TOPICS 2023.08.31 │ 12:00

伊達さゆりの「手さぐりの旅」 第10.5回
総集編:ここまでの旅路(中編)

もうすく連載開始から1周年を迎える声優・伊達さゆりのフォト&インタビュー連載。第1回から10回までの過去回を振り返る総集編の中編では、撮影の裏話を交えながら、第4回~第7回までを取り上げる。

取材・文/編集部

第4回 back numberさんの「黒い猫の歌」から教わった “自分らしさ”への向き合い方

――前編では第3回まで振り返ってもらったので、ここでは第4回からですね。
伊達 ラジカセに耳を近づけている写真なのですが、猫耳のカチューシャをつけていて耳が4つある状態なんですよ。どっちの耳を近づけようか、迷いました(笑)。すごく変わったお衣装だったんですよね。表現するのが難しいのですが、素材も柔らかそうに見えて意外とかっちりしていたり、光の当たり方で色味が変わったり。back numberさんの「黒い猫の歌」がテーマの回だったので、黒ベースの衣装で髪型もシンプルだったのですが、スタジオはすごく明るい場所で。ラジカセの色も水色ですし、テレビにピンクが使われていたりして、色あいが不思議で綺麗だなと思いました。それにしても、すごく楽しそうな表情をしていますね(笑)。

――ラジカセやカセットテープって見たことはありましたか?
伊達 見たことはあります。でも、鳴っている音を直接聞いたことはないです。映画やドラマなどで鳴っているのを見たことがあるくらいで。目の当たりにしてみると、サイズが大きいなと思いました。

――たしかに。90年代以前の機械は今見ると大きく感じますね。
伊達 使ってみたかったなと思いました。今はスマートフォンさえあればクリアな音で音楽を聞けますが、カセットテープから流れてくる、少し雑音が入っているアナログな感じが好きで。生で聞いたことはないのですが、寝る前に流しておきたいのはカセットテープの音なのかな、と思いました。

――ちなみに第4回は、唯一、食べ物が出てこない回ですね。
伊達 え!? というか、他の回には全部出ているんですね。たしかに毎回なにかしら食べている気がします。

――この回はプレゼント用のチェキでウサギの模様が入ったお饅頭を持ってもらっているので、10回とも食べ物が出ています。
伊達 気づいた読者の方、いらっしゃいますかね? 聞いてみたいです。

第5回 感情がストレートに乗った歌詞が響く あいみょんさんの「RING DING」

――第5回は、あいみょんさんの「RING DING」がテーマで、撮影場所は葛飾でした。
伊達 この回が写真を選ぶのにいちばん迷いました。でも、すごく好きな回で、衣装やメイクがとにかく新鮮でした。表情的にも笑顔を求められない撮影って、あまり経験がなくて。写真によってはクールというか、睨みをきかせているようなものもありましたね。

――いちばん攻めた回だったかもしれません。屋内の撮影が多かったのでわかりにくいのですが、じつは撮影日に雨が降ったのは、まだこの回だけなんですよね。
伊達 よく見ると、地面が濡れていますよね。喫茶店でいただいたクリームソーダがおいしかったです。私、クリームソーダがすごく好きなんです。

――葛飾に来たのはこのときが初めてですよね?
伊達 そうですね。撮影後にもまだ行く機会がないので、今のところこのときだけです。でも、なんだか初めて来たような気がしない感覚がありました。夜になると、星空が綺麗に見えそうだなと思いました。

第6回 自分に気合を入れたくなったときに聞きたい ゆずさんの「ヒカレ」

――第6回は、池袋のデパートの屋上庭園です。
伊達 ゆずさんの「ヒカレ」がテーマでした。これも、最終的に3枚くらいの中から迷いました。この距離感で撮っていただくことってあまりないなと思った写真です。向かい合ってしゃべっていて、褒めてもらえたときの私ってこんな感じなんだなと思いました。妙に照れている感じで、これもあまり見せたことのない表情というか。自然な感じでオフショットらしいなと思います。

――この第6回と前の第5回は、読者の方からとくに衣装についての反響が大きかったです。
伊達 第5回からテイストがガラっと変わりましたよね。第6回は真っ白な衣装が太陽の光をすごく反射して、いろいろなところから光が飛ぶ中で撮っていただきました。お天気がよかったので、空が綺麗だったのも印象的でした。そう考えると、雨で笑顔のない写真が多かった第5回とは、いろいろなところで対照的ですね。

第7回 アイナ・ジ・エンドさんの表現力に心打たれた「はっぴーばーすでー」

――第7回はアイナ・ジ・エンドさんの「はっぴーばーすでー」がテーマでした。
伊達 記事の公開日がおじいちゃんのお誕生日と近いということで、ケーキを用意していただきました。自分の中ではいちばん不思議だった回です。お祝いしているのに、虫の模様が入っているような毒々しい柄の衣装だったり、お姫様っぽいソファに座っていたかと思いきや、破れた本のページを持っていたり。意外な取り合わせの面白さがあった回なのかなと思います。この写真は光の感じも大好きなのですが、「はっぴーばーすでー」とお祝いできそうな、楽しそうな表情にはあえてなっていないところが気に入っています。インタビューでもお話したのですが、アイナ・ジ・エンドさんは、作詞のときに誕生日のお祝いだけではなくて、あなたが生まれてきたことへの喜びやこうして出会えたことへのうれしさをテーマにしている、とおっしゃっていて。「生まれてきてくれてありがとう」とか「出会ってくれてありがとう」とか、家族やお友達との会話で何気なく話す言葉かもしれないけど、じつはもっと重い言葉だよなと思うんです。人と人が出会うのって考えてみたらすごい確率じゃないですか。そんな言葉と現実の重みの違いが、衣装やメイク、撮影場所やシチュエーションにあらわれているようで素敵だなと。これもすごく好きな回ですね。

――他にこの回で印象的だったのは、伊達さんが撮影に使ったケーキを全部持って帰ったことと(笑)、おじい様のお誕生日祝いの歌を歌ってもらったことなのですが、おじい様に限らず、この連載は家族の方も見ているのでしょうか……?
伊達 見ています。記事が更新されると、いつも私より先に母が見るのですが、すごく楽しみにしてくれています。写真については、感想を言ってくれますね。「あの写真、かわいいね」とか。インタビューももちろん読んでくれているのですが、私としては自分が話したことを家族に知られるのは恥ずかしい気持ちがあって。親もそれを察してくれているのか(笑)、インタビューについては何も言ってこないです。endmark

伊達さゆり
だてさゆり 9月30日生まれ。宮城県出身。Apollo Bay所属。『ラブライブ!スーパースター!!』一般公募オーディションを経て、澁谷かのん役で声優としてデビューを果たす。他の出演作に『英傑大戦』(池田せん役、巻姫役)『アサルトリリィ Last Bullet』(石塚藤乃役)など。趣味は歌を歌うこと。特技はよさこい。 Twitter/@SayuriDate  Instagram/sayuridate_official