レコーディングで指摘された意外な一面
――テーマを出してもらったときに「負けたくないときに聞きたくなる」とコメントがあったのですが、具体的に聞きたくなったのはどんな状況だったのでしょう?
伊達 私、あまり表には出していないつもりなんですけど、けっこう気が強いんですよ(笑)。自分が「これだ!」と思ったことは、なかなか曲げることができないんです。
――「頑固」ということですか?
伊達 そうです、頑固です。レコーディングのときにも言われたことがあって。「伊達ちゃんって頑固だよね」って。そのときは思わず「あっ、ごめんなさい」と謝ったんですけど。
――それはどういうシチュエーションだったんですか?
伊達 ある楽曲のフレーズをどう歌おうか、なかなかしっくりくるテイクが録れなくて「もう1回お願いします!」と何回も録り直してもらっていたんです。「次にいきませんか?」と言われても「すみません、もう1回……!」って。結果的に、そこはいいテイクが録れたんですけど、あとで「意外と頑固なんですね」と言われちゃって。思わず「え、そうですか?」と返したんですけど、内心「バレちゃったな~」と思っていました(笑)。
――そういった、自分の気持ちを曲げたくないときに「青春の馬」が浮かんでくる。
伊達 そうですね。そのあたりは、この楽曲に出会った高校生の頃から変わっていなくて。振り返ると「あ、私を気遣ってくれたんだな」と理解できるんですけど、その瞬間は「自分はこうしたい」という気持ちのほうがどうしても強くなって。言い返したりはせずとも心の中で「でも」と思っていることが多かったですね。
希望が見えてきたときに背中を押してくれる楽曲
――他にこの楽曲について「こんなときに聞きたくなる」という状況はありますか?
伊達 本当に落ち込んでいるときに「頑張れ」という楽曲は、あんまり刺さらないと思うんです。どん底の状態だと、何も心に入ってこない気がして。だから私も、なかなか誰かに「頑張れ」って言えなかったりするんですけど。だから、この楽曲を聞きたくなるのは「もうちょっとなんだよな」というときですね。苦しいけれども、心にはまだ少し余裕がある。
――ああ、ゴールが見えてきて「あとひと息」とか、そういう状態ですね。
伊達 今日はうまくいかなったけど明日はこういう方法を試してみよう、と考えている最中とか、希望が見えているときに背中を押してくれる楽曲ですね。MVでもメンバーの皆さんがキラキラと力強く踊っているので、それを見ると「早く目標にたどり着いて、こんな風に笑顔になりたい」と思います。
――ちなみに、日向坂46で好きなメンバーを挙げると?
伊達 「青春の馬」を知った当時に好きだったのは、センターで踊っている小坂菜緒さん。あと、齊藤京子さん。歌がお上手で、声もすごく特徴的なんです。とくに低音がよく響いて、どんなに大勢で歌っていても「あ、ここは京子ちゃんだ」とわかるので大好きです。
――なるほど……これまで聞いていて思ったのですが、伊達さんが好きになる女性タレントの方って、わりと雰囲気というか、お顔の系統が似ていますよね。
伊達 え! 本当ですか?
――以前、西野七瀬さんが好きだったと話していたじゃないですか。ここに中島由貴さんと水瀬いのりさんを加えてみると、なんとなくラインが見える気がして(笑)。
伊達 あはは。言われてみるとそうかもしれません。もちろん、お顔以外の部分も大好きで、魅力に感じるところはそれぞれ違うんですけど、共通して惹かれている何かがあるのかもしれないです。でも、これ、気づいてみるとけっこう恥ずかしいですね(笑)。
意外と大きかった、最近のとある変化
――楽曲以外で「もうひと頑張り」が必要なときに欲しくなるものとか、ルーティンなどはありますか?
伊達 そういうときは頭の中が取り組んでいることでいっぱいになってしまうので、少しだけそれについて考えるのをやめるとか、そういうことを心がけていたんですけど、最近、変化がありまして。
――どんな風に変わったんですか?
伊達 美味しいものを食べるようにしているんです。我慢せずに美味しいもの、好きなものを食べるっていうことをやっていて。それが意外と私の中では大きな変化でした。普段は自炊をしないんですけど、何年か前に「できるようにならなきゃ」と思って、自炊をやろうとしていた時期があったんです。といっても、ご飯にとりあえず家にあるものを乗せただけのような「それ、あんまり栄養ないでしょう」っていうものを食べていたんですけど(笑)。
――ひとり暮らし初心者あるあるですね(笑)。
伊達 食べているときはお腹が満たされるんですけど、気持ちが上がっていかないんですよね。やっぱり食べ物から受ける影響って大事だなと思って。だから「今日は頑張ったな」と思えるレコーディングのあととか、緊張するお仕事を乗り越えたあとの帰り道に、とにかく好きなものを食べるんです。その分、最近は物欲がなくなってきて(笑)。
――食欲に偏りつつある?
伊達 そうなんです。食べ物にお金をかけたいと思ってしまって。といっても、毎日のようにご馳走を食べているわけではなくて、自分にご褒美をあげたい、というときだけなんですけどね。