TOPICS 2024.03.02 │ 12:00

伊達さゆりの「手さぐりの旅」 第15回 halcaさんの
「HORiZON」がつないでくれた、ステージの向こうの景色(後編)

伊達さゆりのフォト&インタビュー連載の第15回。halcaの「HORiZON」を取り上げてきた締めくくりとなる後編では、「HORiZON」と同じシングルに収められているふたつの楽曲と、「アニメ主題歌」についての思い出を尋ねた。

取材・文/編集部 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水

守護ってあげたくなってしまった「うそじゃないよ」

――「HORiZON」以外にもhalcaさんの楽曲をいろいろ聞いていると思うのですが、他に好きなもの、おすすめのものはありますか?
伊達 「HORiZON」と同じシングルに入っている「うそじゃないよ」という楽曲があって、今回はこれをテーマにしようか迷ったんです。どちらも『スターティングブルー』というシングルに入っているのですが、この「スターティングブルー」「うそじゃないよ」からの「HORiZON」という流れがすごく好きで、何度もリピートして聞いていました。

――「うそじゃないよ」はどんなところがお気に入りですか?
伊達 歌詞や曲調はけっこうお茶目というか、かわいらしいんですけど、ところどころで切なさが飛び込んできて、それが心に響くんですよね。タイトルにもなっている「うそじゃないよ」というフレーズがセリフのように3回続けて出てくる箇所があるんですけど、そこにhalcaさんの等身大の「女の子」の部分が込められているようで……あの、ちょっとオタクっぽい言い方になってしまうかもしれないですけど、「守護(まも)ってあげたい」という気持ちになったんですね。年上の方なんですけど(笑)。

――自分の身に置き換えて感情移入するんじゃなくて、「守護ってあげたくなる」んですね。
伊達 そうです。「守護」と書いて「まもる」と読ませる「守護りたい」です。相手にとっては迷惑かもしれないですけど(笑)。明るいイメージの強いhalcaさんのはかなげな部分に触れたようで、印象的なんですよね。

今の自分はいい意味でまだ夢の中にいるようだと思う

――「HORiZON」の歌詞では「すべては今日のためにあったと/許せるような眩しいイマが欲しい」というフレーズがお気に入りだと事前に伝えてもらいましたが、ここ以外に好きなフレーズはありますか?
伊達 1番と最後のサビに出てくる「醒めない夢を/くれたあなたへ」は、きっといろいろなものに置き換えられるなと思っていて。「あなた」は人じゃなくても、たとえば、何かの出来事でもいいと思いますし、ここは自分の立場と置き換えて聞いていますね。

――どんな部分にシンパシーを感じますか?
伊達 今の自分のお仕事は、ずっと夢のようなものだと思っているんです。苦しいこともそうじゃないことも、全部いい意味でいまだに現実感がないというか。だから「夢」という言葉に惹かれるんですよね。感謝を伝えたい人が多すぎて、私にとっての「あなた」が誰になるのかがわからないんですが、でもすごく好きですね。

――歌詞に関連して、伊達さんもSNSなどで文字を書いて発信することは少なくないと思うのですが、そこで心がけていることはありますか?
伊達 全然私のことを知らない人たちにも向けて発信しなければいけないこともあるので、やっぱり言葉遣いには気をつけなきゃいけない、といつも思っています。ただ、普段の私は雑だし、らしくないなー、と感じることもあって。素を出しても受け止めていただけそうな場所、たとえば、ブログなどでは、しゃべり口調のような感じで書いています。そうしたら「(伊達さん)っぽくて好きです」って言ってくださる方が意外と多くて。私もそのほうが書いていて楽しいし、最近はそういうことを意識して書くようにしています。

私も買いたい! 書籍版「手さぐりの旅」

――halcaさんの楽曲の多くがアニメ主題歌に採用されていますが、halcaさんの楽曲にかかわらず「アニメ主題歌」として好きなものはありますか?
伊達 『プリキュア』シリーズの主題歌はやっぱり好きです。最近のものを聞いていても、自分がいちばん夢中になって見ていた小さな頃を思い出します。

――シリーズでとくに好きな楽曲というと……?
伊達 『フレッシュプリキュア!』が好きだったので、オープニングもエンディングも印象に残っていますね。年齢的に『プリキュア』がいちばん刺さる時期の作品だったので、まわりのお友達もみんな見ていました。『プリキュア』以外だと『クレヨンしんちゃん』も好きで。とくに映画(『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード』)の主題歌にもなっていた華原朋美さんの「PLEASURE」という楽曲がお気に入りでした。今でも「歌って」と言われたら歌えるくらい(笑)。

――おそらくこの記事が出る頃かその少しあとには書籍版の「手さぐりの旅」についても続報が出せると思うのですが、「こんなところを期待していてほしい」といったポイントを聞かせてください。
伊達 長期間にわたって撮ってくださったり、インタビューしてくださったりしたものをまとめて見ていただけるというのが、私がいちばん楽しみな部分です。時間が経てば経つほど内容の濃さを感じとれるものになってくると思うので、ぜひ一冊、お手元に置いていただけると。私はもう自分で買おうと思っているんですけど。

――いやいや、伊達さんには送りますよ(笑)。
伊達 あはは。私も買いたいと思ったくらい楽しみなんです。1年以上前のインタビューだと、自分でもどんなことを話したのかあやふやだったりするので「こんなことを言ってたな」と振り返る楽しさもありますし、顔つきも今とは全然違っていると思うので。私からするとちょっと恥ずかしさもあるんですけど(笑)、歴史の本みたいな感じで見ていただけるとうれしいです。endmark

関連情報

【撮影協力】
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営業時間/12:00~23:00(不定休)
 
 
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伊達さゆりさん20歳の誕生日から「Febri」にて好評連載中の「手さぐりの旅」が書籍になります!
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発売日は4月22日(月)、どうぞお楽しみに!