TOPICS 2024.05.24 │ 12:00

伊達さゆりの「手さぐりの旅」 第17回
SEKAI NO OWARIさんの「yume」を聞くたびに思い出す、先生の言葉(後編)

小学生時代の思い出とともに、SEKAI NO OWARI「yume」について語ってきた声優・伊達さゆりのフォト&インタビュー連載の第17回。曲名に紐づいて、眠っているときによく見るという「夢」について、そして楽曲に出会うきっかけをくれた恩師に今、伝えたいことを尋ねた。

取材・文/編集部 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水

繰り返し見る夢について誰か占ってほしい

――今回は「yume」という曲名からの連想で、パジャマ風の衣装を着てもらったのですが、寝ているときに夢は見るほうですか?
伊達 2~3日に一回くらいの確率で見ますね。何度も同じ夢を見ることがあって。ある日その夢を見たら、2~3カ月後にもう一度同じような夢を見て、なんか見たことあるな~……と思っていたら、そのまた半年後にまた同じような夢を見る、みたいな。夢ってそのときの自分の心理が表れて、何かに追われているときには焦るような夢を見る、なんていいますけど、そういう感じではないんですよね。

――具体的にどんな感じの夢なのでしょうか?
伊達 森の近くのような場所にいて、それは私ひとりではなくて、いろいろな人がまわりにいるんですけど、その人たちとすごく仲よくしているんですよ。だけど、顔を見ても全然知らない人で――それは起きてから気づくんですけど。そういえば知らない人だったなー……って(笑)。その人たちと一緒に森の中に入っていくんです。すごく霧が深い森なんですけど、怖い雰囲気じゃなくて、私もまわりもすごく楽しそうで、夢でしか見ないような光景なので「あ、これ夢だな、また見てる」って気づいて、そうするといつもそこで目が覚めちゃって、そこから先を見たことがないです。不思議なので誰かに一度占ってほしいです。何か意味がありそうじゃないですか。

――たしかに不思議で意味深な夢ですね。寝付きはいいほうですか?
伊達 次の日に何か大事なことがあると、緊張して眠れないことが多いです。でも、移動中や、今日の撮影前にもヘアメイクさんを困らせてしまったんですけど、何もせずにいられる時間が2分もあればどこでも寝られるというか、寝入るまでがすごく早くて。この前も、別の現場で撮影が終わったあと、プレゼント用にサインを書こうとしていたら、ペンを持ったまま眠ってしまって(笑)。そんな風に気づかないところで寝ていることがけっこうあります。でも、別に疲れていたり寝不足だったりするわけじゃなくて、前の日もめちゃめちゃ寝ているんですよね。なんならお休み日の次でもうっかり眠ってしまうことがあるので、気をつけなきゃなと思っています。

――ただ、どこでもすぐに眠れる、というのはこのお仕事をしている分には特技という気もします。となると、「これがないと寝られない」みたいなものもなさそうですね。
伊達 そうですね。ただ、本当に些細なことなんですけど、髪を下ろした状態で首元に髪があると寝られなくて、いつも頭の上で髪を括って寝ています。そこだけは寝るときに開放的にしておきたいんです。

一度はセカオワさんにライブを見に行きたい

――「yume」の他にSEKAI NO OWARIの楽曲で好きなものや、アーティストに関する思い出はありますか?
伊達 小学6年の当時、まわりの友達がたくさん聞いていて、それは中学に上がっても続きました。とにかくみんなセカオワさんのことを話していた時期だという印象があります。

――伊達さんが小学6年ということは2014年ですよね。そのあたりにリリースされたSEKAI NO OWARIの楽曲というと……。
伊達 『スノーマジックファンタジー』がちょうどその年に出ていましたね。前の年に『RPG』が出ていて『スターライトパレード』がもう少しさかのぼって2011年ですね。「yume」が『スターライトパレード』のc/w曲だったのにはびっくりしました。「スターライトパレード」は中学1年のときにいつも大声で歌っていたクラスメイトがいたなぁ……。

――SEKAI NO OWARIというアーティストについてはどんな印象を持っていますか?
伊達 すべての楽曲を聞き込んでいるというわけではないんですけど、そんな私でもやっぱり世界観の強さが飛び抜けているというか。セカオワさんというブランドがあって、前もどこかで――たしかあいみょんさんの回(第5回)かな、そのときにも同じ表現をしましたけど、またそれとは違った「あの方たちがやるからすごいものが出てくる」という感覚がありますね。「ライブのセットがすごい」という評判はよく聞いていて、映像で見たことがあるのですが、一度生で見てみたいなと思っています。

「これからもさゆSmileを響かせろ」

――伊達さんがこの楽曲に出会うきっかけをくれた先生はもう亡くなっていると先に聞いていたのですが、もし、もう一度会えるとしたら、どんなことを伝えたいですか?
伊達 小学校の卒業アルバムに、ひとりずつコメントをもらったんです。人気者だったんですけど、そういうことはあんまりやらないタイプの先生だったんですよ。「でも卒業だから」って、涙ぐみながら書いてくれたんです。何を書いてくれるんだろうって期待しながら見たら「これからもさゆSmileを響かせろ」とあって。私、小学生の頃はあんまり笑っていなかったと思っていたんですけど、先生の目には笑顔が見えていて、そこに「これからも」と付けてくれたことがすごくうれしくて。いろいろな人にしかられた小学校生活だったけど、そんなところを見てくれていたんだって。もし、もう一度会うことができたら「あれはどういう意味だったんですか?」と聞きたいし、「冷凍みかん事件」で私が泣いたことに対してはどう思っていましたか?ということも聞きたいです。

――今まさに伊達さんはいろいろなところで「Smileを響かせて」いる真っ最中だと思うので、その言葉がずっと生きているのだなと思います。
伊達 先生は私がこの業界に入る少し前に亡くなってしまったので、お仕事をしている姿は見せられていないんです。だから、今はこんな活動をしているということも、先生に会えたら伝えたいなと思います。endmark

関連情報

【撮影協力】
東京おもちゃ美術館
住所/東京都新宿区四谷4丁目20 四谷ひろば内
営業時間/10:00~16:00(15:30最終入館)
※入場にはチケットの購入が必要です
休館日/毎週木曜日(木曜が祝日の場合は翌日振替)
Webサイト/https://art-play.or.jp/ttm/
 

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