TOPICS 2023.01.27 │ 12:00

伊達さゆりの「手さぐりの旅」第4回 back numberさんの
「黒い猫の歌」から教わった“自分らしさ”への向き合い方(前編)

声優・伊達さゆりのお気に入りや、心に残っているものを取り上げながら自らを語るフォト&インタビュー連載。2023年最初となる第4回では、以前から大ファンと公言しているback numberの楽曲が登場。「黒い猫の歌」との出会いとともに、テーマとしてピックアップした理由を尋ねた。

取材・文/編集部 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水 衣装協力/ha | za | ma

満を持して(?)のback number楽曲

――第4回はback numberの「黒い猫の歌」がテーマです。伊達さんのback number好きはファンにもよく知られているので、いつ登場するかなと思っていました。
伊達 あえて私の中で温めていた部分もあって。back numberさんの楽曲は好きなものが多すぎるので、どれにしようかずっと迷っていたんです。この楽曲を最初に聞いたときは、「どういう意味なんだろう?」と思っていました。back numberさんには青春や恋愛をテーマにした楽曲が多いイメージなのですが、これは「色」を自分に見立てながら悩んでいるような歌詞で「こういう感情の人もいるんだ」と遠目に見ているような感想を抱きました。でも、あるとき、久しぶりに聞いたら「ああ、わかるなぁ」と感じたんです。

――それは東京に来たのがきっかけだったりしますか?
伊達 そうですね。こういうお仕事をするようになってから聞いて、歌詞の内容がすごくわかるようになったんです。まさに今の感情にぴったりな楽曲だなと思いました。

――今回は歌詞の主題になっている「色」を意識しつつ、黒ではなくあえてカラフルな場所を選んでみたのですが、撮影を終えての印象を教えてください。
伊達 この楽曲を第4回のテーマとして提出したときに、撮影場所や衣装はどんな感じになるのかな、とワクワクしていました。蓋を開けてみるとイメージしていたものとは正反対なカラフルな場所で「この先、どんな色にでもなっていける」という意味も込められているのかなと自分の中でいろいろ考えてしまいました。衣装は、いくつか候補があった中から選ばせていただいたのですが、内側は黒いけれど外側はシフォン素材でキラキラとしているんですよね。内側の「黒」と、光の反射でいろいろな色に変わる外側が自分の心の内と外を表しているようで、すごく楽しい撮影でした。

服を選ぶ楽しさを見つけたのは最近になってから

――以前、「普段は暗めの色の私服を着ていることが多い」と話していましたが、「いつかこんな服を着こなしてみたい」と思う色や柄はありますか?
伊達 ありますね。地元の友達はオシャレな子が多かったんですけど、そういう子たちは色をいくつも取り入れていたり、いろいろな柄を組み合わせていました。私はどうしても黒と白とか、シンプルな色味を選びがちなので、いつも個性的な着こなしができるのは憧れますね。キラキラしたものも着てみたかったので、今回の撮影でこの衣装を選んだのもそれが一因です。あとは原色系、たとえば真っ赤なドレスとかも、どんなシチュエーションかはわかりませんが、いつか機会があったら着てみたいです。似合うかどうかはともかく、「着たんだぞ!」という実績がほしいというか(笑)。

――東京に来てから、着るものは変わりましたか?
伊達 変わりました! ……これでも変わったんです(笑)。動きやすい服装が好きなのですが、最近はワンピースも着たりするようになりました。地元にいた頃は服を選ぶのが苦手というか、面倒くさいなぁと思っていたんです。考えてみると、それが家の中にずっといたいと思うようになった原因なのかな。中学や高校時代は制服があったので助かっていたのですが、大人になって、お仕事に行くときに私服を選ばなければいけなくなったら大変だなぁと想像していました。服を選ぶのって楽しい、と思い始めたのは最近になってからですね。

――職業柄、まわりにオシャレな人がたくさんいる環境ですものね。
伊達 すごく多いです! お仕事に行くといつも「私、ホントに大丈夫かな?」とドキドキしています(笑)。でも、服に対する意識が変わってきたのも、まわりの環境のおかげですね。自分の好きな服を着ている子が多くて、それを見ているうちに「じゃあ、私も好きな服を着よう!」と思えるようになったので、助けられたなと思っています。

「社会人3年目」に目指すのは……?

――これが2023年最初の連載記事になりますが、今年はこれがやりたい、と思っていることはありますか?
伊達 デビューして今年で3年目になりますが、お仕事でご一緒している方から「社会人の3年目から、気持ちが少し変わってくる」と聞いたんです。「2年目は、初めてやることが少なくなるから1年目とは別のプレッシャーを感じやすい、でも3年目からは少し落ち着ける」と。だから3年目は自分が極めたいと思えるものに落ち着いて取り組んでいきたいなと思っています。去年までもそういうことをする機会はいっぱいありましたが、なかなかそういうことを考える余裕が自分の中になかったので。

――これから自分が伸ばしていきたいと思えるものを見極めたい、ということでしょうか。
伊達 ファンの方から「演技や歌、どんなものに興味があるんですか?」という質問をいただくことがあるのですが、ずっと自分の中でも答えを出せなかったんです。「今日はこっちに興味があって、次の日はこっちに移って」という感じで。もしかするとバラついていていいのかもしれないし、やっぱりひとつに絞ったほうがいいのかもしれないし……。自分が何を好きなのかを知りたいので、ゆっくり考えていきたいと思っています。今年もよろしくお願いいたします!endmark

伊達さゆり
だてさゆり 9月30日生まれ。宮城県出身。Apollo Bay所属。『ラブライブ!スーパースター!!』一般公募オーディションを経て、澁谷かのん役で声優としてデビューを果たす。趣味は歌を歌うこと。特技はよさこい。  Twitter/@SayuriDate  Instagram/sayuridate_official