていくのですが、その変化がライブシーンで表現されていました。たとえば、サビの前まではクールな表情を崩さないんですけど、サビからラストまではずっと笑顔で歌っているんです。初めて栞子ちゃんの感情が表に出たシーンだと思うし、まさに「EMOTION」ですよね。

――2期後半のエピソードで注目してほしい部分や楽しみにしている部分を教えてください。
法元　今までにはあまり描かれなかった、みんなが仲良くわちゃわちゃしているシーンが登場するので、そこを楽しみにしていてほしいですね。私自身も早くオンエアで見たいなと思っています。たくさん悩んで、たくさん壁にもぶち当たったけど、ここまで来れたんだなーって、お母さんみたいな気持ちで見ていそうですけど（笑）。

――『虹ヶ咲』のこれからの展開に対する意気込みを最後に聞かせてください。
法元　私はやっぱり海外での活動に挑戦してみたいです！　『虹ヶ咲』の魅力を海外にも絶対伝えたいと思っているし、今も海外のファンの方から声援やコメントをたくさんいただいているので、その方たちの前でライブができたら！　それと、私は加入したタイミング的にまだ一度もライブで「あなた（＝ライブに参加するファン）」の声を聞いたことがないんです。だから、早くその声を聞ける日が来たらいいなと思っています。今でもライブは楽しいんですけど、皆さんの声と私たちのが声重なることで「完全体」のライブになると思うので、その日を楽しみに待っています！