TOPICS 2023.01.31 │ 12:00

伊達さゆりの「手さぐりの旅」第4回 back numberさんの
「黒い猫の歌」から教わった“自分らしさ”への向き合い方(後編)

back numberの「黒い猫の歌」がテーマとなった伊達さゆりのフォト&インタビュー連載の第4回。締めくくりとなる後編では、自らの「個性」と「back number愛」を語り合う仲間(?)とのエピソードなどを語ってもらった。

取材・文/編集部 撮影/松本祐亮 ヘアメイク/三反理沙子 スタイリング/佐野夏水 衣装協力/ha | za | ma

最初に見つけた自分の「個性」は?

――この楽曲で歌われている「色」は中編にも出てきた「個性」とも置き換えられると思うのですが、伊達さんが最初に自分の「個性」だと思ったものは何ですか?
伊達 私、まわりの子と比べると身長が低いんです。何人かで並んでいると遠目から見てもひとりへこんでいて、すぐに誰だかわかっちゃうんですよね。だから一時期までは身長が高い方に憧れていたんです。でも、きっと今から変えられることはないので(笑)、身長が低いところも含めて「私です」というのを大事にしていきたいと思っていますし、それは個性だなと感じています。

――ちなみに、伊達さんは子供の頃から小柄だったんでしょうか……?
伊達 背の順で並ぶとクラスでいちばん前でしたし、組体操は当たり前のように上に登る役でした。いつか伸びるだろうと思っていたんですが、思い続けているうちに20歳になってしまって(笑)。服に興味を持つようになったのも、最初は少しでも身長を高く見せたいと思ってヒールのある靴を履き始めたのがきっかけのひとつなんです。

ほんの些細な「いいこと」を気に留めて

――今回、テーマをもらった際に「誰かと関わったりお話ししたりすることが、今後の自分自身を作り上げていくのに必要なんだなと気づいた楽曲」とコメントがありましたが、実際に「この人に触発された」という方はいますか?
伊達 アンミカさんが好きで、その言葉によく勇気をもらっています。とてもポジティブで前向きな方じゃないですか。でも、ずっとそんな風に生きてこられたわけじゃないと知ったときは、とても驚きました。アンミカさんもまわりの人たちからいろいろなことを教わったり影響を受けながら、今でも「ハッピー」を研究し続けていらっしゃるんだ、と。

――アンミカさんから具体的に影響を受けたのはどんなことですか?
伊達 「大切なものだからといって自分の中にずっと置いていると新しいものが入ってこられないから、ときには思いきって手放してしまったほうが心に余裕が生まれる」といったことをおっしゃっていて、「なるほど」と思いました。私はずっと、自分にとって「いいこと」を見つけてたくさんとっておこうと心がけていたのですが、「いいこと」ってすごくうれしいことじゃないと意外と記憶に残らないんですよね。

――なるほど。
伊達 逆に私は、小さな困りごとや悲しいことが積み重なったときに落ち込みやすいんです。それなら本当に些細な「いいこと」、たとえば「目的地まで一回も赤信号で止まらなかった」とか、そういうことを気にかけていけば、その日にちょっとうまくいかないことがあってもあまり落ち込まずに済むんじゃないかなと。だから、今はほんのちょっとした「いいこと」やうれしいことを大事にしようと思っているんです。

これからも感動させられ続けるんだろうなと思う

――最初にback numberの楽曲に初めて触れたのはいつ頃だったか、おぼえていますか?
伊達 中学の頃でしたね。「クリスマスソング」という楽曲がドラマの主題歌になっていて 、クラスにも好きな子が多くて流行っていました。私もずっと口ずさんでいて、気づいたらハマっていました。

――あらためて、back numberというバンドのどんなところが好きですか?
伊達 母と一緒にライブに行ったときに聞いたMCが印象に残っていて、「自分たちの音楽を聞いてもらいたいからこの場に立っている。チヤホヤされたくてここまで活動してきたわけじゃないんだ」というようなことをおっしゃっていたんです。私たちと同じ目線で、ずっと寄り添いながら歌を届けてくれている感覚がして、すごくうれしかったんですよね。好きなアーティストさんって、好きゆえに手が届かない存在だったり、「ああいう人になりたい」というような憧れのまなざしで見てしまうのですが、back numberさんには「私たちのそばで歌を届けてくれる」という印象がずっとあるんです。

――聞いているとある種の泥くささというか、人間味を大事にしているバンドなんだなということは感じます。
伊達 そうですね。人間味のある歌詞がグサグサ刺さってきちゃって。初めて触れたときから今までずっと「好き」が更新されています。

――「back number愛」を語り合う知り合いなどはいるのでしょうか?
伊達 私はひとりで楽しみたいタイプなので……(笑)。でも、母もback numberさんが大好きで、語り合ういちばんの仲間は母なんですよね。よく電話しながら「あの曲いいよね!」とはしゃいでします。この前、帰省したときにふたりでお買い物に行ったのですが、お店でback numberさんの楽曲が流れ始めて。もうイントロが流れた瞬間に「はっ!」と、ふたりして顔を見合わせました(笑)。

――10代で出会って大好きになった音楽って、みんな歳を重ねても大好きであり続けるんですよね。
伊達 これからも感動させられ続けるんだろうなと思っています。ずっとback numberさんが好きだということは胸を張って言えますね。endmark

伊達さゆり
だてさゆり 9月30日生まれ。宮城県出身。Apollo Bay所属。『ラブライブ!スーパースター!!』一般公募オーディションを経て、澁谷かのん役で声優としてデビューを果たす。趣味は歌を歌うこと。特技はよさこい。  Twitter/@SayuriDate  Instagram/sayuridate_official