TOPICS 2024.03.01 │ 12:00

伊達さゆりの「手さぐりの旅」 第15回 halcaさんの
「HORiZON」がつないでくれた、ステージの向こうの景色(中編)

halcaの「HORiZON」がテーマとなった伊達さゆりのフォト&インタビュー連載の第15回。中編では楽曲の内容に触れながら、アーティスト・halcaの魅力や、最近の自身の変化について語ってもらった。

取材・文/編集部 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水

ライブの光景はいつもずっと見ていたいと思う

――楽曲のタイトルで歌詞にも登場する「HORiZON」は「まだ見ぬ憧れの光景」のイメージなのかなと思うのですが、伊達さんにとっていつか見てみたい、あるいは体験した中で忘れられない光景はありますか?
伊達 今までに見た中だとやっぱりライブの景色はすごいな、と思いますね。それは、ステージの上からでも客席から見ていても感じます。そのアーティストさんが持っている色とか空気がいちばん現れる場所だと思うんです。アーティストさんが好きなこと、やりたいことを表現する場所であり、その人のことをもっと知りたいって思った人が集まる場所でもありますから。同じ会場でもアーティストさんごとに全然違うものになるので、ライブの空気や景色はいつもずっと見ていたいな、と思います。

――現実の風景でここを見に行きたいな、という場所はありますか?
伊達 去年の夏に二度、海外に行かせていただいたんですけど、こんなに日本と違うんだ、と身に染みて感じたんです。ただ歩いていても普段と違う感覚があって、なんとなく心が少し大人になったような気がするというか。だから、海外にはまた行きたいですね。王道かもしれないですけど、オーロラを生きている間に見てみたいです。でもあれ、見られるかどうかは運もあるんですよね。

東京に来てから星を眺めるようになった

――行っても見えないことも多い、と聞きますよね。オーロラの話題が出ましたけど、星にまつわる思い出はありますか?
伊達 このお仕事を始めてから夜空をよく見るようになりました。参加しているコンテンツが星に関連しているので(笑)。意外と東京って星が見えるなと思いますね。都心とかだとあまり見えないんですけど、少し歩くとけっこう見えるなって。

――他の人の星座って気になります?
伊達 私と母と祖母が全員同じ星座なんですけど、それを知ってから星座占いってあんまりアテにならないな、と思うようになったんです。みんなてんびん座なんですけど、「今日の運勢の1位はてんびん座」と聞いても、それぞれいいことがあったり、悪いことがあったりでバラバラなので(笑)。

――なるほど(笑)。さっき「意外と東京でも星が見える」と言っていましたけど、空気はやっぱり地方のほうが澄んでいると思うのですが、東京と地元の仙台を比べてみるとどうですか?
伊達 澄んでいる……どうだろう? でも、空気は仙台のほうが冷たいですね。それが澄んでいるということなのかもしれないですけど、息を吸ったときにヒヤっと喉にくる感じは仙台のほうが強いかもしれないです。

――でも、それがちょっと心地いい冷たさ、みたいな?
伊達 それが、私は寒いのが苦手なので(笑)。その点では東京にいるときのほうが助かっているかもしれません。

自然体のカッコよさや笑顔を見せられるのがうらやましい

――halcaさんの話題に戻って、同じ歌手としてどんなところに魅力を感じますか?
伊達 まず、声に関して言うと、ギャップがある声だなと思っていて。halcaさんの見た目の雰囲気や笑顔からは想像できないクールさを感じるんですよね。きっとハスキーな声から感じるクールさだと思うんですけど。ただ、それがカッコつけているクールさじゃないというか。上手い人ならではの自然な歌いまわしや癖がすごく素敵だなと思いますね。

――なるほど。
伊達 自然体のカッコよさと、頑張っている姿がカッコよく見えるのって、どちらもよさがあるんですけど、halcaさんの場合は自然体のカッコよさで、なおかつその中で楽しんでいる姿もあって。ずっと笑顔で歌われていますけど、それも楽しさから自然に出てくる笑顔という感じで、そこがいいなぁ、あんな風に振る舞えるのがうらやましいなぁと思いますね。

――地道に積み重ねてきた自信からくる余裕がたたずまいに現れているのだと思うのですが、伊達さんはお仕事を始めた頃と比べて落ち着いてきたな、と感じることはありますか?
伊達 最近は、比較的前を向けているなと思っていて。些細なことでもありがたいな、うれしいなと感じられるようになってきました。以前までは「できるだろう」と思っていたことがうまくいかなかいと「ズーン……」と沈みっぱなしになっていたんですけど、今では「沈んだ気持ちのあとだからこそ味わえる達成感もあるよ」と考えられるようになってきました。

――初めて経験することばかりだった頃よりもいろいろなことを見渡せるようになって、気持ちに余裕が出てきたということですね。
伊達 そうですね。「ちゃんとゆっくり息を吸えている私、楽しい、うれしい」みたいな。今日も「ご飯おいしい」って思えてうれしい、とか。そこまで言うと以前までがとんでもない状況だったように聞こえちゃうかもしれないですけど(笑)。

――ご飯を味わうよりも「明日どうしよう」といった考え事が先に来てしまっていたということですよね。
伊達 そうです。それが、今ではちょっとしたことでもうれしいと思えて、うれしく思えることがまたうれしい、みたいな感じになっています。この状態がいつ終わるかわからないのでドキドキする気持ちもあるんですけど、そういった感情も含めて、忘れないようにしたいなと思っています。endmark

関連情報

【撮影協力】
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住所/東京都中央区銀座6-5-15 銀座能楽堂飯島ビル8-9F
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営業時間/12:00~23:00(不定休)
 
 
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